トップ猫の健康と病気純血種の猫に多い病気ボンベイに多い病気

ボンベイに多い病気~原因・遺伝性から検査・治療法まで

 ボンベイがかかりやすい病気を原因、遺伝性、検査法、治療法などに分けて一覧リストでご紹介します。なお出典データには海外のものも含まれているため日本に暮らしている猫には必ずしも当てはまらないことがあります。

FOPS

 「FOPS」(Feline Orofacial Pain Syndrome, フォップス)とは、口腔内の痛みに端を発する様々な症状の総称で、直訳すると「猫口腔顔面痛症候群」となります。口を動かす動作によって口内の痛みが誘発され、ひとたび痛みが発生すると、数分から数時間に渡って持続します。顔の中を走る「三叉神経」(さんさしんけい)が関わる神経因性疼痛の一種だろうと推測されていますが、その発症メカニズムに関してはよくわかっていません。 FOPSの症状・原因・治療

バーミーズの血統

 2010年に行われた調査によると、FOPS(フォップス)を発症した猫113頭のうち、バーミーズが100頭(88.5%)を占めていたといいますので、バーミーズの血統が入ったボンベイやトンキニーズにおいても発症する危険性を否定できません。

尿酸塩尿石症(?)

 下部尿路症候群(LUTD)とは、膀胱から尿道口をつなぐまでのどこかに結石などを生じてしまう病気。猫ではシュウ酸カルシウム結石やストラバイト結石が大半を占めていますが、まれに尿酸塩(アンモニア・ナトリウム・シスチン・キサンチン)が結石を形成することもあります。診断は尿内の結晶検査やエックス線撮影で下します。治療は結石の除去と食事療法がメインです。 下部尿路症候群の症状・原因・治療

発症リスク

 1981年1月から2008年12月の期間中、ミネソタ尿石センターに蓄積されたデータの中から尿酸塩結石を発症した猫5,072頭と発症していない比較対照群437,228頭とを選び出し、結石の発症リスクを高めている要因を検証しました(→出典)。その結果、純血種、不妊手術(12倍)、4~7歳の年齢層(51倍)という因子が浮かび上がってきたといいます。さらに品種ごとにリスクを計算した所、ボンベイで18倍(1/5)のリスクが確認されたとも。ただし調査対象となった猫の数が5頭とそもそも少ないことから、確定的なデータではないとしています。

低カルシウム血症ポリミオパチー

 低カルシウム血症ポリミオパチー(Hypokalaemic polymyopathy)とは、血液中に含まれるカルシウム濃度が低下することにより、複数の筋肉が障害を受けて正常に機能しなくなる病気。

疾患遺伝子

 病気は遺伝性で、多くの場合1歳を迎える前の早い段階で発症します。主な症状は筋力の低下と筋肉痛で、頭を支えきれず前方に垂らしながら歩く姿が特徴です(→出典)。進行は継続的なものから断続的なものまであり、中には成長とともに自然回復するものもいます。近年の遺伝子調査では、「lysine-deficient 4 protein kinase」と呼ばれる酵素の生成に関係している「WNK4」遺伝子の変異が発症要因である可能性が浮上してきました。この酵素は主として腎臓のネフロン遠位部に含まれており、ナトリウムとカリウムの交換に関わっています。おそらくこの酵素が正常に働かなくなることで体内からカリウムが過剰に失われ、複雑なメカニズムを通して血中カルシウム濃度を低下させているものと推測されます。 低カルシウム血症ポリミオパチーの猫では頭を支えきれず前方に垂れ下がるのが特徴  患猫の多くはオーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパ、南アフリカのバーミーズです。しかし2015年に病気に関するレビューを行ったオーストラリアの調査チームは、バーミーズの血統が入ったボンベイ、トンキニーズシャンティリーといった品種においても疾患遺伝子を抱えている可能性を否定できないとしています。なお遺伝子検査は日本国内でも可能です(→検査機関)。