トップ猫の手入れとケア歯磨き粉の成分・大辞典シリカ

シリカ(二酸化ケイ素)~犬猫向け歯磨き粉の安全性と危険性

 犬猫向け歯磨き粉に含まれている「シリカ」。この成分はペットが口にしても大丈夫なのでしょうか?最新の科学的データと共に安全性と危険性を検証しましょう。

日本における安全性情報

 シリカ(silica)は二酸化ケイ素によって構成される物質の総称。分子が規則正しく並んだ「結晶質シリカ」としては石英(水晶)、分子が規則正しい空間的配置を持たずに集合しただけの「非晶質シリカ」としてはシリカゲルや珪藻土などが有名です。 犬猫向け歯磨き粉に含まれている成分「シリカ」  日本では厚生労働省によって「二酸化ケイ素」(シリカゲル)が指定添加物として認可されています。使用基準は特に設定されていません。

海外における安全性情報

 非晶質シリカに限って言うと、海外ではJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)でもEFSA(欧州食品安全機関)でも一日摂取許容量(ADI)や使用基準は設定されておらず、国際がん研究機関(IARC)によって発がん性も確認されていません。
 一方、結晶質シリカの方は長期的に吸引することによって珪肺症 (シリコーシス) などを引き起こすことが古くから知られています。国際がん研究機関(IARC)では結晶質シリカがグループ1、すなわち「ヒトに対して発がん性が疑われる」物質として分類されており、また日本産業衛生学会では吸入性結晶質シリカの限界値を0.03mg/m³、米国産業衛生専門家会議では0.025mg/m³と定めています。
 歯磨き粉の中に含まれるシリカは無水ケイ酸と呼ばれる非晶質シリカで、その高い硬度から研磨剤として利用されています。極端な量でなければ害はないでしょう。参考までに、非晶質二酸化ケイ素をラットに経口投与したときの半数致死量(LD)は体重1kg当たり3,160mg程度です。
あくまでも研磨剤として含まれていますので、歯の表面に塗りつけてゴシゴシ磨かないと意味はありませんね。