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ロシアンブルー

 猫の品種の1つ「ロシアンブルー」に関する基本情報です。この猫はいったい、いつどこで生まれたのでしょうか?歴史や特徴を写真や動画とともに見ていきましょう!

ロシアンブルーの基本情報

ロシアンブルー 写真:Tkeiger
  • 原産
    ロシア

  • 短毛
  • 体重
    2.2~5キロ
  • タイプ
    フォーリン
猫の購入や繁殖の前に  現在猫の購入や繁殖をお考えの方は、日本におけるペットの現状を読んでおくことをお勧めします。保健所や動物愛護センターには、飼い主を待っている猫がいるかもしれません。お近くの里親募集機関もぜひご参照ください。また猫を迎えるときの基本情報に関しては以下のページでも詳しく解説してあります。 猫の購入・入手方法 猫を選ぶときの注意 ペットショップで猫を買う前に

ロシアンブルーの歴史・ルーツ

 ロシアンブルーの起源は、ロシアのアルハンゲリスク港で自然発生したブルーの猫だと言われています。時折「アルハンゲルキャット」(Archangel Cat/英語ではアークエンジェルキャット)と呼ばれるのはこの地名に由来しています。
 今のロシアンブルーの原型は、1860年ごろ、ロシアの商船に乗ってイギリスへ渡ってきた猫が、イギリスや北欧のブリーダーたちの手に渡って作られたものだと考えられています。最初にショーに登場したのは1875年のクリスタルパレスで、そのときは「ArchangelCat」という名でした。1900年代に、イギリスにおいて血統登録され、同時に「ロシアンブルー」という名称が決められました。
ロシアンホワイトとロシアンブラック  第二次大戦後は数が減少したため、窮余の策としてシャムとの交配が行われました。その結果、体型がややぽっちゃり型になってしまったようです。その後、スカンジナビア半島とイギリスにいたロシアンブルーの血を混ぜて元のスリムな体型を取り戻し、人気を回復しました。ちなみに、長毛のロシアンブルーはネベロング(ドイツ語で「薄霧のような猫」)という名称で登録されています。
 またオーストラリアのブリーダーが白一色の「ロシアン・ホワイト」や黒一色の「ロシアン・ブラック」なる猫を作出しましたが、アメリカではいまだに品種として認定されていません。なお、「ロシアンショートヘアー」という表現は、ロシアンブルーをはじめ、ロシアンピーチ、ロシアンブラック、ロシアンホワイト、ロシアンカラーポイントなどを総称するときに用いられます。

ロシアンブルーの特徴・性格

 ロシアンブルーの特徴は、スリムなフォーリンタイプのボディ、まん丸で美しいグリーンの目、丸みを帯びて微笑んでいるかのような口元(ロシアンスマイル)です。また、厚いダブルコートの被毛は特徴的なブルーで光沢があり、手触りはシルキーです。
 ロシアンブルーの性格は、非常におとなしく、めったに鳴くことがありません。頭が良く、飼い主に従順です。

ロシアンブルーのお手入れ・注意点

 ロシアンブルーのお手入れは、1日1回のブラッシングで充分でしょう。

ロシアンブルーの動画

 以下でご紹介するのはロシアンブルーの歴史や特徴を解説した動画です。英語ですが、内容はおおむね上で説明したことと同じです。
 初対面の人や動物にはやや警戒心を見せますが、ひとたび受け入れると固い絆で結ばれるとのこと。また環境の変化を好まないため、頻繁に引越しをするような家庭には不向きです。
元動画は→こちら

ロシアンブルーの病気

 以下でご紹介するのは文献などで報告されているロシアンブルーに発症しやすい病気のリストです。外国のデータも含まれるため日本の猫には当てはまらない場合もありますが、好発疾患の知識は飼い主にとって重要なため記載しておきます。なお病気に関する詳しい内容や元となっているデータは以下のページで解説しています。ロシアンブルーに多い病気

糖尿病

 糖尿病とは血流中の糖分(グルコース)をうまく細胞内に取り込むことができず、血糖値が高い状態で維持されてしまう病気。診断は身体検査や血糖値の測定を通して下します。治療法はインスリンの投与と食事療法がメインです。 糖尿病の症状・原因・治療

猫伝染性腹膜炎(FIP)

 猫伝染性腹膜炎(FIP)とは、猫腸コロナウイルスが突然変異を起こして強い病原性を獲得し、腹膜炎を特徴とする激しい症状を引き起こす致死性の高い病気。今現在、病原性の低い「猫腸コロナウイルス」(FECV)と致死性の高い「猫伝染性腹膜炎ウイルス」(FIPV)を事前に見分ける有効な方法は存在していません。ひとたび発症してしまうと効果的な治療法がなく、二次感染を防ぐための抗生物質の投与、免疫力を高めるためのネコインターフェロンの投与、炎症を抑えるための抗炎症薬の投与などで様子を見るというのが基本方針です。猫伝染性腹膜炎の症状・原因・治療

下部尿路症候群

 下部尿路症候群(LUTD)とは、膀胱から尿道口をつなぐまでのどこかに結石などを生じてしまう病気。猫ではシュウ酸カルシウム結石やストラバイト結石が大半を占めていますが、まれに尿酸塩(アンモニア・ナトリウム・シスチン・キサンチン)が結石を形成することもあります。診断は尿内の結晶検査やエックス線撮影で下します。治療は結石の除去と食事療法がメインです。ロシアンブルーにおいては膀胱内で結石が形成される膀胱結石、および尿酸塩尿石症のリスクが高いとの報告があります。 下部尿路症候群の症状・原因・治療