トップ猫の手入れとケア歯磨き粉の成分・大辞典エチレンジアミン四酢酸

エチレンジアミン四酢酸~犬猫向け歯磨き粉の安全性と危険性

 犬猫向け歯磨き粉に含まれている「エチレンジアミン四酢酸」。この成分はペットが口にしても大丈夫なのでしょうか?最新の科学的データと共に安全性と危険性を検証しましょう。

日本における安全性情報

 エチレンジアミン四酢酸(EDTA)は金属イオンとキレート結合して錯体を形成する化合物。化学構造式は以下です。 犬猫向け歯磨き粉に含まれている成分「エチレンジアミン四酢酸」  日本では厚生労働省によって「エチレンジアミン四酢酸カルシウムニナトリウム」と「エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム」が指定添加物として認可されています。エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムに関しては、最終食品の完成前にエチレンジアミン四酢酸カルシウムニナトリウムに転換し、なおかつ缶詰や瓶詰の清涼飲料水1kg中0.035gまで、その他の缶詰や瓶詰食品1kg中0.25gまでという使用基準が設けられています。
 一方、遊離酸基のEDTAに関しては、ラットやマウスにおける半数致死量(LD50)が経口摂取で体重1kg当たり2,000mg、ウサギにおけるそれが2,300mgと報告されています出典資料:環境省

海外における安全性情報

 海外ではJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)でもEFSA(欧州食品安全機関)でも一日摂取許容量(ADI)を体重1kg当たり1日2.5mgまでとしています。国際がん研究機関(IARC)で発がん性は確認されていません。
金属イオンと結合しやすく、また一度結合すると離しにくい性質を有していることから、化粧品、合成洗剤、飲料の酸化防止剤としてよく用いられます。