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猫の腎結石~症状・原因から予防・治療法まで

 猫の腎結石(じんけっせき)について病態、症状、原因、治療法別に解説します。病気を自己診断するためではなく、あくまでも獣医さんに飼い猫の症状を説明するときの参考としてお読みください。なお当サイト内の医療情報は各種の医学書を元にしています。出典一覧はこちら。また猫の採尿と尿検査についてはこちらをご参照ください。

猫の腎結石の病態と症状

 猫の腎結石とは、腎臓内の腎盂と呼ばれる部位に結石が発生した状態を言います。
 腎盂(じんう)とは、腎臓と尿管の接続部で、漏斗状に広がっている部分のことで、この腎盂に発生した結石のことを特に腎結石と称します。結石が小さい場合はほとんど症状を示さないこともありますが、結石が大きくなるとときに急性腎不全のような症状を引き起こすことがあります。 腎盂内に発生した腎結石の模式図  猫の腎結石の症状としては以下のようなものが挙げられます。結石を構成している物質は、多い順にシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、ストルバイトで、好発年齢は8歳です。ややメスに多いとされます。
猫の腎結石の主症状
  • (結石が小さい場合)無症状
  • (結石が大きい場合)急性腎不全
  • (尿路感染症の併発で)尿のにごり

猫の腎結石の原因

 猫の腎結石の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
猫の腎結石の主な原因
  • 尿路感染症  腎臓で生成された尿が通る道を尿路といい、ここに細菌が感染することを尿路感染症といいます。尿路感染症にかかっていると、結石の核となる臓器の表皮などが増えやすくなり、また尿がアルカリ性に傾くことから、結石ができやすくなると考えられています。具体的には腎盂腎炎などです。
  • 尿の酸塩基平衡 食事の偏りにより、尿がアルカリ性や酸性になると結石を生じやすくなります。アルカリ尿ではストルバイト、リン酸カルシウム結石、酸性尿ではシュウ酸カルシウム、尿酸塩、シスチン、キサンチン結石のリスクが高まります。
  • 遺伝(?) 毛の長さと腎結石の発症率には若干の関連性があるようです。短毛種における発症率は33%、長毛種の発症率は17%という報告があります。またペルシャの発症率は8%、シャムは6%程度と言われています。日本の麻布大学附属動物病院が2007年4月~2014年3月の間、腎臓由来の尿管結石と診断された猫64例を元に統計データをとったところ、結石を発症しやすい品種としてスコティッシュフォールドアメリカンショートヘアヒマラヤンといった純血種の名が浮上して来たと言います。詳しくはこちらの記事をご参照ください。

猫の腎結石の治療

 猫の腎結石の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
猫の腎結石の主な治療法
  • 砕石 腎臓内の結石に対し、体の外から超音波を当てて砕く「体外衝撃波結石破砕治療」(ESWL)という治療法があります。犬においては比較的安全性が高いとされますが、尿路自体が狭い猫においては砕かれた結石が尿管に詰まる危険性があるため、禁忌と考える獣医師もいます。
  • 手術療法  閉塞を伴っていたり、シュウ酸カルシウムなど薬物の影響を受けにくい結石ができてしまった場合は、外科手術によって結石を取り除きます。この場合、腎臓を切り開いて中に溜まった結石をつまみだすという作業が必要です。
  • 投薬治療  尿路感染症を併発している場合は、抗生物質の投与などが行われます。
  • 食餌療法 尿の極端なアルカリ性、または酸性への偏りをなくすため、獣医師監修の元、適切な食事内容に切り替えます。