トップ猫の手入れとケア歯磨き粉の成分・大辞典トレハロース

トレハロース~犬猫向け歯磨き粉の安全性と危険性

 犬猫向け歯磨き粉に含まれている「トレハロース」。この成分はペットが口にしても大丈夫なのでしょうか?最新の科学的データと共に安全性と危険性を検証しましょう。

日本における安全性情報

 トレハロース(trehalose)は2つのD-グルコース分子が結合した非還元性の二糖。天然ではきのこを始めとした菌類や酵母などの中に存在しています。カロリーは1gで4kcalとショ糖(砂糖)と同じですが、甘みが50%程度しかないため低甘味料として用いられます。化学構造式は以下です。 犬猫向け歯磨き粉に含まれている成分「トレハロース」  日本では厚生労働省によって既存添加物の「製造用剤」として認可されています。定義は「担子菌(Aguricus等)、細菌(Arthrobacter, Brevibacterium, Pimelobacter, Pseudomonas, Thermus等)又は酵母(Saccharomyces等)の培養ろ液又は菌体より、水若しくはアルコールで抽出して得られたもの、これを酵素によるでん粉の糖化液より分離して得られたもの、又はマルトースを酵素処理して得られたもの」で使用基準は特に設定されていません。

海外における安全性情報

 海外ではJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)でもEFSA(欧州食品安全機関)でも一日摂取許容量(ADI)や使用基準は設定されておらず、国際がん研究機関(IARC)によって発がん性も確認されていません。
歯磨き粉に入れる目的はさっぱりとした甘みをつけることです。犬は好むかもしれませんが、甘みを感じない猫にはあまり意味がないでしょう。また近年はC.ディフィシルと呼ばれる菌のうち、「RT027」と「RT078」株がトレハロースを栄養源として強い毒性を発揮する危険性が示唆されています。