猫に必要なビタミン一覧

 AAFCO(米国飼料検査官協会)が2016年に公表した最新データに基づいた猫におけるビタミンの栄養摂取基準です。
 「最少栄養要求量」の上段はキャットフードの乾燥重量1kg中における含有量や含有率です。下段はキャットフード100kcal中における含有量を示しています。フード1g中に想定されているカロリー(熱量)は4kcalです。単位に「μg」や「IU」が含まれていますので「mg」と混同しないようご注意ください。「1mg=1,000μg」、「IU=International Unit(国際単位)」です。またカッコ内は、成長期や妊娠・授乳期にある猫を対象とした時の数値を示しています。
🔔このページは、猫に関する総合情報サイト子猫のへやの一部です。

ビタミンA

  • 機能ロドプシン・ヨドプシンの生成、上皮細胞の分化、精子の形成、免疫作用、骨の吸収
  • 最少栄養要求量~上限値✓3,332(6,668)IU~333,300IU
    ✓83.3(166.7)IU~8,332IU
  • 過剰症頸椎脊椎症、歯の欠落、成長の遅延、食欲不振、紅斑、長骨の骨折
  • 欠乏症食欲不振、成長不良、被毛の劣化、虚弱、眼球角化症、髄液の圧力増加、精子の形成不良

ビタミンD

  • 機能カルシウムとリンの恒常性の維持、骨の形成、骨の吸収、インスリン合成、免疫機能
  • 最少栄養要求量~上限値✓280(280)IU~30,080(30,080)IU
    ✓7(7)IU~752(752)IU
  • 過剰症高カルシウム血症、石灰沈着性、食欲不振、歩行障害
  • 欠乏症くる病、骨軟化症、骨粗しょう症、肋軟骨接合部の肥大

ビタミンE

  • 機能抗酸化作用、フリーラジカル除去
  • 最少栄養要求量✓40(40)IU
    ✓1(1)IU
  • 過剰症血液凝固時間の増加
  • 欠乏症不妊症、皮膚病、免疫力低下、食欲不振、ミオパチー

ビタミンK

  • 機能血液凝固因子の炭酸化、骨のタンパク質であるオステオカルシンとの共同作用
  • 最少栄養要求量✓0.1(0.1)mg
    ✓2.5(2.5)μg
  • 過剰症特になし
  • 欠乏症血液凝固時間の増加、低プロトロンビン症、出血

ビタミンB1(チアミン)

  • 機能チアミンピロリン酸の構成成分、TCAサイクルでの脱炭酸酵素反応の補酵素
  • 最少栄養要求量✓5.6(5.6)mg
    ✓140(140)μg
  • 過剰症血圧の減少、徐脈、呼吸性の不整脈
  • 欠乏症食欲不振、運動機能障害、体重減少、多発性神経炎、心室の異常、不全麻痺、心臓の肥大、徐脈

ビタミンB2(リボフラビン)

  • 機能補酵素、酸化酵素や脱水素酵素の電子輸送
  • 最少栄養要求量✓4(4)mg
    ✓100(100)μg
  • 過剰症特になし
  • 欠乏症成長不良、運動機能障害、皮膚病、目の化膿性分泌物、嘔吐、結膜炎、昏睡、角膜血管新生、徐脈、脂肪肝

ビタミンB3(ナイアシン)

  • 機能補酵素、エネルギー産生における水素の供与と受容
  • 最少栄養要求量✓60(60)mg
    ✓1.5(1.5)mg
  • 過剰症血便、引きつけ
  • 欠乏症食欲不振、下痢、成長不良、軟口蓋潰瘍、舌の壊死、舌の発赤、舌の潰瘍、口角症、ヨダレを垂れ流す

ビタミンB6(ピリドキシン)

  • 機能神経炎立つ物質の合成、トリプトファンからのナイアシン合成、ヘム・タウリン・カルニチンの合成
  • 最少栄養要求量✓4(4)mg
    ✓100(100)μg
  • 過剰症食欲不振、運動障害
  • 欠乏症食欲不振、成長不良、体重減少、小赤血球低色素性貧血、痙攣、尿細管の萎縮、オキザロカルシウム結晶の生成

ビタミン12(コバラミン)

  • 機能プロピオン酸の代謝における補酵素、ロイシンの合成と分解
  • 最少栄養要求量✓20(20)μg
    ✓0.5(0.5)μg
  • 過剰症反射の変化
  • 欠乏症成長の停止、メチルマロン酸尿症、貧血

ビタミンC

  • 機能水酸化酵素反応の補因子、コラーゲンとカルニチンの合成、鉄の吸収促進、フリーラジカルの除去、抗酸化作用
  • 最少栄養要求量犬猫は体内で合成可能
  • 過剰症特になし
  • 欠乏症特になし

パントテン酸

  • 機能補酵素の前駆体、TCAカイロにおける脂質・炭水化物・タンパク質の代謝、コレステロールの合成、トリグリセリドの合成
  • 最少栄養要求量✓5.75(5.75)mg
    ✓144(144)μg
  • 過剰症特になし
  • 欠乏症体重減少、脂肪肝、成長不良、血清コレステロールと脂質の減少、昏睡

ビタミンM(葉酸)

  • 機能ホモシスチンからメチオニンの合成、プリン合成、DNA産生
  • 最少栄養要求量✓0.8(0.8)mg
    ✓20(20)μg
  • 過剰症特になし
  • 欠乏症食欲不振、体重減少、舌炎、白血球減少、低色素性貧血、血液凝固時間の増加、血清鉄の増加、巨赤芽球性貧血、腹腔内での硫酸塩の合成阻害、抗癌薬との拮抗作用

ビオチン

  • 機能カルボキシラーゼを構成する
  • 最少栄養要求量✓70(70)μg
    ✓1.8(1.8)μg
  • 過剰症特になし
  • 欠乏症尿両過多、脱毛、目・鼻・口の渇き、唾液の過剰分泌、食欲不振、血便、下痢

コリン

  • 機能膜に存在するホスファチジールコリンの構成成分、神経伝達性アセチルコリンの構成成分
  • 最少栄養要求量✓2,400(2,400)mg
    ✓60(60)mg
  • 過剰症特になし
  • 欠乏症脂肪肝、プロトロンビン時間の延長、胸腺の委縮、成長の遅延、食欲不振、肝小葉周辺の浸潤

タウリン

  • 機能胆汁酸と結合、消化を促進、神経伝達物質の生成
  • 最少栄養要求量✓ドライは0.1%/ウェットは0.2%
    ✓ドライは25mg/ウェットは50mg
  • 過剰症特になし
  • 欠乏症進行性網膜萎縮、心筋症、繁殖能力や成長の阻害