トップ猫の手入れとケア歯磨き粉の成分・大辞典スクラロース

スクラロース~犬猫向け歯磨き粉の安全性と危険性

 犬猫向け歯磨き粉に含まれている「スクラロース」。この成分はペットが口にしても大丈夫なのでしょうか?最新の科学的データと共に安全性と危険性を検証しましょう。

日本における安全性情報

 スクラロース(sucralose)は人工甘味料の一種。「トリクロロガラクトスクロース」とも呼ばれます。スクロース(ショ糖)の約600倍の甘味を持つことから砂糖の代用品として広く用いられています。化学構造式は以下です。 犬猫向け歯磨き粉に含まれている成分「スクラロース」  日本では厚生労働省によって指定添加物の「甘味料」として認可されており、以下のような使用基準が定められています。分量はすべて当該食品1kgに含まれる量です出典資料:厚労省
スクラロースの使用基準
  • 生菓子および菓子→1.8g以下
  • チューインガム→2.6g以下
  • ジヤム→1.0g以下
  • 清涼飲料水→0.40g以下
  • 砂糖代替食品→12g以下
  • その他の食品→0.58g以下

海外における安全性情報

 海外ではJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)およびEFSA(欧州食品安全機関)が共に一日摂取許容量(ADI)を体重1kg当たり「0~15mg」と定めています。国際がん研究機関(IARC)によって発がん性は確認されていません。
 吸収率の低いスクラロースの摂取が、腸内細菌叢に影響を及ぼす可能性や、肝臓中のコール酸量を増加させてコレステロール吸収を促進させる可能性が示唆されています出典資料:日本食品化学研究振興財団。またスクラロースを120℃を超える熱で加熱し続けると、脱塩素化が起こって健康にとって有害となり得る有機塩素化合物の生成につながる可能性も懸念されています出典資料:食品安全委員会
極端な量を摂取したり、極端な加熱をしない限りは比較的安全な成分と考えられています。しかし甘みを感じない猫にとっては不要でしょう。