リン酸水素カルシウム～犬猫向け歯磨き粉の安全性と危険性

　リン酸水素カルシウム（dibasic calcium phosphate）はカルシウムイオンとリン酸イオン、および水素からなる塩の総称。
　日本国内では代謝性医薬品の「カルシウム剤」に区分されており、医師の処方箋の元、体内にカルシウムを補充する目的で投与されます。対象疾患は骨粗しょう症、高リン血症、くる病、骨軟化症、消化器症状などです。また妊娠・授乳時においてもカルシウムを補給する目的で処方されます。
　なおリン酸水素カルシウムを「リン酸一水素カルシウム」と「リン酸二水素カルシウム」の総称として用いている場合、それぞれの物質は日本の厚生労働省によって指定添加物として認可されています。使用基準は食品の製造や加工上必要不可欠な場合、および栄養強化目的に限定されており、特別用途表示の食品を除いたときの上限はカルシウムとして1.0%までです。

　テトラサイクリン系抗生物質を処方されている場合、併用することにより吸収が阻害されてしまう恐れがあるため、「禁忌」（使用してはいけない条件）とされています。また重篤な腎不全を抱えた人に対する投与も禁忌です。副作用には高カルシウム血症、腎結石症などがあります（:三恵薬品）。
　リン酸水素カルシウムは医薬品としての側面を持っています。過剰摂取により副作用が出てしまう危険性もあるため、全身的な健康状態に合わせて摂取量を決める必要があります。