トップ猫の栄養と食事キャットフード成分・大辞典着色料黄色5号

黄色5号~意味や目的から安全性まで

 キャットフードのラベルに記された「黄色5号」。この成分の意味・目的から安全性までを詳しく解説します。何のために含まれ、猫の健康にどのような作用があるのでしょうか?

黄色5号とは何か?

 黄色5号とは食品をだいだい色に染めるときに用いられる着色料です。サンセットイエローFCFとも呼ばれます。
 日本国内では2016年(平成28年)、20歳以上の成人における黄色5号の摂取量が推計されました出典資料:厚生労働省。その結果、一日摂取量が1人当たり0.001mgで、ADI(一日摂取許容量=234mg/人/日)のうちに占める割合がわずか0.0004%に過ぎず、ほぼ無視できる程度ということが判明しました。ただしこれはあくまでも人間における摂取量データであって猫におけるデータではありません。黄色5号が使われているオレンジジュース 成分の分類上は「着色料」に属し、フードの色合いを調整して猫の食いつきを良くする作用を持っています。
黄色5号の安全性情報・概要
  • 厚生労働省=指定添加物
  • IARC=発がん性なし
  • EFSA=使用基準4mg/体重1kg/日
  • JECFA=使用基準4mg/体重1kg/日
  • キャットフード=165mg/完全飼料1kg

日本での安全性情報

 日本において黄色5号は厚生労働省によって指定添加物として認可されており、カステラ、しょう油、食肉、鮮魚介類、茶、豆類、みそなどを除外した食品全般への使用が認可されています。使用基準は特に設定されていません。含んでいる食品は幅広く、一例としてはキャンディ、デザート類、スナック類、ソースなどが挙げられます。

海外での安全性情報

 黄色5号はIARC(国際がん研究機関)によって発がん性は確認されていません。
 人間における研究では2007年、英国食品基準庁(FSA)が黄色5号を含む6つの着色料に関する調査を行い、10歳未満の子供における多動性障害(ADHD)との関係性が疑われるとの結論に至りました。しかし結論は確固たるものではなく、EFSA(欧州食品安全機関)は今の所、4mg/kgを超えるような大量摂取をしない限り人体への影響はないとの立場をとっています。なおJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)における一日摂取許容量(ADI)も同じく体重1kg当たり4mgです。

キャットフードに入れると危険?

 黄色5号を猫に対して長期的に与えた場合の安全性や危険性に関してはよくわかっていません。2022年、EFSA(欧州食品安全機関)の有識者パネルはカナリヤにおけるNOAEL(動物を使った毒性試験において何ら有害作用が認められなかった用量レベル)である「375mg/体重1kg/日」を基準とし、猫における最大安全量を完全飼料(乾燥重量88%)1kg中165mgと推計しています。
しかし黄色5号の含有量まで記載してあるペットフードラベルはほぼ皆無ですので、安全性の検証ができないというのが現状です。