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猫が有毒生物に刺されたらどうする?~原因・症状から応急処置法まで

 猫が有毒生物に刺された場合について病態、症状、原因、応急処置法別に解説します。不慮の怪我や事故に遭遇する前に予習しておき、いざとなったときスムーズに動けるようにしておきましょう。なお当サイト内の医療情報は各種の医学書を元にしています。出典一覧はこちら

猫が有毒生物に刺されたときの原因と症状

 猫が散歩のために外に出た際、有毒生物に刺されたり噛まれたりする事があります。原因となる生物はハチ、カ、ブヨ、ガ、アブなど羽根を持つもののほか、ムカデ、ヒキガエル、ヘビなど地面を這うものまで多彩です。
 猫が有毒生物に刺されたときの症状としては以下のようなものが挙げられます。
猫が有毒生物に刺されたときの主症状
  • 患部をなめたり引っかいたりする
  • 患部が腫れる
  • 患部に触られるのを嫌がる
  • 嘔吐
  • よだれ
  • チアノーゼ(酸欠で口の中が紫色になる)
  • 最悪の場合死亡(アナフィラキシーやヒキガエル毒)
 有毒生物の中で侮れないのがヒキガエルです。「カエル=毒」というイメージがあまりないため、犬や猫が面白半分で触っていても見過ごしてしまう危険性があります。ニホンヒキガエル 耳下腺で産生される毒素には幻覚剤LSDに似た「インドールアルキルアミン」や、強心剤に似た作用を持つ成分が含まれており、粘膜から吸収されると呼吸困難や不整脈を引き起こすことがあります。最も危険とされるのは「コロラドリバーヒキガエル」と「オオヒキガエル」ですが、幸いなことに日本で見かけることはまずありません。ただしニホンヒキガエルなど、接触する機会があるカエルも生息していますので、外見くらいは覚えておいた方がよいでしょう。

猫が有毒生物に刺されたときの応急処置・治療法

 猫が有毒生物に刺されたときの治療法としては、主に以下のようなものがあります。
猫が有毒生物に刺されたときの主な治療法
  • 炎症を抑える  炎症反応(えんしょうはんのう)とは、体内に入った異物を除去しようとする血液の反応のことです。ミツバチの針などが体に残っている場合はピンセットや刺抜きなどで抜いてあげ、炎症を軽減するためにその箇所を氷を入れた水袋などで冷やしてあげましょう。
  • 獣医さんの元へ  何に刺されたのか分からない場合は、最低でも30分程度は様子を見ます。興奮して大量のよだれを流したり、呼吸が荒くなるようでしたらヘビ毒などの可能性もありますので、早急に動物病院へ直行します。
     また有毒生物に刺されたのが二回目の場合はショック状態(アナフィラキシーショック)になる危険性もありますので、ぐったりしている場合は早急に獣医さんにご相談下さい。
アナフィラキシーショック
 アナフィラキシー(anaphylaxis)とはヒトを始めとする哺乳類で広く認められる急性かつ全身性の重度なアレルギー反応のことです。本来異物から体を守るはずの免疫系が過剰に反応することで、全身の機能が悪化してしまった状態を言い、ほんの僅かなアレルゲン(アレルギーの元)の摂取、皮膚への接触、注射や呼吸器からの吸入が生死に関わるアナフィラキシー反応、すなわちアナフィラキシーショックを引き起こすことがあります。