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猫に立ち入り禁止をしつける

 猫が人間の家の中を好き勝手に歩き回り、行く先々で家具や家庭用品を汚したら大迷惑です。またキッチンやお風呂場など猫にとって危険な場所もありますので、なんとかして立ち入り禁止エリアを覚えてもらう必要があります。ここでは、入っていはいけない立ち入り禁止ゾーンを猫に教えるこつを解説していきます。

空間をアレンジする

 猫に立入禁止をしつけるときにまず最初にやるべきことは空間のアレンジです。これは猫がそもそも特定エリアに入れないよう、人間の方で環境を操作してしまうことを意味しています。うまくやれば、ほとんどのケースはこの方法で解決が可能です。

扉やドアのアレンジ

 家の中には部屋と部屋をつなぐ扉やドアがあります。こうした仕切りに手を加え、猫が自由に移動できなくしてしまいます。以下は一例です。
ドアをキャットプルーフにする
  • ドアをロックするドアにロック(鍵)がついている場合はこまめに使うようにします。しかし家の中に複数人の人間がいる場合、いちいちドアをロックすると生活がとても不便になるという欠点もあります。
  • ドアストッパーを挟むトイレ以外のドアには基本的にロックがついていないと思います。そんな場合は、ドアの下にある隙間にドアストッパーを挟んでおけば、万が一猫がレバーハンドルを回してもドアを開けることはできません。
  • つっかえ棒をする和室の場合、横にスライドするタイプのふすまによって仕切られていると思います。その場合、ふすまにつっかえ棒をしておけば器用な猫でも開けることができなくなるでしょう。またふすまのすきまに挟んでスライドできなくさせる専用のロックも売られています。
  • バリアを設ける部屋の中がオープンスペースで、そもそもドアや間仕切りが設けられていないこともあります。そんなときはペット用の侵入防止アイテムを利用するのも手です。猫の場合はジャンプ力がありますので、飛び越えられないよう高さを持ったハイゲートがよいと思われます。あるいはインテリア用のパーティションなども場所によっては使えます。

立入禁止空間のアレンジ

 ドアロックにしてもドアストッパーにしても引き戸用のつっかえ棒にしても、しょっちゅう部屋を行き来する人間にとってはとても邪魔なものです。そんなときは発想を転換し、立入禁止空間を立ち入り自由空間に変えてしまうという方法があります。以下は一例です。
立入禁止空間を安全にする
  • キッチン果物ナイフや包丁といった危ないもの、鍋や食器といった触ってほしくないものを出しっぱなしにせず、こまめに収納スペースにしまう。ゴミ箱は猫が漁れないよう蓋付きのものにする。
  • 洗濯機周り有毒な洗剤を棚にしまう。猫が洗濯機のドラムに入れないよう蓋をする。
  • 浴槽猫が誤って溺れてしまわないよう、湯船のお湯は必ず抜いておく。湯船を抜かない場合は必ず浴槽に蓋をする。
  • 家具スペース猫が引っ掻けないようソファにベッドシーツをかける。家具に近づけないよう観葉植物を置いてブロックする。万が一ベッドを汚されてもいいよう撥水性カバーを掛けておく。
 上記したように、飼い主がちょっと手間をかけるだけで、それまで立入禁止だったエリアも猫が自由に出入りできるオープンエリア変えることができます。
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立ち入り禁止を教える2つの方法

 ほとんどの立ち入り禁止エリアは、飼い主が空間をアレンジすることで猫の侵入を食い止めることができます。しかし長い間生活をともにしているとついつい気が緩み、ドアのロックをかけ忘れるだとか、キッチンにナイフを置きっぱなしにするだとか、お湯の入った浴槽にふたをしないといったアクシデントが必ず起こります。そんな場合、あらかじめ猫の頭の中に「ここに入ってはいけない!」という記憶を作っておけば、仮に飼い主のうっかりがあっても猫の身を守ってくれるかもしれません。
 猫に立入禁止をしつける際は、「立ち入り禁止エリアから出た瞬間にごほうびを与える」と「立ち入り禁止エリアに入った瞬間に罰を与える」という2つのやり方があります。

正の強化

 「立ち入り禁止エリアから出た瞬間にごほうびを与える」という方法は、ある行動を取った直後にごほうびを与えて行動頻度を高める「正の強化」と呼ばれるものです。具体的には、「猫がキッチンからおりた瞬間におやつを与える」とか「猫が風呂場から出た瞬間におやつを与える」といった手順を繰り返すことで、猫の頭の中に「(ある特定エリアに)いない時のほうがいいことがある!」と思い込ませていきます。猫に立入禁止をしつける際は、まずこちらの「正の強化」から試してみてください。近年は猫ががっつくようなとても美味しいペースト状のおやつがたくさん出回っていますので、ごほうびとして使えるのではないでしょうか。 猫に対するごほうびと罰
猫の正の強化
 以下でご紹介するのは、行動の直後にごほうびを与えることで「ある行動を取ったらいいことがある!」と覚え込ませる「正の強化」を行う時の動画です。一般的には「クリッカートレーニング」とも呼ばれます。目標としている行動は「スティックの先を手で触る」、「おすわりする」、「ある特定エリアに入る(出る)」などなんでも構いません。根気よく続ければ、猫でもしっかり覚えてくれるはずです(多分)。 元動画は⇒こちら

正の弱化

 「立ち入り禁止エリアに入った瞬間に罰を与える」という方法は、ある行動を取った直後に罰を与えて行動頻度を低める「正の弱化」と呼ばれる方法です。具体的には、「猫がキッチンに飛び乗った瞬間に罰を与える」とか「猫が風呂場に侵入した瞬間に罰を与える」といった手順を繰り返すことで、猫の頭の中に「(ある特定エリアに)入ろうとすると嫌なことがある!」と思い込ませていきます。
 たくさんあるしつけ方法の中で、この「正の弱化」は猫に対する不快感が強く、できればやりたくないものです。しかし猫の場合、食に対する執着が犬ほど強くなく、また「ほめる」という行動をごほうびとして認識してくれません。さらに猫が立ち入り禁止エリアから離れた瞬間に立ち会うこと自体がそれほど簡単ではありません。「猫の身の安全を守る」という重要な目的もあることから、ここでは選択肢の1つとしてご紹介します。 猫に対するごほうびと罰
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サプライズで猫に立ち入り禁止をしつける

 猫に立ち入り禁止区域を教えるには、猫がエリアに入った瞬間に何らかの罰を与える必要があります。ただしやってはいけないのは人間の体を用いた「体罰」です。猫に対するごほうびと罰でも述べたとおり、「飼い主=自分を痛い目にあわせる人」という刷り込みができてしまうと、この先協調して生活していくことが難しくなってしまいます。

猫に対するサプライズ

 以下では、効果的と思われる猫に対するサプライズを列挙します。ここで言う「サプライズ」とは、猫を驚かせることで行動を強引に中断するような強い刺激のことです。
猫に対するサプライズいろいろ
  • 猫用の忌避剤
  • ガムテープなどべとべとするもの
  • 水鉄砲
  • 急な物音や爆発音
  • 突然上から布が落ちてきて真っ暗闇になる
  • 超音波
 英国内で市販されている猫よけ超音波装置「CATWatch」近年では、猫が嫌がる超音波を出して近づかなくする「猫よけ超音波装置」が市販されています。赤外線センサーが動くものをとらえると、18~23キロヘルツくらいの超音波を発するという仕組みです。主に屋外で使用されますが、室内で使うこともできます。ただしその場合、必要の無いときはこまめにスイッチを切るという配慮が絶対に必要です。さもないと猫にとって余計なストレスになってしまいます。ちなみに人間が不快に感じる17キロヘルツ程度の超音波を出す「モスキート」という装置もあり、たむろされると困る場所などで利用されます。

サプライズを与えるタイミング

 猫をしつける際の注意でも述べたように、猫に最も効果的にサプライズを与える方法は、「立ち入り禁止区域に入った瞬間」です。これ以外のタイミングでサプライズを与えても、猫が行動と不快感の関係性を理解できないため、立ち入り行為が減ることはありません。以下ではサプライズを与えるときの具体例を挙げていきます。
猫へのサプライズとタイミング
  • 食卓の上に乗った猫が食卓の上に乗ったその瞬間、上から石を入れた空き缶が落ちてくる(飼い主が猫に気づかれないように放り投げる)
  • ガリガリと爪を立てた猫がベランダに出ようと窓にガリガリと爪を立てたその瞬間、どこからともなく水鉄砲の水が飛んでくる(飼い主が猫に気づかれないように発射する)
  • 戸棚の上に飛び乗った猫が盗み食いしようと、キャットフードを入れてある戸棚の上に飛び乗ったの瞬間、しこんでおいたガムテープが足の裏にくっつく
  • お風呂場に忍び込もうとした猫が昼寝しようと、お風呂場に忍び込もうとしたその瞬間、上 から布が落ちてきて目の前が真っ暗になる
  • キッチンに近づいた猫がおかずのにおいに惹かれ、キッチンに近づいた瞬間、「猫よけ超音波装置」から不快な超音波が出る
 猫に入ってほしくない場所に応じて、様々な組み合わせがありそうです。繰り返しになりますが、「禁止エリアに入った瞬間」以外のタイミングでサプライズを与えても無意味ですのでご注意ください。また先述したように、猫に不快感を与えてしつける「正の弱化」は最後の最後に行うべきあまり望ましくない方法です。ほとんどのケースは空間をアレンジするで解決可能ですので、まずはそちらから徹底的に試すようにしてください。
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