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猫の肉球皮膚炎~症状・原因から予防・治療法まで

 猫の肉球皮膚炎(にくきゅうひふえん)について病態、症状、原因、治療法別に解説します。病気を自己診断するためではなく、あくまでも獣医さんに飼い猫の症状を説明するときの参考としてお読みください。なお当サイト内の医療情報は各種の医学書を元にしています。出典一覧はこちら

猫の肉球皮膚炎の病態と症状

 猫の肉球皮膚炎とは、猫の肉球に炎症が起こり、むくんだり潰瘍を起こした状態を言います。肉球の表面に免疫細胞の一種である形質細胞(けいしつさいぼう)が多く見出されることから、形質細胞性足皮膚炎(けいしつさいぼうせいあしひふえん)とも呼ばれます。猫の肉球皮膚炎(形質細胞性皮膚炎)  猫の肉球皮膚炎の症状としては以下のようなものが挙げられます。
肉球皮膚炎の主症状
  • 肉球のむくみ(前→後)
  • 肉球表面の潰瘍や膿
  • 足を引きずるように歩く

猫の肉球皮膚炎の原因

 猫の肉球皮膚炎の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
肉球皮膚炎の主な原因
  • 不明  なぜこのような病気が発生するのかはわかっていません。いったん症状が治まっても、特定の季節になると再発してしまう猫もいます。形質細胞が免疫細胞の一種であるB細胞から分化してできる点、また異物の除去に関わる免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM、IgD、IgE)を産生する点、そして症状に季節性がある点などから考慮すると、何らかのアレルゲン(アレルギーを引き起こすきっかけ)に対する免疫反応の一種ではないかと推測されます。

猫の肉球皮膚炎の治療

 猫の肉球皮膚炎の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
肉球皮膚炎の主な治療法
  • 対症療法  原因が分かっていない以上、疾患の原因を取り除くよりも、症状の軽減を目的とした治療が施されます。具体的には副腎皮質ホルモン薬を与え、炎症を軽減するなどです。
  • 外科手術  肉球が潰瘍を形成しているときは外科手術が必要になることもあります。