トップ猫カフェ一覧猫カフェにおけるマナーや注意

猫カフェにおけるマナーと注意~禁止行為からいいお店の見分け方まで

 以下では猫カフェで遊ぶ際の一般的なマナーや注意点を列挙します。各店舗には必ずOK行為とNG行為が設けてありますので、お出かけ予定のお店ではどのようなルールが設定されているのかを確認する際の一覧リストとしてご利用下さい。

猫カフェとは?

 猫カフェとは猫を見たり猫と触れ合うことができる飲食店のことです。「看板猫が店内にいる街のたばこ屋」とは違い、経営者は第一種動物取扱業の「展示」という登録をしていなければなりません。このルールは、劣悪な環境下で動物を軟禁する悪質な業者が現れにくくするためのものです。
 2000年代初頭に初めて国内に登場して以来、店舗数は爆発的に増加し、現時点(2018年)でゆうに300を超えています。数の増加に伴って業態も多様化してきましたが、猫のステータスでお店を分類すると、おおよそ以下のようになります。
猫カフェの種類
  • オーソドックス型猫スタッフは譲渡対象でも販売対象でもない
  • 譲渡型里親募集型ともいい、猫スタッフは全て譲渡対象
  • 一部譲渡型猫スタッフの一部が譲渡対象
  • ショーケース型猫スタッフの一部~全部が販売対象
  • 複合型猫のほか金魚、フクロウ、犬といった他の動物もいる
 どのタイプの猫カフェでも共通しているのは、午後8時~10時までの時間帯で1歳を超える成猫を展示する場合は、猫のストレスレベルを高めないため「1日の展示時間が12時間を超えない」、「休息できる設備に自由に移動できる」などの条件を満たさなければならないという点です。
2016年6月1日から施行された「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則の一部を改正する省令等」によって義務化されました。詳しくは猫カフェの夜間展示に関する規制緩和が合法化されるというページで解説してあります!

猫カフェの基本ルール

 猫カフェでは基本的に猫たちにストレスを与えないためのルールが設けられています。逆に設けられていない店舗はモグリです。お店ごとに微妙な違いはありますが、ほとんどの店で共通している部分を抜き出すと、おおよそ以下のようになります。
猫カフェのルール
  • ペット同伴では入店しない
  • 酔った状態では行かない
  • 猫アレルギーの人は医師の指導を受けてから
  • 猫を無理やり抱っこしない
  • 許可されている以外のえさや飲み物を猫に与えない
  • 食事中の猫には触らない
  • 特定の猫を独り占めしない
  • 写真撮影はフラッシュやライトを用いない
  • 猫に触る前は手をアルコール消毒する
  • 寝ている猫を強引に起こさない
  • 引っかかれたり咬まれたりした時は、自己責任で
  • 大声を出さない
  • 猫を追いかけない
  • 店内禁煙
  • 小学生の入店は店に事前確認する
  • 食べ物や飲み物の持ち込みは、店に事前確認する
  • おもちゃの持ち込みは店に確認してから
料金制度に関しては、「時間制」(1時間1,000円など)、「入場料金制」(入場料を払ったらあとは自由)、「マストオーダー制」(入場料+1オーダー)などがあります。詳しくは各店舗にご確認ください。

猫に好かれるコツ

 猫カフェに行って、猫スタッフと仲良くなりたいとき、以下に述べるようなコツに注意すれば、少なくとも嫌われることは無いでしょう。
 まず、1988年にTurnerらが行った観察では、「成人男性、成人女性、女児、男児に対する猫の行動を比較検討したところ、成人女性が最も猫に好かれる」という結果が出ています。成人女性の特徴は、「目線を猫の高さまで下げる」、「優しい声でよく話しかける」、「1メートル以上距離を置く」というものでした。逆に、成人男性の「座った状態で触れ合おうとする」や男児の「しつこく追い掛け回す」という行為はあまり好まれなかったとのこと。こうしたデータから見えてくる「猫に好かれるコツ」をまとめると、以下のようになります。
猫に好かれるコツ
猫の好かれるコツは、猫目線で接すること。しつこく追い回すと逆に嫌われてしまう。
  • 急な動きや上に覆いかぶさる威圧的な動きを避け、猫の目線になる
  • 無理に追い掛け回さず、猫が安心できる距離を保つ
  • 低い声や大きな声を避け、高めの声で優しく話しかける
 さらに、猫が嫌がるような匂いのきつい香水を避けたり、頭や首など、自分ではグルーミングしにくい場所をゆっくりなでてあげると、より一層猫に好かれるでしょう。なお、猫の好きなものや嫌いなものについて更に知りたい方は、以下のページをご参照ください。 猫の好き嫌い 猫と遊ぶ  また、1991年に行われた、158人の猫の飼い主を対象にした研究では、以下に述べる3つの事実が明らかになっています(Turner, 1991)。
猫との接触時間
猫は、自分から近づく分には構わないが、
  • 人間の方から猫にコンタクトすると、接触時間は短くなる
  • 猫の方から人間にコンタクトをすると、接触時間は長くなる
  • 猫の求めに応じて相手になった回数が多いほど、人と猫は親密になる
 こうした事実の中にも、猫に好かれるための大事なヒントが隠されています。簡単に言うと、猫と仲良くなりたいときは、無理強いせず、向こうから近づいてくるのを待つということです。
猫を追い掛け回す子供が猫に嫌われ、なるべく目をあわさないようにする猫嫌いの人が、なぜか猫に好かれるという話を、たびたび耳にします。これらの話は、上記した猫の習性を理解していれば、すんなりと納得できますね。猫の心理に関しては猫の好き嫌い猫の欲求でも詳しく解説してあります!

いい猫カフェ・悪い猫カフェ

 東京都は2016年4月、10回以上の立ち入り検査や改善勧告にもかかわらず、劣悪な営業環境を改めようとしなかった墨田区の猫カフェに対して全国初となる業務停止命令を下しました。そのきっかけになったのは訪れた客からの通報です。上記したような劣悪店舗をこれ以上増やさないためには、訪れた人それぞれが覆面審査官として猫カフェの運営状況をモニタリングしておかなければならないでしょう。
 環境省では、展示動物の飼養及び保管に関する基準、および展示動物の飼養及び保管に関する基準の解説により、「触れ合い動物」の管理方法について定めています。「触れ合い動物」とは、興行や客寄せを目的として飼われている動物のことで、猫カフェの猫もこれに該当します。以下では、「展示動物の飼養及び保管に関する基準」の中から重要と思われる部分だけを抜粋しました。もし、項目を十分に満たしていない店舗があった場合、残念ながら、あまり良いお店ではないということになります。

動物の管理について

  • 適切に給餌・給水を行うこと
  • 健康管理に努めること
  • 社会性を持つ動物は群れでの飼養すること
  • 多頭飼育する場合は組み合わせに留意すること
  • 病気や怪我をした動物は隔離すること
 悪い猫カフェは、猫の病気や怪我に気づかずに放置してしまうようなところです。また、仲が悪い猫を、一つ屋根の下に押し込むことも、あまり感心しません。
2018年7月には、子猫に対する感染力と致死性が極めて高いネコパルボウイルスが発覚したにもかかわらず営業を続行するというとんでもない事件が起こりました!
 「猫カフェMoCHA」を運営する株式会社ケイアイコーポレーションがとったこのような行動は、店舗内の猫のみならず、訪問客が飼育している不特定多数のペット猫の生命を危険に陥れる極めて卑劣な行為です。というわけで、この会社の系列店は当サイト内に一切掲載していませんのでご了承ください。
集団生活と猫のストレス  2003年、Ottwayらが行った研究によると、見知らぬ猫と一緒の空間に閉じ込められた猫は、強いトレスを感じているようです。 親しくない猫と空間を共有することは、猫にとって大変なストレスになる  観察の対象となったのは72匹の猫。その内36匹は、お互いに区切られた空間に入れられ、残りの36匹は見知らぬ猫と共同の空間に入れられました。その結果、区切られた空間で過ごした猫のストレスレベルがおよそ2(ほとんどストレスなし)だったのに対し、空間を共有していた猫のそれは4(緊張した状態)にまで達したといいます。
 こうしたことから、猫はあまり親しくない他の猫と空間を共有することが苦手なようです。人間で言うと「人ごみ嫌い」に近い感覚かもしれません。見知らぬ猫同志を狭い空間にぎゅうぎゅう詰めにしているようなカフェは、改善の余地があるでしょう。 Cat housing in rescue shelters

施設の構造について

  • 日常的な動作を容易に行うための十分な広さと空間を備えること
  • 隠れ場、遊び場等の設備を備えた豊かな環境を整えること
  • 適切な排泄場を設けること
  • 温度管理や換気をしっかり行うこと
  • 適度な採光をすること
  • 風雨を遮る設備を整えること
  • 床、内壁、天井などは、全て清掃が行き届いていること
  • 動物が怪我をしないよう、突起物、穴、くぼみ、斜面等の危険箇所を排除すること
  • 施設は、動物が逃げ出さないような構造や強度にすること
 悪い猫カフェは、動物のストレスを考慮せず、隠れ場を設置しないようなところです。隠れ場を撤去することでお客さんとの接点は増えますが、それと同時に猫のストレスも増えてしまいます。
 しっかりと去勢・避妊手術を施していない猫の場合、室内でスプレーをしてしまう確率が増えます。結果として独特の刺激臭が室内に漂い、不潔な印象を与えてしまうでしょう。
 「猫が逃げ出してしまいますので、ドアはすばやく閉めてください」という店舗は、その時点で構造に欠陥があるのではないでしょうか。万が一猫が逃げ出したとき、一体どう対応するのでしょう。
隠れ家の重要性  2007年、イギリスの「Universities Federation for Animal Welfare」が行った調査では、猫にとって「隠れる」という行動が、ストレス軽減に役立っていることが明らかになりました。 猫にとっての隠れ家は、ストレスを軽減するために必要なスペース  調査対象となった43匹の猫たちは、「身をすっぽりと隠せる箱を与えられたグループ」と「囲いの無いベッドのみを与えられたグループ」とに分けられました。そして最初の5日間と14日目に「ストレススコア」が記録され、両グループ間で比較が行われました。
 その結果、隠れることのできるグループでは、大幅なストレスの軽減が見られ、さらに人間に対して積極的に近づいたり、リラックスした姿を見せる傾向があったとのこと。
 こうした観察結果から、猫にとって「隠れる」という行動が、非常に重要な意味を持っていることがうかがえます。近年猫カフェが乱立していますが、果たしてちゃんとした隠れ家は設置されているでしょうか? The effect of hiding enrichment

管理者の基本的な責務

  • 動物の生態や習性について熟知していること
  • 災害時の対応をあらかじめ決めておくこと
  • 人獣共通感染症について熟知するよう努めること
  • 動物にはマイクロチップなどを装着し、逃げ出したときのトレーサビリティを明確にすること
  • 廃業する際は、動物をむやみに殺処分しないこと
 悪い猫カフェは、猫の生態をよく理解していないようなところです。猫には好き嫌いがあり、また様々な欲求を抱えて生きています。こうした知識がないと、猫のストレスに気づくのはなかなか難しいでしょう。
 また、毎年たくさんの猫カフェが新規オープンしている一方、かなりの数の猫カフェが廃業しています。行き場を失った猫たちの処分を行政に丸投げするようなところは、もってのほかです。

動物の展示方法について

  • 障害を持つ動物を展示する際は、残酷な印象を与えないよう考慮すること
  • 動物の姿や習性を損なうような施術、着色、拘束等はしないこと
  • 管理者は、観覧者が動物を傷つけたり驚かしたりしないよう監督すること
  • 人と動物が接する場においては、管理者がしっかりと監督すること
  • 人に危害を加える恐れのある動物をむやみに展示しないこと
  • 動物に適度な休息を与えること
 悪い猫カフェは、猫がどのように扱われているかを、あまり見ないようなところです。猫カフェに来る人の全てが猫好きとは限りません。友人に誘われてしぶしぶやってくる人だっています。そうした人は、猫との接し方を知らないがために、猫を驚かせたり怖がらせたりすることもあるでしょう。そんなときに管理者が適切な対応をしなかったら、猫にトラウマが残り、人間嫌いになってしまいます。