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カボチャ~安全性と危険性から適正量まで

 キャットフードのラベルに記された「カボチャ」。この原料の成分から安全性と危険性までを詳しく解説します。そもそも猫に与えて大丈夫なのでしょうか?また何のために含まれ、猫の健康にどのような作用があるのでしょうか?

カボチャの成分

 カボチャ(南瓜)はウリ科カボチャ属に属する果菜の総称。人間の食用に栽培されているものとしてはクロダネカボチャ、セイヨウカボチャ、ニホンカボチャ、ペポカボチャなどがあります。また種子は「カボチャの種」という形で人間が食べたり、キャットフードの原料になったりします。 キャットフードの成分として用いられる「カボチャ」

カボチャは安全?危険?

 カボチャを猫に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?以下でご紹介するのはカボチャに関して報告されている安全性もしくは危険性に関する情報です。

ククルビタシン

 ククルビタシン(cucurbitacin)はウリ科植物の果実に含まれるステロイドの一種。非常にたくさんの種類があり、キュウリ、メロン、スイカなどのへたに近い部分に含まれている他、ゴーヤの苦味成分にもなっています。
 少量であれば「苦い!」と言って終わりですが、苦いのを我慢して大量に食べ続けると、胃痙攣、嘔吐、下痢、虚脱といった食中毒に陥る危険もあります。英語圏では「毒カボチャ症候群」(toxic squash syndrome)などとも呼ばれます。 ハロウィンに用いられる装飾用のカボチャにはククルビタシンという神経毒が含まれている  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は2017年10月、ハロウィンで用いられる装飾用のかぼちゃを誤食してククルビタシン中毒に陥る人が多いことから注意喚起を行っています出典資料:食品安全委員会。具体的には、販売店が装飾用のかぼちゃを店頭に陳列する際は食用かぼちゃの近くに置かないこと、および個人でかぼちゃを栽培する場合は、種子や苗の品種が「食用」と明記されたものを使うことなどです。
 キャットフードに含まれているかぼちゃは少量でしょうが、ハロウィンで余った装飾用のカボチャを、もったいないからといっておやつ代わりに与えないでください。

ベータカロテン

 ベータカロテン(βカロチン)は野菜に最も多く含まれている色素の一つ。メロン、マンゴー、カボチャ、パパイヤ、ニンジン、サツマイモなどに豊富に含まれています。また猫を除くほとんどの動物の体内では、ビタミンA(レチノール)を生成する際に用いられます。
 以下はカボチャ各種の可食部100g中に含まれるベータカロテンの含有量です。 日本食品標準成分表
カボチャのβカロテン含有量(μg)
各種カボチャに含まれているベータカロテン含有量一覧表
  • 日本かぼちゃ・生=700
  • 日本かぼちゃ・ゆで=810
  • 西洋かぼちゃ・生=3900
  • 西洋かぼちゃ・ゆで=3900
  • そうめんかぼちゃ・生=49
 JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)基準における一日摂取許容量(ADI)は天然でも人工でも体重1kg当たり0~5mgです。EFSA(欧州食品安全機関)では15mg未満なら問題ないだろうとしています。
 人間においては1日300mg以上を摂取すると、皮膚が黄色~オレンジに変色する「柑皮症」(かんぴしょう)になる可能性があります。上で示した含有量から逆算すると、1,000μgが1mgに相当しますので、西洋カボチャ100gを平らげてようやく3.9mgという計算になるでしょう。
着色料としての利用に関しては「ベータカロテン」(着色料)をご参照ください。