トップ猫の繁殖子猫の育て方・基本編

子猫の育て方・基本編~ミルクの与え方からベッドと寝床の整え方まで

 子猫を迎える準備が整ったら基本的なケアの仕方を知っておきましょう。ミルクの作り方や授乳の仕方、排泄の補助など子猫の日齢や週齢にかかわらず必要になる基本中の基本です。まだ準備が整っていない場合は子猫の育て方・準備編から、すでに基本をマスターしている場合は子猫の育て方・実践編からご覧ください。

ミルクの与え方

 母猫がいる場合、子猫への授乳は基本的に母猫の本能に任せます。飼い主は母猫が栄養不足に陥らないようたっぷりとエサを用意し、子猫の体重を毎日測って成長具合をモニタリングしてあげましょう。
 一方、そもそも母猫がいないとき、母猫が育児放棄したとき、母猫はいるけれども子猫の成長が遅いときなどは、飼い主が母猫になりきって体の維持と成長に不可欠な水分と栄養を「ミルク」という形で与える必要があります。以下は子猫の週齢にかかわらず共通している基本的な授乳の仕方です。飼い主は用具を触る前や子猫を触る前、必ず手洗いする習慣を身につけておいて下さい。また母猫がいる場合、子猫を連れて行こうとすると「シャー!」と威嚇してくることがありますがこれは正常は反応です。

哺乳瓶の用意

 哺乳瓶は子猫用の小さなものを使うようにします。乳首状の吸口(ニップル)の先をよく洗い、プラスチック臭を消しておきましょう。先端をハサミで切って大きさを調整する際は、十字に切れ込みを入れたり斜めに切り取る方法があります。まだ買い揃えていない場合は子猫に必要な授乳用品を参考にしながら選んで下さい。 【画像の元動画】Orphaned Kitten Care: How to Video ミルクが1滴ずつ出てくるようニップルの大きさを調整する  小さすぎると吸っても吸っても中身が出てこず、大きすぎるとちょっと押しただけで大量のミルクが出てきてしまいます。最悪のケースでは肺に入って咳き込んだりむせてしまいますので、ボトル部分を軽く押したとき1滴ずつ出てくることを確認してください。

ミルクの用意

 ミルクは市販されている猫専用のものを使い、人間用のものや牛乳は使用しません。まだ買い揃えていない場合は子猫に必要な授乳用品を参考にしながら選んで下さい。以下では猫、牛、ヤギの母乳に含まれる栄養成分を示しました。数字はおおまかですが、猫の母乳には脂肪分とタンパク質がずいぶん多く含まれていることがお分かりいただけるでしょう。猫用ミルクは、猫の母乳の成分に近くなるように工夫されています。 小動物の繁殖と新生子マニュアル(学窓社)
成分猫の母乳牛乳やぎ乳
水分79.0%88.0%87.0%
脂質8.5%3.5%4.1%
タンパク質7.5%3.3%3.6%
炭水化物4.0%5.0%4.7%
熱量(100ml中)121kcal70kcal69kcal
 市販の子猫用ミルクには液状のものと粉ミルクとがあります。液状ミルクは濃度調整をしなくてよいけれども高い、粉ミルクは安いけれども1回ずつ濃度調整する必要があるというのが大まかな特徴です。
 エネルギー濃度が高すぎると(=ミルクが濃すぎると)、エネルギーは補給できますが水分が足りなくなってしまいます。エネルギー濃度が低すぎると(=ミルクが薄すぎると)、水分補給はできますがエネルギーが足りなくなってしまいます。市販商品はおおむね「0.74~0.83kcal/ml」に調整されていますので、授乳回数を守れば必要エネルギーと水分が補給できるでしょう。しかし目見当でいい加減に作ると濃度が大幅に狂ってしまいますので、ミルクを作る際はスケールと計量スプーンでグラム単位で作るようにして下さい。

代用ミルクの作り方

 近くに子猫専用のミルクを売っている場所がないとか、夜中で動物病院が閉まっているような場合は、子猫の低血糖と脱水を防ぐため取り急ぎ代用ミルクを手作りします。以下に述べる材料をよくかき混ぜて37~38℃に温めて下さい。哺乳瓶がない場合は細めのストローに口で吸い取り、指先で少しずつ吸わせるようにします。あくまでも緊急時の代用品ですので、すぐに子猫専用のミルクや哺乳瓶を購入してください。
代用ミルク1
コンデンスミルク90ml 水90ml プレーンヨーグルト120ml 卵黄3個
代用ミルク2
牛乳250ml 卵黄3個 コーン油15ml 食塩1つまみ
 ちなみに代用ミルク1の出典は「Care of the Orphaned Puppy and Kitten, in Small Animal Pediatrics: The first 12 months of life, 1st edition」、代用ミルク2の出典は「Neonatal and pediatric care of the puppy and kitten」です。

授乳の仕方とコツ

 子猫にミルクを与えるときの注意点やコツです。子猫が小さいうちは夜中に起き出して授乳してあげる必要があります。眠いときに行った雑な授乳のせいで子猫が下痢や低血糖にならないよう注意しましょう。

ミルクの計量

 1日に必要なミルクの量を計算し、哺乳瓶以外の容器に少し多めに作っておきます。粉ミルクを用いる場合、粉が溶け切らず「だま」になっていないことをよく確認して下さい。最悪のケースでは子猫が塊ごと飲み込んでしまいます。
 体重ごとの必要量に関しては「子猫の育て方・実践編」の中の「週齢ごとの育て方」に記載してありますので、子猫の体重や週齢に合わせて調整してください。子猫の胃袋には週齢ごとに限界容量があり、これを超えて授乳しても吐き戻すだけです。また腎臓の機能もまだ未熟ですので、胃の容量に合わせた分だけを与えるようにします。 1日に必要なミルクを作ってから哺乳瓶に取り分ける  1日分のミルクを作ったら、1回の授乳に必要な量を確認しながら哺乳瓶に取り分けましょう。残りは冷蔵しておきます。市販の哺乳瓶には10~15ml単位でしか刻み目が付いていません。計量スプーンなどで水を少しずつ入れ、ボトルの外側に5ml単位の目盛りを書き込んでおくと非常に便利です。

ミルクを温める

 コーヒーカップなどに水を8分目まで入れ、電子レンジでお湯を作ります。ニップルを軽くお湯に浸して温めたらボトル部分に取り付け、ボトルごとカップに浸して20~30秒待ちましょう。取り出したら手首の上にミルクを1滴垂らして人肌程度の適温(37~38℃)になっているのを確認します。赤ちゃん用の体温計がある場合は「温度計」モードにして計測しても構いません。電子レンジに直接入れると温度が熱くなりすぎるのでなるべく使わないようにします。 手首の敏感な部分にミルクを落として温度を確認する

子猫にミルクを与える

 子猫にミルクを与える際は、ニップルを触らないように軽く哺乳瓶を振り、中で粉が固まっていないことを確認します。あまり激しく振ると中身が飛び出してしまいますのでご注意下さい。仰向けで授乳してしまうとミルクをうまく飲み込めず肺に入って誤嚥性肺炎になるかもしれませんので、子猫の姿勢は必ずお腹が下になるようにします。膝の上にタオルなどを敷いてうつ伏せにさせるとほどよく安定するでしょう。 【画像の元動画】How to Safely Bottle Feed a Kitten 子猫に授乳する際は必ずうつ伏せ姿勢で  子猫の首を後ろから軽くおさえて安定させ、ニップル(乳首)を口元に持っていきましょう。吸引反射によって子猫は自発的に飲み始めますので、無理にボトルを押す必要はありません。指先でのどを触り、しっかりゴクゴクと飲み込んでいることを確認します。子猫は前足でしきりと手にしがみついていきますが、これは「ミルクトレッド」という母猫のお乳をたくさん出そうとするときの本能的な動作です。爪がチクチクしてやりにくいときは下の写真のように手を子猫の首の横に移動してみて下さい。 【画像の元動画】How to Bottle Feed an Orphaned Kitten ミルクを飲んでいるときの子猫は前足をしきりに動かす  子猫の口の端からあぶくや飲み切れなかったミルクが出てきた場合は「もうおなかいっぱい」のサインです。ミルクが多少残っていても授乳を切り上げ、飲んだ量を記録しておきましょう。逆に必要量をすべて与えたのにミャーミャーと泣き続けるような場合は「もうちょっとちょうだい」のサインです。猫の胃袋には容量があり、欲しいだけ与えると下痢や消化不良、吐き戻しの原因になってしまいます。追加で与える場合は1回授乳量の10%程度に抑えておきましょう。

ゲップと排泄

 ミルクを与えた後は背中を指先で軽く叩いたりおなかを軽くマッサージして飲み込んだ空気をゲップとして吐き出させます。猫の口元に耳を近づけてゲップが出ることを確認してください。余ったミルクは廃棄し、作り置きしないで翌日分は改めて作るようにしましょう。ミルクを作るときに使った容器および哺乳瓶は授乳のたびにきれいに洗浄し、熱湯で3分間ほど煮沸消毒して次回の使用に備えます。
 授乳の後はトイレタイムですが、おしっことうんちの補助に関しては次の「排泄の補助の仕方」で解説してあります。生後3週齢くらいまではミルクを飲み終えるたびに1日6~7回行ってください。
子猫が十分にミルクを飲んだら口元に残っているミルクをきれいに拭き取りベッドに戻してあげましょう。次は排泄の補助の仕方です!

排泄の補助の仕方

 子猫は自力で排泄ができませんので、生後3週齢くらいになるまで、飼い主が補助をしてあげます。

おしっこを促す

 授乳の後、床の上に新聞紙を敷くなどして汚れてもいい状態にします。飲んだミルクを吐き戻してしまわないよう利き手ではない方の手で子猫をうつ伏せで持ちます。そして利き手に乾いたティッシュやコットンを持ってしっぽの付け根(肛門)のやや下あたりを円を描くように軽く10秒ほどこすってあげましょう。皮膚が傷つきますので強く押し付けないで下さい。 【画像の元動画】How to Stimulate an Orphaned Kitten to Urinate and Defecate 子猫のしっぽの付け根を軽く刺激してあげるとおしっこが出てくる  濡れティッシュを使うとおしっこを吸収できずにこぼれてしまいますので乾いた紙を用いた方がよいでしょう。子猫が正常な場合、薄黄色のおしっこが授乳のたびにちょろっと出てきます。オス猫の場合、噴水のように勢いよく周囲に飛び散ることがありますのでご注意下さい。

うんちを促す

 おしっこが完全に出たら触る場所をややしっぽ側にずらし、肛門を刺激してあげます。子猫が健康な場合、ペースト状で黄色~茶色いうんちが1日に1回(24~36時間に1回)ほど出てきます。 【画像の元動画】How to Help Baby Kittens Pee and Poop 健康な子猫のうんちは黄土色のペースト  うんちはおしっこほど頻繁ではありませんので、出てこなかったら無理に何度もこする必要はありません。乾いたティッシュや赤ちゃん用のおしりふきで肛門の周辺をきれいにしてあげましょう。
ウエットティッシュを使った場合は、濡れた部分で気化熱が奪われないよう必ず乾拭きをして水分を取り除いて下さい。次はベッドと寝床の整え方です!

ベッドと寝床の整え方

 生まれてすぐの子猫は体表面積が広くほとんど皮下脂肪を持たないため非常に体温を失いやすい状態になっています。また自律神経が発達していないため血管の収縮と拡張がうまくできず、気温の変化に対応できません。つまりすぐに低体温や高体温に陥りやすいということです。
生後まもない子猫の体温
  • 1週齢=35.5℃~36.7℃
  • 2週齢=37.2℃
  • 3週齢=37.8℃
 生後3週齢までは子猫が命を落としやすい極めて不安定な時期ですので、人間の不注意から最悪の事態が起こらないよう細心の注意を払う必要があります。

母猫がいる場合

 母猫やきょうだい猫がいる場合、部屋の一角に仕切りを設け、下に保温用の毛布を敷いて母猫やきょうだい猫と一緒に寝かせてあげましょう。通常であれば、自分にとって最適な温度を見つけてそこにもぐりこもうとする「もぐりこみ反射」がありますので、母猫のおなかの近くに寄り添ったり、きょうだい猫同士で「猫団子」を作ったりして凍え死んでしまうということはありません。 ペット用のサークルやペンを利用する際は出入り口に障壁を設けて子猫の脱走を防ぐこと  ペットサークルや折りたたみ式サークルを用いる場合、目隠しと保温のため周囲にバスタオルや毛布などをかけ、出入り口部分に低いフェンスを設けて子猫の脱走を防ぎます。まだ買い揃えていない場合は子猫に必要なベッド・寝床用品を参考にしながら選んで下さい。フェンスを設定する際のポイントは、母猫はまたげるけれども子猫は越えられない高さです。低すぎると子猫が脱走してしまいますし、高すぎると母猫がジャンプして中に入り、たまたま着地点にいた子猫を踏んづけてしまうかもしれません。

母猫がいない場合

 子猫にとって天然の「あんか」ともいえる母猫やきょうだい猫がそばにいないときは、飼い主が子猫の寝床をうまくセッティングしてあげる必要が生じます。ベッドを置く場所の最低条件は「室温調整できる」「消毒清掃しやすい」「先住猫から隔離できる」という点です。場所が決まったら以下のようなセッティングを行います。まだ買い揃えていない場合は子猫に必要なベッド・寝床用品を参考にしながら選んで下さい。 【画像の元動画】How to Set Up Space for Foster Kittens 子猫のベットは温度管理に気をつける
  • 四方を壁で囲まれた箱を用意します。子猫たちの様子をすぐに確認できるよう、透明の衣装ケースなどを利用すると便利でしょう。箱の中が冷えてしまわないよう上部にはバスタオルなどを置いてフタをします。密閉すると息ができなくなりますので必ず空気穴は残しておいて下さい。
  • 毛布床の温度が直接箱に伝わらないよう、箱の下面には毛布を敷いておきます。すぐに汚れて毎日洗濯する必要がありますので予備を数枚用意しておきましょう。
  • 温湿度計箱の中に温湿度計を入れ、暑さや寒さの管理をします。湿度は子猫の週齢にかかわらず湿度は55~65%が理想です。温度は1週齢までが29~32℃、3週齢までが26~29℃、4週齢までが23~26℃が目安です。箱の上部よりも子猫の視線に近い底の方に置いたほうが正確な温度や湿度を計れるでしょう。
子猫が低体温に陥らないようベッドの中にあんかを用意してあげる
  • あんか子猫の体温が下がってしまわないようあんかを用意します。コード式のものは箱の中に入れにくいためレンジや充電などで温めるタイプのものがよいでしょう。ペットボトルにぬるま湯を入れるという形でも構いません。どちらにしても低温やけどの危険性を考慮し、タオルなどでくるんで母猫の体温(37℃くらい)以上にならないよう注意します。また子猫の体温を逆に奪ってしまわないよう、冷めたらすぐに温め直して下さい。箱全体を覆うのではなく、箱の一部だけをあんかエリアにしておくと、子猫が自分の意志で居心地の良い場所を選ぶことができるようになります。
  • 抱きぐるみ母猫の代わりとなるようなぬいぐるみを置いておくと、保温効果があると同時に子猫が安心してくれます。
母猫の心拍と音が似ているチクタク時計をそばに置いておくとより安心するという説もあります。次は毎日のチェック項目についてです!

毎日のチェック項目

 子猫の日齢や週齢にかかわらず毎日チェックしなければならない項目があります。具体的には以下です。毎日決まった時間に行うようにすれば習慣化して忘れることが少なくなります。

ミルクの飲み具合チェック

 ミルクを与えているのに飲んでくれないとか、飲んではくれるけれども吐いてしまうことがあります。その原因が子猫の病気なのか、それとも飼い主の授乳の仕方が悪いのかを見極めましょう。
ミルクを飲まない
  • 低体温子猫の体温が低過ぎて具合が悪くなりミルクを受け付けなくなることがあります。毛布などに30分~1時間包んでゆっくりと暖めてあげましょう。1時間に1℃以上のペースで温めると逆に臓器不全を引き起こしてしまいますのでドライヤーやシャワーのお湯をかけたりお風呂に入れたりはしないでください。
  • ミルクの温度が不適切ミルクが熱すぎても冷たすぎても拒絶されることがあります。必ず人肌になっていることを確認してください。またニップル部分も温めておきます。特に夜中の眠い時の授乳では温度調整がサボりがちになります。
  • タイミングが早すぎる前回の授乳との間隔が短かすぎると十分にお腹が空いておらず、ミルクを拒絶することがあります。30分~1時間してからもう一度与えてみましょう。
  • 授乳量が多すぎ子猫の週齢を間違っていたりミルクを作るときの計測を間違えると、誤った分量を授乳してしまうことがあります。胃袋の大きさや成長速度には個体差がありますので少なめに与えるようにしましょう。
  • ミルクがいたんでいるミルクを作り置きして24時間以上経過していたり、取り分けたミルクをテーブルの上に出しっぱなしにしている場合、微妙に酸っぱくなっている可能性があります。古いものは廃棄して新しく作り直してあげましょう。
  • 病気上記した注意点を守ってるにもかかわらず12時間近くミルクを受け付けない場合、子猫に多い病気にかかってる可能性があります。動物病院を受診してみてもらいましょう。
ミルクを吐き戻す
  • ボトルを押しすぎ授乳する時、知らないうちにボトルを強く押しすぎていることがあります。指先の力を抜き、子猫の自然な吸い込みに任せましょう。
  • 吸い口が大きすぎニップルを大きく切りすぎてミルクの出が良すぎる可能性があります。新しいものを買って小さめな切り口でもう一度試してみましょう。
  • ニップルが長すぎボトルの先端につけるニップルが長すぎると拒絶されることがあります。短めのものに切り替えましょう。
  • 子猫の姿勢が悪い人間の赤ん坊のように仰向けでミルクを与えたりると吐き戻したり鼻から逆流してしまいます。必ずお腹を下に向けたうつ伏せ姿勢で授乳してください。直立した姿勢で与えている場合はやや前傾姿勢にしてみます。
  • 病気上記した注意点を守ってるにもかかわらず12時間近くミルクを受け付けない場合、子猫に多い病気にかかってる可能性があります。動物病院を受診してみてもらいましょう。

排泄物のチェック

 人間の赤ん坊と同様、ミルクだけを栄養源としている場合、うんちは黄色~茶色で歯磨き粉くらいの固さです。もし以下に述べるような色や形状が見られた場合、何らかの異常が生じている可能性があります。
下痢・うんちが緩い
  • 授乳量が多すぎる子猫が欲しがるからといって好きなだけミルクを与えてしまうと、胃の容量を超えてしまいます。消化できなかった分は軟便や下痢としてダイレクトに体外に排出されますので1回の量を減らしましょう。
  • 容器が汚い一度使った哺乳瓶やミルクを作る時の容器をしっかり煮沸消毒していないと雑菌が繁殖してしまうことがあります。面倒でも毎回熱湯につけて消毒しましょう。
  • ミルクがいたんでいる作り置きして24時間経過したミルクや取り分けた後出しっぱなしにしていたミルクは、すでにいたんでいるかもしれません。廃棄して新しいものを作り直して下さい。
  • 病気24時間近く下痢が続いている場合、子猫に多い病気にかかってる可能性があります。脱水症状に陥ってしまいますので動物病院を受診してみてもらいましょう。
便秘・おしっこが濃い
 子猫のウンチが固かったりおしっこの色が濃い場合、ミルクの水分量が足りていないかもしれません。あまりにも濃いミルクを与えてしまうと、エネルギーは補給できても体に必要な水分が足りなくなってしまいます。ミルクを作るときは目見当ではなくスケール、計量スプーンなどを使ってグラム単位で作るようにします。また授乳回数を減らすために濃いミルクを作るのもNGです。
色がおかしい
 うんちが緑がかっている場合、消化器の通過時間が早すぎて吸収不良を起こしている可能性があります。また灰色がかって臭いがきつい場合は消化不良が起こっている可能性があります。授乳のタイミングとミルクの作り方をもう一度確認し、やり直してみましょう。

ベッド・寝床のチェック

 ベッド(タオル)やベッドを置いてある寝床が汚れていないかどうかを毎日チェックします。ミミダニやネコノミを持っている場合、タオルの上に死骸が落ちているかもしれません。お腹が下ってタオルを汚していることもあります。
 タオルは毎日洗濯し、新しいものと交換してください。また、タオルを敷いていた寝床の方も拭き掃除してあげましょう。

体重チェック

 デジタルスケールに容器を載せ、その中に子猫を入れて毎日体重を計測しましょう。体重は順調に成長しているかどうかの指標になると同時に、胃袋の容量を推測する時の元データにもなります。子猫が大きくなってきたら体に合わせて容器のサイズも変えるようにします。

体温チェック

 体温を計測し、低体温や高体温になっていないことを確認します。お尻の穴に30秒~1分間温度を入れて直腸温を計測するのが理想ですが、子猫のストレスが大きいため人間の赤ちゃん用の体温計を使ったほうがよいでしょう。こちらを使う場合は、最も深部体温を反映しやすい耳の穴で計測します。
 生まれたばかりの子猫の直腸温は1週齢が35.5℃~36.7℃、2週齢が37.2℃、3週齢が37.8℃です。耳の温度だと微妙にずれてるかもしれませんが、毎日同じ時間に計測していれば体温の異常な上下動にすぐ気付くことができるでしょう。

全般的な身体チェック

 一見健康そうに見えても、目に見えないミクロな病原菌を抱えている可能性は否定できません。以下のようなチェックポイントを毎日観察し、病気の兆候をいち早く見つけてあげましょう。何らかの兆候が見られる場合は子猫に多い病気にかかっている可能性がありますので獣医さんに相談してください。
子猫の身体チェック
  • 目のチェック目やにや充血がないことを確認します。ある場合はヘルペスウイルスによる結膜炎の可能性が疑われます。
  • 鼻のチェック鼻水が出ていないことを確認します。ある場合は複数のウイルスによる上気道感染症にかかっているかもしれません。
  • 口の中をチェック舌の先や唇に炎症が起こっていないことを確認します。ある場合はカリシウイルスによる舌炎や口唇炎の可能性が疑われます。また順調に歯が生えていることを確認してください。
  • 被毛のチェック部分的なハゲがないことを確認します。ある場合は白癬菌や疥癬にかかっている可能性が疑われます。またうんちやおしっこで足元が汚れていることがよくありますので、その都度きれいに拭いてあげましょう。
基本的なケアの仕方をマスターしたら「子猫の育て方・実践編を参考にしつつ、子猫の週齢に合わせて実際に育てていきましょう!