トップ猫の手入れとケア歯磨き粉の成分・大辞典炭酸カルシウム

炭酸カルシウム~犬猫向け歯磨き粉の安全性と危険性

 犬猫向け歯磨き粉に含まれている「炭酸カルシウム」。この成分はペットが口にしても大丈夫なのでしょうか?最新の科学的データと共に安全性と危険性を検証しましょう。

日本における安全性情報

 炭酸カルシウム(calcium carbonate)は石灰石の構成成分として知られる白色の微細な粉末。化学構造式は以下です。 犬猫向け歯磨き粉に含まれている成分「炭酸カルシウム」  日本では厚生労働省によって指定添加物の「強化剤」や「製造用剤」として認可されており、強化剤としてはパン、みそ、菓子、納豆等のカルシウム補給、製造用剤としてはイーストフード、ガムベース、膨張剤として使用されています。使用基準は特に設定されていません。

海外における安全性情報

 海外ではJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)でもEFSA(欧州食品安全機関)でも一日摂取許容量(ADI)や使用基準は設定されておらず、国際がん研究機関(IARC)によって発がん性も確認されていません。アメリカでは「一般的に安全と認められる物質」(GRAS 物質)に分類されています。
炭酸カルシウムは乳飲料や即席麺といった人間向けの食品の中にカルシウム補給剤として多く用いられています。一方、ペット向け歯磨き粉に含まれている目的は栄養の強化ではなく「研磨剤」ですので、歯に塗りつけてゴシゴシこすらないと意味がありません。