トップ2015年・猫ニュース一覧5月の猫ニュース

5月の猫ニュース

 2015年5月の猫に関するニュースをまとめました。一番上が最新で、下にスクロールするほど記事が古くなります。記事内にリンクが貼られていることもありますが、古い記事の場合はリンク切れの時がありますのでご了承下さい。

5月29日

 イギリス・ノーフォーク州コッシーで、留守番中の猫がクッキングヒーターのスイッチを入れてしまい、危うく火事で死にかけるという事故がありました。
 火事を起こしたのは、30代のカップルに飼われている猫。留守番中、クッキングヒーターの近くに置いてあったティーバッグを倒し、なおかつヒーターのスイッチを偶発的に押してしまったことが原因と見られています。幸い、駆けつけた消防隊の活躍により、家の中にいた子猫、成猫、犬は皆無事だったとのこと。
 この火事は、クッキングヒーターのスイッチが、ガスコンロのような回転式ではなく、押してオンオフするスイッチ式だったために発生したものです。予防するためには、猫が絶対にヒーターに近づけないようにする必要があるでしょう。特に留守番中は要注意です。 猫の留守番の注意 Source---The Telegraph
火事の元になりうるクッキングヒーター

5月28日

 北海道室蘭市で、猫を溺死させたとして72歳の女が動物愛護法違反の疑いで逮捕されました。
 逮捕されたのは、室蘭市に住む無職の女性。今年の4月、自宅の庭で飼っていた猫1匹を水の入ったバケツに沈め、溺死させた疑いが持たれています。周辺住民からの連絡を受けて警察が自宅周辺を調べたところ、猫4匹の死骸が土に埋められた状態で見つかったといいます。警察の調べに対し同容疑者は、「飼い猫が子どもを産んで処分に困った」、「10年以上前から猫を100匹以上殺した」などと供述しているそうです。 Source---FNN

5月28日

 千葉県の「袖ヶ浦公園」では、遺棄されたとみられる猫たちが100匹以上も居ついているため、市や管理組合は園内の見回りを強化するなどの対応に追われています。
 袖ヶ浦市によるとこの公園は、10年ほど前から捨て猫が常習化し、今では100匹以上が住み着いているとのこと。今月19日にも、飼い猫2匹を遺棄した疑いで、木更津市に住む70代と60代の夫婦が動物愛護法違反の疑いで書類送検されたばかりだといいます。
 これ以上の個体数増加を食い止めるため、袖ケ浦市では動物を放置しないよう呼びかける看板を設置したほか、公園の管理を委託されている「袖ケ浦公園管理組合」では、園内の見回りを強化するなどしています。 猫を捨てるその前に Source---NHK
袖ヶ浦公園に住み着いたノラネコ

5月26日

【アメリカ】後天的に体の一部を失うことで発生する「幻肢痛」(げんしつう)に悩まされる猫に対し、鍼灸治療が奏功したという珍しいケースが報告されました。
 治療を受けたのは、2年前の交通事故で後ろ足の切断を余儀なくされた3歳の猫。ワクチンを受けたときの診察で、お尻の付近を触るとピクンと皮膚が波打ち、触られることを極端に嫌がる「知覚過敏症候群」と、過剰なグルーミングによる「強迫神経症的な脱毛」が発見されました。担当医は、切断した後ろ足が引き起こす「幻肢痛」が原因ではないかと当たりを付け、鎮痛を引き起こすような鍼灸治療を行いました。その結果、セッションを重ねるごとに症状が改善し、最終的には病的に被毛を舐める行為がなくなったといいます。
 この症例は今後、医学書では原因不明とされている「知覚過敏症候群」(hyperaesthesia)や、治療が困難とされる「強迫神経症」(OCD)に対する、薬物以外の治療法として注目を集めそうです。 Acupuncture in Medicine
鍼灸治療を受ける猫

5月21日

【アメリカ】傷ついて動物病院に運ばれてきた動物たちを、猫らしからぬ社交性で癒すセラピーキャット「ラッセル」が話題です。
 ラッセル(Russell)は、ノースカロライナ州ラレインにある動物病院「Animal Emergency Hospital and Urgent Care Clinic」のマスコット猫。2014年の始め、顔や体にひどいやけどを負った状態で、火事の現場から救出されました。ラッセルは病院内に1年以上暮らしているうちに、ある趣味を見つけたといいます。それは病室の巡回です。彼はクリニックに運び込まれた動物たちにあいさつして回り、時には添い寝してあげることもあるとか。その様子はまるで、傷ついた動物たちの気持ちを落ち着かせようとしているかのようだといいます。いまだに火傷の後遺症はありますが、今後は病院内のセラピーキャットとして活躍していく予定です。 Source---The Dodo
セラピーキャット「ラッセル」

5月15日

 アメリカ・オクラホマ州の高校生が、授業用の献体として使われるはずの猫の死体で悪ふざけしている動画がアップされ、非難を浴びています。
 動画内に登場するのは、オクラホマシティ にある「Harding Charter Preparatory」という名の高校の生徒たち。悪ふざけの内容は、生物学の授業で学習用に用意された猫の遺体を用い、キャットフードのコマーシャル音楽に合わせて躍らせるというものです。動画が撮影されたのは2年前の2013年頃と考えられますが、とある動物愛護団体がYouTubeにアップしたことで今頃になって露見しました。
 非難を受けた学校側は「動物は敬意と尊厳をもって扱われなければならない」とし、悪ふざけに参加した生徒たちに対する遺憾の意を表明しています。
 なお「Students Dancing With Dead Cats」と題された動画は非常に不快な内容になっています。リンクは張りませんが、ご覧になる方は自己責任でお願いいたします。 Source---Reuters
猫の死体で悪ふざけする高校生たち

5月14日

 13日に発表された研究により、血中のビタミンD濃度は、重病を患う猫の余命を予測する際の、信頼度の高い指標になりうるとの結果が出ました。
 研究を行ったのはイギリスにあるエジンバラ王立獣医学校。末期的症状で小動物病棟に連れてこられた猫99頭の血液を検査し、その後30日以内に息をひきとった個体との関連性が精査されました。その結果、血中ビタミンD濃度が低かった猫ほど、死亡する確率が高かったとのこと。こうしたことから研究者は、「血中のビタミンD濃度は猫の余命を予測する際の良い指標になりうる」という結論に至りました。
注意!
  • 摂取不足に注意 一昔前まで、猫は人間と同じように太陽から紫外線を浴びることでビタミンDを生成できると考えられていました。しかし現在は、口から栄養素を摂取しなければならないことが確認されています。ビタミンDが不足しないようにご注意ください。なお米国飼料検査官協会(AAFCO)が公表している資料によると最少栄養要求量は、食餌100kcal中「7IU」です。
  • 過剰摂取に注意 ビタミンDは「脂溶性ビタミン」と言って体内に蓄積する性質を持っています。過剰に摂取すると生体に有害作用を引き起こすことがありますのでご注意ください。通常、市販のペットフードには十分な量のビタミンDが含まれており、サプリメントを追加で与える必要はありません。上限は食餌100kcal中「752IU」です。
猫の食事 Vitamin D Status Predicts 30 Day Mortality in Hospitalised Cats
チーズをつまみ食いする猫

5月12日

 アメリカ・コロラド州にある猫カフェで、猫に噛みつかれた女性が、医療費と精神的苦痛に対する補償を求める訴訟を起こしました。
 訴訟を起こしたのは、被害者であるスー・ホッジスさん本人ではなく、その娘のアマンダ・ジャミロクウィッツさん。2人は今年の2月、コロラド州デンバーにある猫カフェを訪れ、猫とのふれあいを楽しんでいました。ところが、スーさんが仰向けに寝転がったカフェの人気者「モーフィアス」をなでようとしたところ、突然腕に組み付かれ、手首を7~8ヶ所噛まれてしまったといいます。その後、噛まれた部分の治療費として300ドルほどかかり、さらに怪我によって仕事を休んでしまった分、給料が目減りしてしまったとのこと。
 こうした母親の窮状を知った娘のアマンダさんは4月、医療費と精神的な苦痛に対する補償を求め、猫カフェを運営している会社に対し、合計6,000ドルを要求する訴訟起こしました。途中、お互いが妥協案を提示し合う場面はあったものの、双方が拒否しあったため争いは泥沼化。結局示談には至らず、6月の初めには予備審問が開かれる事態にまで発展してしまいました。
 なお、このいざこざをきっかけとして、それまでカフェに猫を預けていた保護団体が関係の解消を決定しているそうです。 9NEWS
訴えられたデンバーの猫カフェ

5月11日

 10日、ベルギーの都市イーペルで3年に1度行われる猫祭り「カッテンストゥート」(Kattenstoet)が開催され、賑わいを見せました。
 「カッテンストゥート」(直訳すると”猫パレード”)は、ベルギー西部にある都市イーペル(Ypres)で3年に1度、5月の第2日曜日に開催される猫をフィーチャーしたお祭り。この都市は中世の頃、布産業で大いに発展しましたが、倉庫に保管された布がたくさんのネズミを惹きつけてしまいました。そこで白羽の矢が立ったのが、ネズミの宿敵である猫です。ところが今度は猫の数が増えすぎてしまいます。困り果てた住人たちはなんと、布を保管している倉庫のてっぺんから、猫を投げ落として口減らしをするようになったといいます。
 もちろん、現代の祭りでこのような蛮行は行われません。そのかわり、地元の住民たちが猫のコスプレに身を包み、巨大な山車(だし)を引いて町をねり歩くのが慣例になっています。今年は約5万人の観光客が国内外から訪れたそうです。

5月11日

 サウスオーストラリア大学の研究チームが、外を出歩いている猫の行動をGPSで観測し、その行動パターンに関する中間報告を行いました。
 研究を行っているのは、サウスオーストラリア大学、ヴィクトリア大学、「Your Wildlife in North Carolina」の共同チーム。研究の目的は、 500頭の猫を解析し、品種ごとの行動傾向を明らかにすることだといいます。アデレード近郊に暮らす16頭の猫を対象とした今回の中間報告では、行動範囲に0.5ヘクタール~29ヘクタール(1ヘクタールは100m×100m)という大きな揺れ幅はあるものの、ほとんどの猫は住んでいる家の近くをうろうろするだけという傾向が発表されました。また連携しているアメリカの研究チームも、100頭の猫を対象とした行動解析で、似たような結論に至ったといいます。しかしはっきりとした結論を出すには、最低でも500頭の猫を分析する必要があるため、今後の追加報告が待たれるところです。
 研究の最終的な目標は、品種特有の行動傾向を明らかにし、飼い主とペットとのマッチング率を高めることです。たとえば、「ペットとべったりしたいと飼い主には、行動範囲が狭いペルシア」といった感じになるでしょう。 猫の縄張り Source---ABC News
GPSでトラッキングされたアデレード猫の行動範囲

5月7日

 「無眼瞼症」という、生まれつき上まぶたを持たない極めて珍しい遺伝的疾患を抱えたメス猫「ビリー」(Billie)が、眼瞼移植術を受けました。
 手術を行ったのは、カリフォルニア州にある大学「UC Davis」の獣医学部門に属する「UC Davis Veterinary Medical Teaching Hospital」。無眼瞼症に対する治療は、角膜炎を防ぐために眼球周辺の毛根を凍結させて殺したり、ドライアイを防ぐために 1日数回点眼するなどが主流でした。しかしどちらの方法も根本的な解決にはつながっていないため、猫の生活の質(QOL)が改善したとは必ずしも言えません。
 そこで選択されたのが、症状の根治を目指した「唇交連-眼瞼移植術」(lip commissure to eyelid transposition)という治療法。これは2010年、オハイオ州立大学においてに初めて行われた手術法で、内容は頬と唇の皮膚の一部を切り取り、上瞼として移植するというものです。
 手術を受け、約2か月間のリハビリを経たビリーは、角膜炎やドライアイの症状が大幅に軽減されてまずまずの状態だといいます。大学ではビリー以降、同様の症状に対する2件の手術にも成功しており、今後は「唇交連-眼瞼移植術」を無眼瞼症に対するスタンダードの治療法として確立していく予定です。 UC Davis School of Veterinary Medicine
「唇交連-眼瞼移植術」を受けたビリーの目

5月4日

 次世代のスター猫を選出する「Animal Planet」主催の「America's Next Cat Star」が開催され、「ブリムリー」がグランプリに輝きました。
 「ブリムリー」(Brimley)はワシントン州シアトルのRJ.ラカウントさんに飼われているペルシア(オス)。子猫のころ、適切な管理を行わない悪徳ブリーダーの元から保護されたという経歴の持ち主です。「Seattle Persian and Himalayan Rescue」に保護された後、ラカウントさんに引き取られ、現在は「おなかマッサージ鑑定家」として活躍しているそうです。お気に入りのマッサージに出会った時は、飛び切りの笑顔を見せてくれるとか。 Brimley the Cat ペルシア
「America's Next Cat Star」でグランプリに輝いた「ブリムリー」