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猫カフェにおけるマナーと注意~禁止行為からいいお店の見分け方まで

 猫カフェで遊ぶ際の一般的なマナーや注意点を詳しく解説します。各店舗には必ずOK行為とNG行為が設けてありますので、お出かけ予定のお店ではどのようなルールが設定されているのかを確認する際の資料にして下さい。
🚨システムや営業時間の最新情報は必ず店舗の公式サイトでご確認ください。

猫カフェとは?

 猫カフェとは猫を見たり猫と触れ合うことができる飲食店のことです。「看板猫が店内にいる街のたばこ屋」とは違い、経営者は動物愛護法の規則により第一種動物取扱業の「展示」という登録をしていなければなりません。このルールは、劣悪な環境下で動物を軟禁する悪質な業者が現れにくくするためのものです。
 2000年代初頭に初めて国内に登場して以来、店舗数は爆発的に増加し、2019年時点でゆうに300を超えています。数の増加に伴って業態も多様化してきましたが、猫のステータスでお店を分類すると、おおよそ以下のようになります。
猫カフェの種類
  • オーソドックス型猫スタッフは譲渡対象でも販売対象でもない
  • 譲渡型里親募集型ともいい、猫スタッフは全て譲渡対象。似たものとして「保護猫カフェ」があるが、こちらは「猫スタッフがすべて保護猫」というだけで譲渡は行っていないこともある。どちらのタイプかは各店舗に要確認
  • 一部譲渡型猫スタッフの一部が譲渡対象
  • ショーケース型猫スタッフの一部~全部が販売対象。運営はブリーダーもしくはペットショップが多店舗経営するという形が多い
  • 複合型猫のほか金魚、フクロウ、犬といった他の動物もいる
 どのタイプの猫カフェでも共通しているのは、午後8時~10時までの時間帯で1歳を超える成猫を展示する場合は、猫のストレスレベルを高めないため「1日の展示時間が12時間を超えない」、「休息できる設備に自由に移動できる」などの条件を満たさなければならないという点です。
2016年6月1日から施行された「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の一部を改正する省令等」によって義務化されました。詳しくは「猫カフェの夜間展示に関する規制緩和が合法化される」というページで解説してあります!
NEXT:猫カフェの基本ルール

猫カフェの基本ルール

 猫カフェでは基本的に猫たちにストレスを与えないためのルールが設けられています。逆に設けられていない店舗はモグリです。お店ごとに微妙な違いはありますが、ほとんどの店で共通している部分を抜き出すと、おおよそ以下のようになります。
猫カフェのルール
  • ペット同伴では入店しない
  • 酔った状態では行かない
  • 猫アレルギーの人は医師の指導を受けてから
  • 猫を無理やり抱っこしない
  • 許可されている以外のえさや飲み物を猫に与えない
  • 食事中の猫には触らない
  • 特定の猫を独り占めしない
  • 写真撮影はフラッシュやライトを用いない
  • 猫に触る前は手をアルコール消毒する
  • 寝ている猫を強引に起こさない
  • 引っかかれたり咬まれたりした時は、自己責任で
  • 大声を出さない
  • 猫を追いかけない
  • 店内禁煙
  • 小学生の入店は店に事前確認する
  • 食べ物や飲み物の持ち込みは、店に事前確認する
  • おもちゃの持ち込みは店に確認してから
 なお猫カフェにおける一般的な料金システム、マナー、ルールに関しては「Cat cafe in Japan」というページで英語に翻訳してあります。外国人向けに利用したい場合はご自由にリンクしてください。
料金制度に関しては、「時間制」(1時間1,000円など)、「入場料金制」(入場料を払ったらあとは自由)、「マストオーダー制」(入場料+1オーダー)などがあります。詳しくは各店舗にご確認ください。
NEXT:猫に好かれるコツは?

猫に好かれるコツ

 猫カフェに行って、猫スタッフと仲良くなりたいとき、以下に述べるようなコツに注意すれば、少なくとも嫌われることは無いでしょう。
 まず、1988年にTurnerらが行った観察では、「成人男性、成人女性、女児、男児に対する猫の行動を比較検討したところ、成人女性が最も猫に好かれる」という結果が出ています。成人女性の特徴は、「目線を猫の高さまで下げる」、「優しい声でよく話しかける」、「1メートル以上距離を置く」というものでした。逆に、成人男性の「座った状態で触れ合おうとする」や男児の「しつこく追い掛け回す」という行為はあまり好まれなかったとのこと。こうしたデータから見えてくる「猫に好かれるコツ」をまとめると、以下のようになります。
猫に好かれるコツ
猫の好かれるコツは、猫目線で接すること。しつこく追い回すと逆に嫌われてしまう。
  • 急な動きや上に覆いかぶさる威圧的な動きを避け、猫の目線になる
  • 無理に追い掛け回さず、猫が安心できる距離を保つ
  • 低い声や大きな声を避け、高めの声で優しく話しかける
 さらに、猫が嫌がるような匂いのきつい香水を避けたり、頭や首など、自分ではグルーミングしにくい場所をゆっくりなでてあげると、より一層猫に好かれるでしょう。なお、猫の好きなものや嫌いなものについて更に知りたい方は、以下のページをご参照ください。 猫の好き嫌い  また、1991年に行われた、158人の猫の飼い主を対象にした研究では、以下に述べる3つの事実が明らかになっています(Turner, 1991)
猫との接触時間
猫は、自分から近づく分には構わないが、
  • 人間の方から猫にコンタクトすると、接触時間は短くなる
  • 猫の方から人間にコンタクトをすると、接触時間は長くなる
  • 猫の求めに応じて相手になった回数が多いほど、人と猫は親密になる
 こうした事実の中にも、猫に好かれるための大事なヒントが隠されています。簡単に言うと猫と仲良くなりたいときは無理強いせず、向こうから近づいてくるのを待つということです。この基本原則の有効性は2021年に行われた最新の調査でも科学的に実証されており、「CATプロトコル」という覚えやすい形にまとめられています。 猫と交流したい人はペースを合わせて!
猫を追い掛け回す子供が猫に嫌われ、なるべく目をあわさないようにする猫嫌いの人が、なぜか猫に好かれるという話を、たびたび耳にします。これらの話は、上記した猫の習性を理解していれば、すんなりと納得できますね。猫の心理に関しては「猫の好き嫌い」や「猫の欲求」でも詳しく解説してあります!
NEXT:猫カフェの見分け方

いい猫カフェ・悪い猫カフェ

 東京都は2016年4月、10回以上の立ち入り検査や改善勧告にもかかわらず、劣悪な営業環境を改めようとしなかった墨田区の猫カフェに対して全国初となる業務停止命令を下しました(猫カフェねこのて事件)。そのきっかけになったのは訪れた客からの通報です。上記したような劣悪店舗をこれ以上増やさないためには、訪れた人それぞれが覆面審査官として猫カフェの運営状況をモニタリングしておかなければならないでしょう。
 環境省では、「展示動物の飼養及び保管に関する基準」および「展示動物の飼養及び保管に関する基準の解説」により、「触れ合い動物」の管理方法について定めています。「触れ合い動物」とは、興行や客寄せを目的として飼われている動物のことで、猫カフェの猫もこれに該当します。
 以下では、「展示動物の飼養及び保管に関する基準」の中から重要と思われる部分だけを抜粋しました。もし項目を十分に満たしていない店舗があった場合、残念ながらあまり良いお店ではないということになります。

動物の管理について

  • 適切に給餌・給水を行うこと
  • 健康管理に努めること
  • 社会性を持つ動物は群れでの飼養すること
  • 多頭飼育する場合は組み合わせに留意すること
  • 病気や怪我をした動物は隔離すること
 悪い猫カフェは、猫の病気や怪我に気づかずに放置してしまうようなところです。また、仲が悪い猫を、一つ屋根の下に押し込むことも、あまり感心しません。
2018年7月には、子猫に対する感染力と致死性が極めて高いネコパルボウイルスが発覚したにもかかわらず営業を続行するというとんでもない事件が起こりました!
 「猫カフェMoCHA」を運営するリポット株式会社(旧:株式会社ケイアイコーポレーション)がとったこのような行動は、店舗内の猫のみならず、訪問客が飼育している不特定多数のペット猫の生命を危険に陥れる極めて卑劣な行為です。というわけで、この会社の系列店は当サイト内に一切掲載していませんのでご了承ください。
集団生活と猫のストレス  2003年、Ottwayらが行った研究によると、見知らぬ猫と一緒の空間に閉じ込められた猫は、強いトレスを感じているようです。 親しくない猫と空間を共有することは、猫にとって大変なストレスになる  観察の対象となったのは72匹の猫。その内36匹は、お互いに区切られた空間に入れられ、残りの36匹は見知らぬ猫と共同の空間に入れられました。その結果、区切られた空間で過ごした猫のストレスレベルがおよそ2(ほとんどストレスなし)だったのに対し、空間を共有していた猫のそれは4(緊張した状態)にまで達したといいます。
 こうしたことから、猫はあまり親しくない他の猫と空間を共有することが苦手なようです。人間で言うと「人ごみ嫌い」に近い感覚かもしれません。見知らぬ猫同志を狭い空間にぎゅうぎゅう詰めにしているようなカフェは、改善の余地があるでしょう。 Cat housing in rescue shelters

施設の構造について

  • 日常的な動作を容易に行うための十分な広さと空間を備えること
  • 隠れ場、遊び場等の設備を備えた豊かな環境を整えること
  • 適切な排泄場を設けること
  • 温度管理や換気をしっかり行うこと
  • 適度な採光をすること
  • 風雨を遮る設備を整えること
  • 床、内壁、天井などは、全て清掃が行き届いていること
  • 動物が怪我をしないよう、突起物、穴、くぼみ、斜面等の危険箇所を排除すること
  • 施設は、動物が逃げ出さないような構造や強度にすること
 悪い猫カフェは、動物のストレスを考慮せず、隠れ場を設置しないようなところです。隠れ場を撤去することでお客さんとの接点は増えますが、それと同時に猫のストレスも増えてしまいます。
 しっかりと去勢・避妊手術を施していない猫の場合、室内でスプレーをしてしまう確率が増えます。結果として独特の刺激臭が室内に漂い、不潔な印象を与えてしまうでしょう。
 「猫が逃げ出してしまいますので、ドアはすばやく閉めてください」という店舗は、その時点で構造に欠陥があるのではないでしょうか。万が一猫が逃げ出したとき、一体どう対応するのでしょう。
隠れ家の重要性  2007年、イギリスの「Universities Federation for Animal Welfare」が行った調査では、猫にとって「隠れる」という行動が、ストレス軽減に役立っていることが明らかになりました。 猫にとっての隠れ家は、ストレスを軽減するために必要なスペース  調査対象となった43匹の猫たちは、「身をすっぽりと隠せる箱を与えられたグループ」と「囲いの無いベッドのみを与えられたグループ」とに分けられました。そして最初の5日間と14日目に「ストレススコア」が記録され、両グループ間で比較が行われました。
 その結果、隠れることのできるグループでは、大幅なストレスの軽減が見られ、さらに人間に対して積極的に近づいたり、リラックスした姿を見せる傾向があったとのこと。
 こうした観察結果から、猫にとって「隠れる」という行動が、非常に重要な意味を持っていることがうかがえます。近年猫カフェが乱立していますが、果たしてちゃんとした隠れ家は設置されているでしょうか? The effect of hiding enrichment

管理者の基本的な責務

  • 動物の生態や習性について熟知していること
  • 災害時の対応をあらかじめ決めておくこと
  • 人獣共通感染症について熟知するよう努めること
  • 動物にはマイクロチップなどを装着し、逃げ出したときのトレーサビリティを明確にすること
  • 廃業する際は、動物をむやみに殺処分しないこと
 悪い猫カフェは、猫の生態をよく理解していないようなところです。猫には好き嫌いがあり、また様々な欲求を抱えて生きています。こうした知識がないと、猫のストレスに気づくのはなかなか難しいでしょう。
 また、毎年たくさんの猫カフェが新規オープンしている一方、かなりの数の猫カフェが廃業しています。行き場を失った猫たちの処分を行政に丸投げするようなところは、もってのほかです。

動物の展示方法について

  • 障害を持つ動物を展示する際は、残酷な印象を与えないよう考慮すること
  • 動物の姿や習性を損なうような施術、着色、拘束等はしないこと
  • 管理者は、観覧者が動物を傷つけたり驚かしたりしないよう監督すること
  • 人と動物が接する場においては、管理者がしっかりと監督すること
  • 人に危害を加える恐れのある動物をむやみに展示しないこと
  • 動物に適度な休息を与えること
 悪い猫カフェは、猫がどのように扱われているかを、あまり見ないようなところです。猫カフェに来る人の全てが猫好きとは限りません。友人に誘われてしぶしぶやってくる人だっています。そうした人は、猫との接し方を知らないがために、猫を驚かせたり怖がらせたりすることもあるでしょう。そんなときに管理者が適切な対応をしなかったら、猫にトラウマが残り、人間嫌いになってしまいますね。
NEXT:猫カフェQ & A集

猫カフェQ & A

 以下は猫カフェについてよく聞かれる疑問や質問の一覧リストです。思い当たるものがあったら読んでみてください。何かしら解決のヒントがあるはずです。

ベストな時間帯はある?

お店がオススメの時間帯を教えてくれることがあります。

 猫カフェにおけるベストな時間帯が「空いている時間帯」なのか、それとも「猫たちが目を覚まして活発に動き回っている時間帯」なのかによりますが、気の利いたお店の場合おすすめの時間帯を教えてくれることがあります。ホームページやSNSなどをご確認ください。

猫カフェでの服装は?

静電気の発生しやすい素材は避けます。

  冬場は厚着になるため、セーターなど静電気が発生しやすい衣類を着用する機会がどうしても増えます。その状態で猫を触ると衣類と被毛が触れ合って静電気が発生してしまうかもしれません。店内が乾燥している場合はなおさらです。猫を触る機会があったら、衣類が触れないように気を付けてあげましょう。
 夏場においては薄着になるため、特に女性は偶発的な被写体にならないよう気をつけます。猫を撮る振りしてその向こう側を撮るという事例が実際に起こっています。お店が突然「男性の入店禁止」ポリシーを打ち出さないよう、短いスカートなどは履かない方が良いでしょう。
 なお季節にかかわらず抜け毛が結構付きますので、コロコロをかけやすい素材がおすすめです。

猫を抱っこできません!

猫とはそもそもそういうものです。

 猫にも個性があり、触られることが好きな猫もいれば大嫌いな猫もいます。猫カフェにいる猫たちは、概ね人間好きな性格で構成されていますが当然例外もいます。そういう場合は無理に撫でたり抱っこしたりしようとせず、漫画でも読んで近づいてくるのを待ちましょう。猫とはそもそもそういうものですから。
 逆に「ベタベタ触れる猫カフェ」を売りにしているお店があった場合、猫の福祉を損なっている可能性があります。

男性1人で行ってもいい?

大体は歓迎されますがルールを設けているお店もあります。

  女性を盗撮しただとか、ナンパ目的で来店したとかいう先例がある場合、「男性の一人来店禁止」という特殊なルールを設けているお店があります。お店のホームページなどを見て、そのような特例がないかどうかを事前に確認しておきましょう。99%以上のお店では歓迎されますので「ぼっち」を気にする必要はありません。

なぜ子供に入店制限がある?

マナーが悪いからです。

 子供でよくあるのか大声を出しながら猫を追いかけるというものです。これでは猫にとってもその他のお客さんにとっても迷惑でしょう。あるいは猫カフェを託児所か何かと勘違いし、保護者が子供を預けたままどこかに行くというパターンもあります。
 子供に対して年齢制限、時間制限、保護者同伴ルールを設けている理由は、そうしないとメリットよりデメリットの方が大きくなるからです。なお入店制限に関してはお店によってまちまちですので、事前にホームページなどでご確認ください。

なぜ靴下を履かせる?

水虫の感染を防ぐためです。

 驚くべきことに、日本国内では足白癬(水虫)が20%(2,000万人以上)、爪白癬(爪水虫)が10%(1,000万人以上)程度の割合でいると推定されています(→日本皮膚科学会。水虫の原因菌は皮膚糸状菌(白癬菌)で、皮膚から皮膚に移りますので、店内における靴下の着用を義務化するのは致し方ないことでしょう。
 ちなみに水虫菌は比較的種特異性が高く、人間に感染する菌が猫にうつることはほとんどありません。ですから猫カフェにおける靴下ルールは、水虫が猫にうつることを予防するというよりは、水虫が他のお客さんに移ることを予防するためのものです。

猫カフェでうつる病気はある?

猫からうつる病気も、猫に移してしまう病気もあります。

 非常に多いのが「皮膚糸状菌症」です。犬小胞子菌を原因とするこの皮膚病は、感染猫を触った後でクリーンな猫を触ることで簡単に移ってしまいます。厄介なのは、感染していても症状を示さない猫が結構いるため、飼い主自身が気づいていないことがある点です。
 たとえば、自分の家で飼っている無症状の感染猫を撫でた後、猫カフェに行って猫スタッフを触ると、自分でも知らないうちに菌を移してしまうことがあります。また来歴のわからない野良猫を触った後でも同様です。 人間の手が感染媒介物になり、猫間の病源菌移動を促す危険性がある  猫カフェにおいてはほぼ100%、入店前にアルコールによる手洗いを義務付けています。水洗いすれば菌を移す確率が劇的に減りますのでしっかり手洗いするようにしましょう。
 逆に猫カフェでもらった病原体を家で飼っている猫に移してしまう危険性もあります。病原体が菌であれウイルスであれ、帰宅したらすぐにしっかりと手洗いをするようにしましょう。2018年には実際、感染性と致死性が高いネコパルボウイルスに感染した猫を店内に出したため、不特定多数のペット猫を感染の危険性にさらすというとんでもない事件が起こっています(猫カフェMoCHA事件)

店内が臭いんですが…

掃除を怠っているか猫砂をケチっている可能性があります。

 猫カフェに対するクレームや不満でよく聞かれるのが「店内が臭い」というものです。猫に体臭はありませんので、悪臭の原因は排泄物ということになります。
 猫カフェのスタッフが少なく、トイレに目が行き届いていない場合、掃除がおろそかになって排泄物の臭いが店内に充満してしまうことがあります。あるいは猫砂をケチって新聞紙などで代用している場合も排泄物の臭いが漂います。
 いずれにしてもあまり良いお店とは言えませんので、店主に悪気がなさそうな場合は愛のムチとして指摘してあげましょう。経営が苦しそうなら、是非猫砂を寄付してあげてください。

猫カフェを経営したい!

猫ブームに便乗すると痛い目に遭います。

 毎年たくさんの猫カフェがオープンしている一方、密かに閉店しているお店も数十レベルで存在しています 。閉店理由の多くは経営難です。
 自宅を改装した場合を除き、通常は毎月のテナント料(箱代)が必要となります。猫が病気にかかると医療費が一気にかさみます。アルバイトを雇っている場合は人件費もバカになりません。こうした出費から1日に必要な来客数や客単価を逆算してみましょう。オープンしようとしている場所で本当にそれだけの集客を見込めるでしょうか?
 「空前の猫ブーム」とはよく聞く表現ですが、日本全国の隅々にまで行き渡っているわけではありません。ブームに便乗して見切り発車すると、1年ともたずして閉店してしまう危険性があります。「婚活」「合コン」「ヨガ」などのイベントが猫カフェよく開催されている理由も、集客努力の一環というわけです。

猫カフェが潰れると猫たちはどうなる?

猫カフェの経営者が責任持って飼うか里親を見つけます。

 2012年に改正された動物愛護法により、犬や猫を保健所や動物愛護センターに持ち込んでも、断ることができる体制が整いました。具体的には「事前に里親探しの努力をしていない」場合などです。
 カフェが潰れて猫スタッフたちがいらなくなったからといって、行政機関に丸投げすることはできませんので、経営者が責任持って飼い続ける義務があります。
 もし、のっぴきならない事情により飼育するのが困難な場合は、責任持って里親を見つけてあげます。最悪なのは猫カフェ内に猫たちを放置したままトンズラすることです。信じられない話ですが、2017年に鹿児島で実際にそうした事例が発生しました(猫カフェ猫之坊事件)
猫に好かれるコツ」で解説したように、無理強いしない方が猫に好かれます。ずっと寝ているときは諦めて寝顔を眺めましょう。写真を撮るときは音が鳴らないサイレントカメラを使ってください。