トップ猫の文化猫の浮世絵美術館歌川国芳展二代目市川九蔵のあわしま庄太夫

二代目市川九蔵のあわしま庄太夫

 江戸時代に活躍した浮世絵師・歌川国芳の残した猫の登場する作品のうち、二代目市川九蔵のあわしま庄太夫について写真付きで解説します。

作品の基本情報

  • 作品名二代目市川九蔵のあわしま庄太夫
  • 制作年代1841年(江戸・天保12)
  • 落款一勇斎国芳画
  • 板元山本平吉
二代目市川九蔵のあわしま庄太夫のサムネイル写真

作品解説

 「二代目市川九蔵のあわしま庄太夫」(にだいめいちかわくぞうのあわしましょうだゆう)は、江戸時代に実在した歌舞伎役者「市川九蔵」(いちかわくぞう,1800-1871)の立ち姿を描いた大判錦絵です。九蔵が演じているのは「種花蝶蝶色成秋」(はなにちょういろのできあき)の第五幕、浄瑠璃「乱朝恋山崎」(みだれてけさこいのやまざき)であり、役名は題名にもあるように「あわしま庄太夫」です。
猫のお面の元ネタ?
十二代目市村羽左衛門の与五郎 二代目市川九蔵のあわしま庄太夫  さて、同じく「種花蝶蝶色成秋」を題材とした三枚続きの錦絵「十二代目市村羽左衛門の与五郎 二代目市川九蔵のあわしま庄太夫」(上図)という作品内では、右端に描かれた九蔵が猫の面を付けている姿が確認できます。このことから類推し、国芳作品の上部に並んだ7つの猫面らしきものは、九蔵が上演中に付けていたものだろうと推察されます。