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猫の前房出血~症状・原因から予防・治療法まで

 猫の前房出血(ぜんぼうしゅっけつ)について病態、症状、原因、治療法別に解説します。病気を自己診断するためではなく、あくまでも獣医さんに飼い猫の症状を説明するときの参考としてお読みください。なお当サイト内の医療情報は各種の医学書を元にしています。出典一覧はこちら

猫の前房出血の病態と症状

 猫の前房出血とは、角膜と虹彩の間にある前眼房(ぜんがんぼう, 前房とも)で出血が起こった状態です。 前房出血~前房内に血液が貯留している  見た目はショッキングですが、前房出血自体が有害な影響を及ぼすことはほとんどありません。それよりも、前房出血を引き起こした元の原因や、前房出血が慢性化したときに起こる眼圧の上昇、および緑内障に対する管理の方が重要です。
 猫の前房出血の症状としては以下のようなものが挙げられます。
前房出血の主症状
  • 眼球が真っ赤に染まる
  • 歩行が不安定になる
  • 目を気にするしぐさを見せる

猫の前房出血の原因

 猫の前房出血の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
前房出血の主な原因

猫の前房出血の治療

 猫の前房出血の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
前房出血の主な治療法
  • 経過観察  出血量が少ない場合、そのまま放置しておけば血液が体内に吸収されます。
  • 基礎疾患の治療  出血がブドウ膜炎や慢性緑内障網膜剥離などの周辺症状として出ている場合は、そうした基礎疾患への治療が施されます。
  • 虹彩の癒着予防  瞳孔の大きさを調整する虹彩部分の癒着を防ぐため、強制的に開閉することがあります。