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猫のトイレのしつけ・完全ガイド~選び方から置き場所まで

 猫にとって理想的なトイレとはどのようなものなのでしょうか?また排泄場所をすばやく覚えさせるにはどうしたらよいのでしょうか?最新科学に基づいたデータと共に詳しく解説します。なお猫の粗相やマーキングに関しては「トイレの失敗・おしっこ編」を、うんちをトイレ以外の場所でしてしまうという場合は「トイレの失敗・うんち編」ご参照ください。

猫のトイレの習性

 猫のトイレのしつけは、犬のそれと比べると比較的簡単です。なぜなら、猫の遺伝子には「砂の上におしっこやうんちをする」という行動様式が刻み込まれており、 一度トイレの場所を覚えてしまえば、後は勝手にそこを自分専用のトイレとして認識してくれるからです。 砂の上に排泄する行動は猫の遺伝子に刻み込まれたハードワイヤなもの  公園の砂場で遊んでいたら、いつのまにか猫の糞が手についていたという経験がある人もいることでしょう。これはおそらく野良猫の仕業ですが、猫が「砂場=トイレ」と認識していることのわかりやすい例です。
 こうした猫の習性を考えると、トイレのしつけで重要なのは繰り返しトイレの場所を教え込むことよりも、猫にとって快適な砂場をセッティングしてあげることになります。
砂さえがあれば猫たちは勝手に排泄してくれます。ではどのようなトレーや猫砂が最も好まれるのでしょうか?最新の科学的データと共に詳しく見ていきましょう!
NEXT:理想のトイレとは?

猫用トイレの選び方

 以下では、猫の排泄物を受け止める「猫砂」、および猫砂を入れる「トイレトレー」、そしてトイレを置く理想的な場所などについて解説します。

トイレの理想的な場所

猫は静かで落ち着きのある場所で排泄することを好む  猫にとっての理想のトイレとは、人間の好みとおおよそ同じで、人通りが少なくて食事の場所からは遠くにあることです。それで風通しがよければなお良いでしょう。また猫は綺麗好きですので、トイレが汚いままだと排尿・排便を拒否し、全く違う場所で粗相をしてしまうということもあります。猫のトイレは常に清潔に保ってあげることも大事です。
猫にとって快適なトイレ
  • 人通りが少ない
  • 食卓から遠い
  • 風通しがよい
  • 常に清潔
 なお「人目につかないところ」が理想といっても、排尿排便している際のちょっとした変化が猫の病気を示すこともあります。飼い主は「猫のおしっこの異常」、および「猫のウンチの異常」を参考にしながら、猫が排泄している姿や、出した排泄物を日頃から観察するようにします。

猫に最適なトイレトレー

 猫砂を入れるトイレトレーの代表的な種類は以下です。選ぶ際は、猫の好みのほか、飼い主の側のメンテナンスのしやすさなどを考慮します。なお、トイレの特徴に関する詳しい解説と具体的な商品は以下のページもご参照ください。 猫トイレの種類いろいろ
猫用トレイの種類一覧
猫用トイレの種類いろいろ
  • 箱型トイレ箱型トイレとは底が浅く四角い箱のことで、もっともシンプルなものです。メリットは、安くて水洗いがしやすい点。デメリットは、ヘリが低いため砂がこぼれやすいという点です。
  • ハーフドーム型猫トイレハーフドーム型とは、トイレのヘリに壁が取り付けられいるタイプです。メリットは、猫が砂を引っかいても外に飛び散らない点です。箱型に比べると価格は若干高めになります。
  • ドーム型猫トイレドーム型とはトレイの上にフルカバーが取り付けられたタイプです。メリットは、猫が安心して用を足せる点と、砂が飛び散らないという点です。
  • 砂落とし型トイレ砂落とし型とは、「システムトイレ」などとも呼ばれ、特殊な猫砂が尿を吸収し、すのこ状トレイを通過して下にたまるというものです。長いものだと取替え無しで2週間ほど連続して使用できます。しかしうんちの処理は別途必要です。
 どのトイレを選ぶにしても、猫が1日何回トイレに行き、どの程度おしっこを出したのかはこまめに記録しておいた方がよいでしょう。例えば、紙に日付を書き込み、「正」の字でおしっこの回数を書き込んでいくなどです。こうした記録があると、「おしっこの量が少ない」とか「おしっこをしたはずなのに痕跡がない」といった泌尿器系の異常や変化に気づきやすくなります。表計算ソフトを用いて、月ごとの平均排尿回数を割り出すのも有意義でしょう。最後に挙げた「砂落とし型トイレ」(システムトイレ)は、うっかりすると猫の排尿の変化に気づかないことがありますので特に要注意です。 飼い主は病気のサインが現れる猫のおしっこを見過ごしている
ちなみに2014年、カナダのアトランティック獣医大学が行った調査によると、猫は大きめのトイレを好むようです。どういうことなのでしょうか?
 調査は、43の家庭における74匹の猫を対象に行われました。猫の性別、品種、年齢はバラバラです。猫が使うトイレは、部屋の中で対角線上に位置するよう両端に置かれました。一方は50cm×50cm程度のレギュラーサイズで、他方は86cm×86cmの特大サイズです。トイレの位置を入れ替えて合計4週間観察した結果、おしっこにしてもうんちにしても、特大サイズのトイレの方(合計5,031回)が、レギュラーサイズ(合計3,239回)よりも好まれる傾向にあったとのこと出典資料:Guy, 2014猫は大きなトイレの方を好む傾向にある  このことから、スペース的に許されるのであれば、なるべく大き目のトイレを用意してあげた方が、猫は安心して用を足せるという可能性が示されました。また2019年にフランスで行われた別の調査でも、やはり「大きめでカバー付きのトイレを好む」という同じような傾向が確認されています。ただし猫には必ず好みというものがあります。「オープン型 vs ドーム型」、「大型 vs 小型」など、いろいろなタイプを試してみることも重要です。 猫はカバー付きの広いトイレがお好き?

飼い主の都合に合わせた猫砂選び

 猫の排泄物を受け止める「猫砂」には様々なものがあり、目移りしてしまいます。以下では、飼い主の都合に合わせた猫砂の選び方について解説します。なお、猫砂の素材に関する詳しい解説と具体的な商品は以下のページもご参照ください。 猫砂の種類いろいろ 猫砂に用いられるベントナイトの危険性
飼い主が主体の猫砂選び
  • 不燃ごみで捨てたいゼオライト、ベントナイト、シリカゲルなど。自治体によって不燃・可燃の分類が違うこともあるので、要確認。
  • 可燃ごみで捨てたいパルプ、おから、お茶がら、コーヒー豆の出がらしなど。人間の生活ごみと合わせて捨てられるので、比較的こまめに捨てられる。
  • トイレに流したいパルプ、おからなど。一度に大量に流すとトイレ詰まりの原因になることも。
  • 土に還したいおから、木粉、木屑など。庭を持っている家庭に限る。ごみとして出す場合は主として可燃ごみ扱いとなる。
  • 再利用したいゼオライト、木粉など。洗うことによって再利用可能。経済的だが飼い主の手間が増える。不燃ごみ扱い。
 ちなみにアメリカの一部には「猫砂が自然発火した」という都市伝説があります。猫砂が自然に燃えることも、おしっこが自然に燃えることもありません。しかし、可燃性の猫砂と一緒にある種の廃棄物を捨ててしまうと、低い確率で自然発火を起こすことが確認されています。詳しくは「猫砂が自然発火する」をご参照ください。

猫の好み合わせた猫砂選び

猫の好みに合わせて自由にトイレを選ばせるのがトイレカフェテリア  飼い主の都合に合わせた猫砂選びがある一方、猫の好みを優先した選び方もあります。具体的にはトイレカフェテリアという方法です。
 これは、人間がカフェテリアにおいて、数あるメニューの中から自分の好きなメニューを1つだけ選ぶのと同じように、猫に猫砂を選ばせるというものです。原材料の違う5種類くらいのトイレを設置し、猫がどれを選ぶのかを観察するというのが最もわかりやすいでしょう。
 しかし、トイレを5つも置くスペースが無いという場合もあります。そうした場合は、トイレトレーの中に、2~3日周期で違った原材料を入れていくという手法でやってみましょう。 トイレに対する猫の「食いつき」を良く観察して、どれが猫の一番の好みなのかを把握し、猫にとって最も快適なトイレを決定します。
 参考までに、過去の調査で明らかになった猫に好まれやすい猫砂の特徴を以下に記しておきます。好まれる確率が高いものからスタートすれば、時間とお金を節約できるでしょう。 猫砂の種類いろいろ
猫が好みやすい猫砂
  • 猫砂の材質15種類の異なるタイプの猫砂を試したところ、粒子が細かくて固まるタイプを好む傾向があった(Borchelt, 1991)とか、シリカゲルの猫砂より固まるタイプの猫砂を好む傾向があった(Neilson, 2001)という報告がありますので、固まるタイプの猫砂から試してみるのがよいでしょう。
  • 猫砂の臭い匂いによる選好はない(Sung and Crowell-Davis, 2006)という報告から、匂いつきの猫砂は嫌われる可能性がある(Horwitz, 1997)、臭いがない方がよい(Cottam and Dodman, 2007)という報告まで様々です。しかしどの調査でも「匂いつきの猫砂を好んだ」という報告はありませんので、無臭の猫砂を優先的に選んだほうが無難だと思われます。

猫が出す不満サイン

 トイレや猫砂のセッティングをした後、猫が気に入ってくれたかどうかを一体どのように判定すればよいのでしょうか?アメリカ・ミズーリ州にある「Nestle Purina PetCare」のチームが行った調査によると、猫がトイレに不満を抱いているときの特徴として、以下のような項目が見られたといいます。 トイレに不満を抱いている猫が発するサインは?
猫のトイレ不満サイン
  • なかなかトイレに入ろうとしない
  • 体勢を決めるまでに時間がかかる
  • 片方の前足を外に出す
  • 排尿回数が少なく排尿時間が長い
  • 使用後、排泄物の匂いを嗅ぐ時間が長い
  • 使用後、トイレの壁をシャカシャカこする
  • 使用後、何度もトイレに戻る
  • 開始から終了までのトータル時間が長い
 トイレに対して何らかの不満があると、匂いをクンクン嗅いだりぐるぐると体勢を変えたりする時間が増え、全体的に長居する傾向が生まれるようです。
飼い主としては上記したような不満のサインに目を配り、猫がスッと入ってスッと出て来るような理想的なトイレを構築する必要があります。
NEXT:トイレの教え方は?

猫にトイレを教える

 部屋の中に猫のトイレを設置したら、今度は猫にその場所を教えます。

先住猫がいる場合

先住猫がいる場合のトイレのしつけは、まずお手本を示すこと  猫には、他の猫の姿を見て新しい行動を覚えるという「模倣学習能力」があります。ですから先住猫がいる場合は、「先輩が排泄している姿を事前に見学させる」という方法が効果的です。
 1969年に行われた実験では、子猫を対象として「ライトがついたらレバーを押す」という行動を、どの程度早く習得するかが観察されました。観察グループは、「前もって母猫の正解動作を見る」、「前もって見知らぬ猫の正解動作を見る」、「正解を見せず自力で解決させる」の3つです。結果は以下。 The Behaviour of the domestic cat 子猫の模倣学習能力は、母猫の手本を見たとき、最も高まる  他の猫を見なかった子猫が、いつまでたっても正解にたどり着けない一方、あらかじめ正解動作を見せられていた方の子猫たちは、一様に高い学習能力を示しました。このように、猫には他の猫の行動を真似して自分のものとする模倣能力があり、とりわけ母猫がお手本となったとき、学習能力が高まるという事実が明らかになりました。
 ですから家庭内に母猫がいる場合は、母猫がトイレを使う姿をあらかじめ見せておくと、子猫のトイレのしつけがスムーズに進みます。もし野良猫を拾ってきた場合は、母猫の代わりに先住猫をお手本役にすると効果があるでしょう。

先住猫がいない場合

猫にトイレの場所を教える際は、猫が見せるトイレサインを見逃さないようにすること  先住猫がいなかったり、上記した「模倣学習」がうまくいかないような場合は、飼い主が猫にトイレの位置を覚えさせます。その際に重要なのは、トイレサインを見逃さないことです。トイレサインとは、猫がトイレに行きたいときに見せる特徴的な前兆のことで、特に寝起きや食事の後で多く観察されます。飼い主はトイレサインに注意を払い、見つけた瞬間、猫を適切な場所へと誘導します。
猫のトイレサイン
  • 床の匂いをくんくんかぐ
  • キョロキョロしながらうろうろする
  • お尻をむずむずさせる
  • 床を引っかく
せっかくトイレを用意しても、汚いまま放置しているとそのうち使ってくれなくなります。掃除の仕方も知っておきましょう。
NEXT:トイレ掃除の仕方

猫のトイレを掃除する

 猫を飼育放棄するときの理由として非常に多いのは「猫がトイレ以外の場所でおしっこやうんちをしてしまう」というものです。こうした最悪の事態を避けるためには、使用しているトイレや猫砂の種類にかかわらず、猫がトイレを使うたびに掃除してきれいにしてあげる必要があります。

トイレの使用痕跡を消す

 猫に気持ちよくトイレを使ってもらうためには、トイレの使用痕跡をきれいに掃除する必要があります。おしっこの場合は砂の変色した部分や固まった部分、うんちの場合は「ブツ」そのものを速やかに取り除いてあげましょう。システムトイレを使用している家庭においてはこまめなチェックが疎(おろそ)かになりがちですので要注意です。 猫のおしっこやウンチの痕跡は可能な限り速やかに取り除いてあげること  トイレ掃除の重要性は、2017年にアメリカ・ミズーリ州にある「Nestle Purina PetCare」が行った調査で示されています。調査チームは同社の研究施設で飼育されている猫(1歳~12歳・全て不妊手術済の雑種)を対象とし、トイレ以外の場所で排泄行為を行う粗相が、一体どういう条件下にあるとき最も発生しやすくなるのかを検証しました。 その結果、猫がトイレの使用を忌避する時の条件が明らかになったといいます。具体的には以下です。
猫のトイレ選好条件
  • 親しい猫の排泄臭があろうとなかろうとトイレの使用率はそれほど変わらない
  • たとえ排泄臭がなくても排泄の痕跡があると使用率は低下する
  • 痕跡の数が多ければ多いほど使用率は低下する
  • うんちよりもおしっこの痕跡の方が使用率は低下する
 最も使用率が高いのは「使用した痕跡が全くない無臭のトイレ」(おしっこ90%超 | うんち70%超)、逆に最も使用率が低いのは「あちこちにうんちとおしっこの痕跡があるトイレ」(おしっこ30%程度 | うんち10%未満)であることがわかりました。猫がトイレの使用を拒絶する理由は臭いよりも汚れ  上記した実験から見えてくるのは、猫は使った痕跡が残されているトイレをあまり使いたがらないという可能性です。この知識があれば、猫に気持ちよくトイレを使ってもらうためには、おしっこやうんちをするたびに使用痕跡を取り除いてきれいに掃除してあげることが大事であるとお分かりいただけるでしょう。

トイレの臭いを消す

 猫に気持ちよくトイレを使ってもらうためには、トイレの臭いを消す必要があります。
 トイレの臭い消しの重要性は、2017年に日本の岩手大学農学部が行った調査で示されています。調査チームはオス猫(未去勢)のおしっこから抽出した成分が他の猫に対して及ぼす影響力を調べるため、全く別の成分(クロロフォルム)を用いた比較実験を行いました。その結果、実験室内においても屋外においても、他の猫が出した尿からの抽出成分が置かれている場所に惹きつけられてクンクンと臭いは嗅ぐものの、ただの一度もその近くでおしっこやうんちはしなかったといいます。 オス猫の尿臭は「猫よけ」として他の猫の排泄行為を抑止する  この実験から見えてくるのは、猫は他の猫のおしっこがある場所では排泄をしたがらないという可能性です。トイレの数は「猫の数+1」という古くからの言い伝えがありますが、上記した知見から考えると確かに当たっている部分があります。例えば猫が3頭いるのにトイレが2つしかない場合、どうしてもトイレを共有しなければなりません。トイレを共有している猫からすると「このトイレには自分以外のおしっこ臭がついている!」と感じて、そのトイレを避けてしまう危険性があります。

こまめな拭き掃除

 猫トイレの接合部分にはおしっこが入り込みやすいトイレの臭い取りの基本はこまめな拭き掃除です。猫がおしっこをするたびにトイレをチェックし、猫砂以外の部分に飛び散ったおしっこがあれば拭き取ってあげましょう。ハーフドームやドーム型の場合、壁の部分におしっこがかかっていることが多くあります。またカバー付きのタイプでは、本体とカバーの隙間部分におしっこが染み込み、なかなか気づかないことがあります。猫の鼻にかかれば一発でばれてしまいますので、最低でも1日に1回はカバーを外し、接合部分を拭き掃除してあげましょう。
 拭き掃除をする際はウエットティッシュを用います。除菌消臭剤を用いることもできますが、薬品臭自体を猫が嫌ってしまう可能性があるため、必ず猫のリアクションを見ながら使うよう注意します。また理想を言えば、週に1度くらいは水洗いしたいところです。庭がある家庭ではホースで水洗い、ない家庭では熱湯を入れてとりわけ汚れやすい部分を消毒するなどの方法があります。

こびりつきを取る

 トイレの掃除を怠っていると、トイレの壁や隙間でおしっこが結晶化し、取れなくなってしまうことがあります。買い換えるのがベストですが、なんとかして取りたいという場合は目の細かい紙やすりで表面を削り取ってしまうのが最速です。やすりをかけた部分は顕微鏡で見るとデコボコしておしっこが染み込みやすくなっていますので、以後はこまめに拭き掃除してあげることで対応します。 猫トイレの壁で結晶化したおしっこ  重曹やクエン酸を用いて結晶を分解するという方法もありますが、ティッシュやキッチンペーパーに染み込ませた溶液で結晶をふやかしている半日~24時間はトイレが使用できなくなりますので予備のトイレが必要となるでしょう。予備のトイレがあるのならば、無理して汚いトイレを使うのではなく、もう新しい方を使えばよいと思いますが…。
猫のトイレの様子、頻度、滞在時間、排泄物の状態は、病気を早期発見するため常にモニターしてあげてください。「ニャー!」と呼ばれたら付き添ってあげましょう。
NEXT:猫のトイレQ & A集

猫のトイレQ & A

 以下は猫のトイレについてよく聞かれる疑問や質問の一覧リストです。思い当たるものがあったら読んでみてください。何かしら解決のヒントがあるはずです。

猫を放し飼いにしてよい?

絶対にダメです!

 放し飼いのデメリットは多々ありますが、公共の場や他人の私有地を糞尿で汚すというのがその一つです。
 2018年、東京都福祉保健局が「東京都における犬及び猫の飼育実態調査の概要(PDF)の平成29年度版を公開しました。都内に暮らす人1,867人を対象として猫に関するアンケート調査を行った所、63.5%もの人(1,186人)が猫による迷惑行為を被ったと回答しています。具体的な内訳は以下です(※複数回答あり)
猫による迷惑行為(1,186人)
東京都民を対象として行われたアンケート調査中「猫による迷惑行為」の内訳グラフ
  • うんち=74.2%
  • おしっこ=49.2%
  • 鳴き声=35.1%
  • 庭・ゴミ荒らし=33.7%
  • 悪臭=22.2%
 「うんち」と「おしっこ」による迷惑行為が、かなりの割合を占めていることがおわかりいただけるでしょう。こうしたトラブルがあることからも、猫を放し飼いにして屋外をトイレ代わりにすることは絶対にダメです。 猫をどこで飼うか?

猫が変な声でトイレに呼びつけます

可能な限り付き添ってあげましょう。

 猫がトイレの近くで飼い主の方を見ながら、普段とは違う変な声で「ニャー!」と叫ぶのは「ちょっと見張りを頼む」という意味ですので、可能な限り付き添ってあげましょう。
 排泄行為中は無防備な体勢で動きを止めなければなりませんので、野生環境においては外敵から襲われる危険性が高まってしまいます。このことを本能的に知っている猫は、信頼のおける味方を見張りに立たせることで、なるべく安心した状態で排泄を終わらせようとします。それがトイレに行く前の呼び出しです。
 見られていないとしないというのはやっかいですが、トイレに安心感があれば無理に我慢して膀胱炎になるリスクも下がりますので、できるかぎり付き添ってあげましょう。

トイレの平均回数は?

猫によりけりです。

 1981年にPannamanが行った調査では、おしっこの平均回数は1日2.3回、ウンチの平均回数は3.2回くらいという結果が出ています。ただしウンチに関しては、栄養が凝縮されているエサを食べている猫で少なくなる傾向があるとのこと。例えば、栄養価の高いキャットフードを食べている猫は、1日1回するかどうかまで減少するといいます。
 別の調査では、ドライフードによってケージ内で飼育されている猫の1日の排尿回数が2.66~2.69回、食事内容が統一されていないケージ内飼育の猫における1日の排尿回数が2.4~3.0回だったと報告されています。ですからおしっこに関しては1日2~3回が標準的な頻度ということになるでしょう。
 トイレの平均回数に関しては個体差がありますので、他の猫と自分のペット猫を比較するよりも、日頃からおしっことうんちの頻度をチェックし、過去のデータと比べて増減がないかどうかを比較した方がよいと思います。

自動トイレには何ができる?

飼い主の掃除の手間を省いてくれます。

 「自動トイレ」とは、猫がおしっこやうんちをした後、トイレに備え付けられたモーターが作動し、自動的に排泄物を処理してくれるというもの。熊手で枯葉を集めるようなタイプ、地球儀のようにぐるぐる回転するタイプ、人間用トイレの横に置いて使う水洗タイプなど、非常にたくさんの種類があります。
 しかしどのタイプを使うにしても致命的なデメリットがあります。それは猫が排泄している様子や排泄物の状態を飼い主が確認できないという点です。猫の泌尿器系の病気はトイレの滞在時間、排泄時の猫の姿勢、おしっこの色、うんちの硬さといったものに現れます。自動トイレを使うと排泄物を処理する手間は省けるでしょうが、上記したような重要な手がかりごとゴミ箱に捨てることになってしまいます。
 自動トイレは猫に数日間留守番してもらう時には便利でしょう。しかし日常的に使うトイレとしてはおすすめできません

スマートトイレには何ができる?

泌尿器系の病気を早期発見できるかもしれません。

 「スマートトイレ」とは、トイレに取り付けられたハイテクセンサーが猫の状態や排泄物をモニターし、その情報をインターネット経由で飼い主に送るというもの。物と人とが情報のやり取りをする「IoT」(Internet of Things, アイオーティー)技術の進歩に伴って登場した最新式のトイレです。
 スマートトイレは通常の自動トイレとは違い、高感度センサーによって猫の体重、尿量、排尿回数、滞在時間、トイレ周辺の温度をモニタリングしてくれますので、排泄行為の微妙な変化にいち早く気づくことができるでしょう。これは泌尿器系の病気を予防する上で重要です。詳しくは以下のページでも解説してありますのでご参照ください。 IoT時代の猫用スマートトイレ

猫砂を食べようとします

おから素材のものは食べ物と勘違いされることがあります。

 「おから」とは大豆から豆乳を搾り取った後に残る搾りかすのことです。猫砂の素材にこの「おから」が使われている場合、たびたび食べ物と勘違いされます。ただ単にかじるだけでなく、噛み砕いて飲み込んでしまうような場合は健康上の問題もありますので、別の素材に取り替えた方が安全でしょう。また鉱物系の猫砂として広く用いられているベントナイトを大量に食べると低カリウム血症、倦怠感、筋力の低下などの症状が引き起こされることがありますので要注意です。 猫砂に用いられるベントナイトの危険性

人間用の便器を使わせて良い?

それは危険です。

 動画共有サイトなどでは人間用の便器を器用に使う猫の動画がたくさん投稿されています。しかし猫に人間用のトイレを使わせることは望ましくありません。 猫に人間用の水洗トイレを使わせてはいけない  まず第1に、猫が足を滑らせて便器の中に落下してしまう危険性があります。第2に、災害時に避難を余儀なくされた時、猫用のトイレでスムーズに排泄できなくなってしまいます。第3に、猫が年老いて足腰が弱った時、便器に登れなくなってしまいます。その結果、粗相してしまう機会が増えるでしょう。
 上記した様々なデメリットがありますので、猫に人間用の便器を使わせることは望ましくありません。当然、和式トイレもNGです。

猫がトイレに引きこもります

ちゃんとした隠れ家を用意してあげましょう。

 猫がトイレに引きこもったまま出てこなかったりトイレの中で寝る理由は、部屋の中にちゃんとした隠れ家が用意されていないからです。トイレ以外の引きこもり場所としてはエアコンの上、洗濯機のドラムの中、 炊飯器の中といったバリエーションがあります。
 いずれにしても部屋の中に猫が安心できるような秘密基地を設けてあげれば自然とそちらを使うようになります。詳しい設置方法は以下のページをご参照ください。 猫が喜ぶ部屋の作り方

妊婦がトイレ掃除してよい?

猫が室内飼いで生肉を食べていない場合は大丈夫です。

 猫の排泄物で問題となるのは「トキソプラズマ」と呼ばれる原虫です。ネコ科動物を終宿主とするこの寄生虫は、猫が初感染してから数日~2週間というかなり限定的な期間だけ、「オーシスト」と呼ばれる特殊な形態で糞便中に排出されます。さらに体外に排出されたオーシストが感染能力を獲得するには24時間が必要となります。
 もし猫が完全室内飼いで、生肉を食べるという習慣がない場合、そもそもトキソプラズマに感染するルート自体がありませんので、糞便中にオーシストが排出される可能性はほぼゼロです。妊婦にとって猫よりも危険なのは、屋外で土いじりをしたり生肉を食べるという行為ですので、そちらに気を配るようにしましょう。より詳しい注意点や予防法は以下のページで解説してあります。 赤ちゃんと猫は同居して大丈夫?

あちこちに猫砂があるのはなぜ?

足の指に挟まった「流浪の猫砂」です。

 部屋のあちこちに散らばる流浪の猫砂猫と一緒に暮らしていると、部屋の隅や人間用トイレの中など、信じられないような場所に砂粒が落ちていることがあります。このミステリーの謎は単純で、猫の指の間に挟まった砂が移動に伴って落ちたというものです。
 こうした「流浪の猫砂」は、猫トイレの出入り口に「砂取りマット」と呼ばれるものを置くことで減らせることがあります。挟まった砂粒をあらかじめ取ってくれるという面白いアイテムです。砂取りマットいろいろ
トイレをきれいに掃除しているにも関わらず猫が粗相をしてしまうという場合は、全く別のところに原因がある可能性が大です。原因はいろいろありますので、「トイレの失敗・おしっこ編」や「トイレの失敗・うんち編」を参考にしながら対処してください。