トップ猫の文化猫の浮世絵美術館歌川国芳展たとえ尽の内

たとえ尽の内

 江戸時代に活躍した浮世絵師・歌川国芳の残した猫の登場する作品のうち、たとえ尽の内について写真付きで解説します。

作品の基本情報

  • 作品名たとえ尽の内
  • 制作年代1852年(江戸・嘉永5)
  • 落款一勇斎国芳戯画
  • 板元加賀屋安兵衛
たとえ尽の内のサムネイル写真

作品解説

 「たとえ尽の内」は、猫にまつわる慣用句を絵にした、三枚続きの大判錦絵です。海外のコレクターの手に渡っていたため、長年3枚がそろうことはありませんでしたが、2011年12月17日(土)~2012年2月12日(日)に東京都港区にある「森アーツセンターギャラリー」で開催された「没後150年歌川国芳展」で、3枚そろい踏みの状態が初めて公開され、話題となりました。
 ここでは右端と左端の2枚をご紹介します。以下で猫の慣用句について解説しますが、カッコ内の数字は下に示した図内の数字に対応しています。
たとえ尽の内・慣用句解説図
たとえ尽の内・慣用句解説図
  • 猫に鰹節(1)好物をそばに置くと油断ならないこと
  • 猫を被る(2)本性を隠すこと
  • 猫に小判(3)貴重なもののありがたみが分からないこと
  • 猫の尻へ才槌(4)寸法が合わず、不釣合いないこと
  • 猫も食わない(5)食べ物がとてもまずい
  • 猫が顔を洗うと雨が降る(6)「顔を洗うと客が来る」との説も
  • 猫と庄屋に取らぬはない(7)出されたものは必ずとる
  • 猫に紙袋(8)事態が後退すること