トップ有名な猫一覧人助けで有名になった猫ボブ

ボブ

 大道芸人に幸運を運んだことで有名な猫「ボブ」について解説します。

ボブとは?

 ボブは、イギリスの大道芸人、ジェームズ・ボーウェンに拾われた猫。
ジェームズ・ボーウェンと共に路上パフォーマンスをする猫・ボブ  1997年、それまで暮らしていたオーストラリアから生まれ故郷のイギリスに帰ってきたジェームズ・ボーウェンさんは、片親が違う女姉妹の家に転がり込んで暮らすようになりました。ところが程なくして女姉妹の旦那と仲違いするようになり、家を出て路上生活を余儀なくされてしまいます。この頃から彼は、ホームレスという現実から逃避するためヘロインを常用するようになりました。
 時を経て2007年春、薬物中毒を治療するためのプログラムに参加した彼は、トッテナムに暮らしながら観光や商業で有名なロンドンのコベントガーデン地区で大道芸をするようになりました。自宅の玄関に佇む1匹の猫に出会ったのもこの頃です。出会った当初、誰かの飼い猫だろうと思った彼は気にもとめませんでしたが、翌日になってもその茶トラ猫はそこにとどまったままだったと言います。よく見ると首輪をしておらず、また足に怪我を負っていることに気づいた彼は徐々に心配になり、近隣住人に飼い主の情報を聞いて回るようになりました。
猫のボブはジェームズさんとともに73番バスの窓際の席を好んだ  結局、飼い主を見つけることができなかったジェームズさんは、猫を近くの動物保護協会に連れて行き、抗生物質治療を受けさせました。そして2週間後、一時的に預かりながら猫の飼い主探し続けましたが、やはり見つけることはできなかったそうです。そのまま飼い続けることもできない彼は、猫の生命力を信じていったん外に放してしまいます。ところが猫は彼の元を離れようとしません。その執着心は相当なもので、トッテナムとコベントガーデンを結ぶバスの中にも彼を追って入ってきたといいます。この積極的なアプローチに負けたジェームズさんは、90年代の大人気TVドラマ「ツイン・ピークス」の登場人物にちなんで猫を「ボブ」と名付け、とうとう自分の相棒にしようと決めました。
大道芸人と猫という異色のコンビは、瞬く間に街の人気ものになった  その後彼は、安全のためボブにハーネスを付け、コベントガーデンのおなじみの場所で大道芸をしたり、新聞を売ったりしていましたが、猫と大道芸人の組み合わせを面白がった観客がYouTubeに動画を投稿。瞬く間に人気となり、このコンビを目的とした観光客まで現れ始めたと言います。生活に張りが生まれたジェームズさんは薬物の治療を終了。突如として現れたボブが自分に道を示してくれたとし、「A Street Cat Named Bob」という本の中で深い愛情と感謝の念を表明しています。
 2020年6月15日、数日前まで元気だったボブが突然虹の橋へと旅立ちました。死因は脱走後に遭遇した交通事故とのこと。推定年齢14歳超。 James Bowen A Street Cat Named Bob

ボブの写真・動画

 以下でご紹介するのは、大道芸人に幸運を運んだことで有名な猫「ボブ」の写真と動画です。 大道芸人ジェームズ・ボーウェンの肩に乗る猫のボブ
 飼い主のジェームズ・ボーウェンと猫のボブ。一時は麻薬に手を出して落ちぶれた彼も、ボブのおかげで立ち直れたという。写真の出典はこちら
コヴェントガーデンで衆人環視を受けるボブ
 コヴェントガーデンは、ロンドン中心部・シティ・オブ・ウェストミンスターの中に存在する地区。多くの大道芸人たちが通行人相手に芸を披露している。写真の出典はこちら
2016年11月には、ジェームズさんとボブを主人公とした映画「」も公開された
 2016年11月にはルーク・トレッダウェイ主演映画「A Street Cat Named Bob」が公開された。作中に登場する猫は本物のボブで、なかなかの名演技を見せている。写真の出典はこちら
2020年6月、自宅から脱走したボブは交通事故による不慮の死を遂げた
 2020年6月13日(土)、いつもいるはずのボブの姿が見えないことから不審に思ったジェームズさんは、サリーにある自宅から外に出て探し回るも徒労に終わった。15日(月)午後5時ころ、虫の知らせとともに受けた獣医師からの電話で、ボブが交通事故に起因する脳内出血のため死亡したことが告げられた。記念の地であるコベントガーデンにボブの銅像を建立しようという話が持ち上がっている。写真の出典はこちら
ボブという名の猫
 以下でご紹介するのは、ジェームズ・ボーウェンとボブとの出会いをまとめたショートフィルムです。ジェームズが著した「A Street Cat Named Bob」(ボブという名の猫)は、イギリス国内でバカ売れしているとのこと。元動画は→こちら