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インゲン豆~安全性と危険性から適正量まで

 キャットフードのラベルに記された「インゲン豆」。この原料の成分から安全性と危険性までを詳しく解説します。そもそも猫に与えて大丈夫なのでしょうか?また何のために含まれ、猫の健康にどのような作用があるのでしょうか?

インゲン豆の成分

 インゲン豆(common bean)はマメ亜科の一年草。形や色によって非常に沢山の種類に細分されます。一例を挙げると赤インゲン豆(金時豆)、白インゲン豆(大福豆)、うずら豆、虎豆などです。 キャットフードの成分として用いられる「インゲン豆」  莢(さや)が柔らかい「軟莢種」(なんしょうしゅ)は「サヤインゲン」とも呼ばれ、若いさやを食べます。一方、莢(さや)が硬い「硬莢種」(こうしょうしゅ)はさやを取り除いたあとに残る成熟した種子を食べます。馴染み深いところで言うと煮豆、甘納豆、ぜんざい、菓子用の餡などです。

インゲン豆は安全?危険?

 インゲン豆を猫に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?以下でご紹介するのはインゲン豆に関して報告されている安全性もしくは危険性に関する情報です。

フィトヘマグルチニン

 フィトヘマグルチニン(phytohaemagglutinin)は豆類全般に含まれるレクチンの一種。生の状態や加熱不十分なインゲン豆を摂取すると、この成分の作用で激しい嘔吐や下痢といった急性中毒症状が生じることがあります。
 レクチンを無毒化するためには、80℃以上の高温で豆を十分に加熱することが必要です。特に赤インゲン豆(キドニービーン)には白インゲン豆の3倍近いフィトヘマグルチニンが含まれていますので十分な注意が必要となります。
 ドライタイプのキャットフードが通常のエクストルード製法で作られている場合、加熱と加圧が十分なため毒性が残ることはないでしょう。
ウエットタイプや手作りのキャットフードにインゲン豆が含まれている場合、どのような作り方をしているのかを確かめなければなりません。目安は100℃で最低30分の加熱が加えられているかどうかです。