トップ猫の栄養と食事キャットフード成分・大辞典着色料赤色106号

赤色106号~使用基準から安全性まで

 キャットフードのラベルに記された「赤色106号」。この成分の意味・目的から安全性までを詳しく解説します。何のために含まれ、猫の健康にどのような作用があるのでしょうか?

赤色106号とは何か?

 赤色106号は食品を赤く染めるときに用いられる着色料です。アシッドレッド(acid red)とも呼ばれます。化学構造式は以下です。赤色106号(アシッドレッド)の分子式 成分の分類上は「着色料」に属し、フードの色合いを調整して猫の食いつきを良くする作用を持っています。
赤色106号の安全性情報・概要
  • 厚生労働省=指定添加物
  • IARC=発がん性なし
  • EFSA=未認可
  • JECFA=未認可
  • ペットフード=LD50はマウスで20g/kg

日本での使用基準

 日本において赤色106号は厚生労働省によって指定添加物として認可されており、カステラ、しょう油、食肉、鮮魚介類、茶、豆類、みそなどを除外した食品全般への使用が認可されています。使用基準は特に設定されていません。2017(平成29)年に行われた調査によると、成人1人当たりの摂取量は1日0.002mgと推計されています出典資料:厚生労働省

海外での使用基準

 赤色106号はヨーロッパやアメリカでは食品添加物として認められていません。例えば台湾では2018年、法律で使用が認められていない着色料である食用赤色106号が日本からの輸入品である夕張メロンゼリーから検出されたとし、検査で不合格判定を出しています出典資料:食品安全委員会

キャットフードに入れると危険?

 赤色106号を猫に対して長期的に与えた場合の安全性や危険性に関してはよくわかっていません。マウスが口から摂取した場合のLD50(半数致死量)は20g/kg超とされています。
赤色106号を食品添加物として認めているのはほぼ日本だけです。JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)による国際基準も、IARC(国際がん研究機関)による発がん性の検証も存在しません。