トップ2016年・猫ニュース一覧10月の猫ニュース10月17日

MRIやCTに用いる造影剤が猫にもたらす副作用

 MRIやCTのため猫に造影剤を用いた場合、一体どの程度の確率で副作用が発生するが調査されました(2016.10.17/イギリス)。

詳細

 「MRI」(核磁気共鳴画像法)とは、被験者に高周波の磁場を与えることで発生した反応を画像化する装置。一方「CT」(コンピュータ断層撮影)とは、放射線などを用いて物体の内部を画像化する装置です。 動物用MRI 動物用CTスキャン  どちらの装置でも、画像のコントラストを明瞭化して視認性を高めるため、造影剤が用いられることがあります。造影剤にはわずかながら副作用の危険性がありますが、犬や猫に対して用いた場合、いったいどの程度の確率で起こるのかに関しては、数えるほどしか研究例がありませんでした。
 そこでイギリス・リバプール大学の調査チームは2011年1月から2013年4月までの期間、CTのため「イオヘキソール」と呼ばれる非イオン性造影剤を投与された58頭の猫(平均年齢122.6ヶ月 | 平均体重4.5kg)と、MRIのため「ガドブトロール」と呼ばれるガドリニウム系造影剤を投与された49頭の猫(平均年齢93.9ヶ月 | 平均体重3.8kg)を対象とした大規模な統計調査を行いました。静脈注射によって造影剤を投与する5分前と5分後のタイミングで、脈拍、呼吸数、平均動脈血圧を計測したところ、以下のような副作用が見られたと言います。なお「軽度」とは、3項目のうちどれか1つでも10%以上20%未満の変化を見せたこと、「中等度」とは20%以上の変化を見せたこと、「重度」とは緊急治療を要する程度の変化を見せたこと意味しています。
ガドブトロール
  • 軽度=6頭(12.2%)
  • 中等度=6頭(12.2%)
  • 重度=0
イオヘキソール
  • 軽度=8頭(13.8%)
  • 中等度=10頭(17.2%)
  • 重度=0
 猫の属性と副作用の関係を統計的に計算したところ、年齢、性別、体重と発生率との間には何の関連性も見いだされなかったと言います。こうしたデータから調査チームは、「イオヘキソール」にしても「ガドブデリン」にしても、緊急治療を要するほど重度の副作用を引き起こす事は稀であるとの結論に至りました。 Adverse reactions following administration of contrast media for diagnostic imaging in anaesthetized dogs and cats: a retrospective study