トップ猫のしつけ方猫のトイレの失敗・おしっこ編

猫のトイレの失敗・おしっこ編

 猫がトイレ以外の場所でおしっこをしてしまった場合、トイレに行こうとしたけれども我慢できずに途中で漏らしたのか、トイレを自らの意思で避けたのか、それともわざわざトイレ以外の場所を選んだのかが問題になります。これらはにはまったく別の原因が関わっていますので、まずはおしっこの失敗がどのパターンなのかを見極めましょう。なお大便に関しては猫のトイレの失敗・うんち編をご参照ください。

尿失禁

 「尿失禁」(にょうしっきん)とはトイレに行こうとしたけれども我慢できずに途中で漏らしてしまうことです。下腹部や股間の被毛が濡れていたり、ベッドや床の上に水たまりができているような場合は尿失禁が疑われます。
 尿失禁は泌尿器(ひにょうき)における何らかの異常によって引き起こされます。「泌尿器」の具体的な構成は膀胱、腎臓、尿管、尿道、末梢神経(下腹神経・陰部神経・骨盤神経)、脊髄などです。どこか1つにでも障害が発生すると、膀胱の中におしっこをためておくことができなくなり体の外に出てしまいます。 猫の泌尿器の模式図  尿失禁は多くの場合、病院における治療を必要とするような重い病気や怪我が前提となっていますので、まず真っ先に考えなければなりません。よくあるパターンは以下です。

若すぎる

 子猫が生後半年未満で体がまだ完全に成熟していないような場合、神経や筋肉の発達が未熟でおしっこを漏らしてしまうことがあります。神経による排尿反射や膀胱による尿のホールドは体の成熟とともに完成していきますので放っておいても構いません。ただし先天的な奇形により、本来膀胱につながるべき尿管が骨盤(オスの場合)、尿道、子宮(メスの場合)などにつながっている場合は「異所性尿管」とよばれます。こちらは放置しても改善することはありませんので、生後3ヶ月齢を過ぎても一向にトイレを覚えようとしない場合は動物病院に相談してみましょう。
 なお猫がトイレの場所を知らずに漏らしてしまった場合は、まずトイレのしつけから始めてください。 猫のトイレのしつけ

尿道や膀胱の異常

 膀胱と体の外を結ぶ尿道に何らかの異常があるとおしっこを漏らしてしまうことがあります。具体的には細菌性膀胱炎特発性膀胱炎、膀胱腫瘍(特に頸部)、尿道腫瘍、尿道の部分的な閉塞、尿道瘻(別の場所に抜け道ができた状態)などです。症状は少しずつ進行しますので、今までできていたのに粗相の回数が少しずつ増えているような場合は、尿道に異常が発生している可能性を考慮します。 尿道や膀胱の異常で猫の尿失禁が起こる

しっぽへの外傷

 しっぽを踏んづけたり引っ張ったりして生じる外傷は「仙尾部外傷」(せんびぶがいしょう, Sacrocaudal Injury)、もしくは「しっぽ引っ張り外傷」(Tail Pull Injury)と呼ばれます。 骨盤内の重要な神経と連結しているため猫のしっぽをむやみに引っ張ってはいけない  しっぽの神経に加わった外力が、それに連なる「骨盤神経」「下腹神経」「陰部神経」「坐骨神経」といった末梢神経にまで波及し、自力でおしっこやうんちができないといった症状として現れます。しっぽが動かない、後足の動きがおかしいといった症状とともに尿失禁が見られる場合は、しっぽに何らかの外傷を抱えている可能性を考慮しましょう。症状や治療法に関しては以下のページでも解説してありますのでご参照ください。 猫ふんじゃった症候群

椎間板疾患

 腰の骨(腰椎)にある椎間板に障害があり、付近の神経に不具合が生じると、尿失禁、便失禁といった症状を示すことがあります。その他ジャンプしない(できない)、しっぽをあげられない、歩きたがらない、後ろ足が動かない、便秘気味であるなどの症状がみられる場合は椎間板疾患の可能性を考慮しましょう。 猫の椎間板ヘルニア

マンクス症候群

 マンクス症候群とは脊椎(背骨)の奇形や脊髄の不全によって引き起こされる様々な障害のことです。具体的な障害は仙骨の無形成や異形成、仙髄(脊髄の下の方)の欠損、脊髄破裂、後肢の麻痺や不全麻痺、失禁や排便障害などで、病名が示す通りマンクスという品種において多発します。
 T-boxタンパクの生成に関わるT-box遺伝子の変異4種がマンクスの短尾、およびマンクス症候群の原因になっていると推測されています。遺伝病ですので根本的な治療法はありません。詳しい内容は以下のページでも解説してありますのでご参照ください。 マンクスに多い病気 短尾マンクスの20%はしっぽ以外の奇形を抱え、そのうちランピーが90%を占める

老齢

 猫が高齢になり足腰が弱っているにもかかわらず、トイレまでの距離があまりにも遠いと、たどり着くまでの間に我慢できなくなり漏らしてしまうことがあります。また膀胱の中におしっこをせき止めておく外尿道括約筋が弱くなり、水圧に負けて漏らしてしまうということもあります。これらは病気と言うよりは自然な老化現象ですので、トイレをアクセスしやすい場所に移動し、敷居が低いものに切り替えてあげましょう。それでもうまくいかない場合はペット用のオムツなども利用します。具体的な介護の仕方に関しては以下のページでも解説してありますのでご参照ください。 老猫の介護と痛みの管理
トイレの失敗おしっこ編

トイレが嫌われた!

 猫は基本的に臭いも汚れもないきれいなトイレを好みます。2017年、アメリカ・ミズーリ州にある「Nestle Purina PetCare」が行った調査によると、最も使用率が低いトイレは「あちこちにうんちとおしっこの痕跡があるトイレ」(おしっこ成功率30%程度 | うんち成功率10%未満)で、逆に最も使用率が高いトイレは「使用した痕跡が全くない無臭のトイレ」(おしっこの成功率90%超 | うんち成功率70%超)だったそうです。こうした知識を踏まえ、トイレが猫に嫌わてしまう理由と、嫌われないようにするセッティングについて考えていきましょう。

トイレ本体

 トイレの大きさ、カバーの有無、縁の高さなどを気にする猫もいます。また、トイレの側面が汚れていると、排泄を拒絶することがあります。
猫に好かれる工夫
  • トイレを清潔にするトイレの側面が汚れているとそれだけで排泄を拒否することがあります。トイレをこまめに水洗いして臭いと汚れを完全に取り除きましょう。ただし洗剤を用いると今度はその匂いを嫌うことがありますので、水洗いにとどめておいた方が無難です。
  • トイレ本体を変えるトイレそのものに対する嫌悪感を解消するため、大きさ、縁の高さ、デザイン、色などを細かく変更し、猫が抵抗感を示さないものを気長に見つけていきましょう。ドーム型にした途端、急に安心して使用率が高まるということはよくあります。猫にとって理想のトイレ
  • トイレの数を増やす多頭飼いの家庭においては、トイレを他の猫と共有することに嫌悪感を示す個体がいます。その場合、トイレを最低でも頭数分、できれば頭数+スペア1個をそろえることが解決策です。

トイレの周辺環境

 カーペットや家電、鏡などの視覚的情報のほか、匂いや音など、人間にとってはどうでもよい小さな変化が、猫にとっては気になることがあります。
猫に好かれる工夫
  • 環境の変化を元に戻す模様替えや家具の移動など部屋の中の変化と猫の粗相が連動している場合は、その変更した部分を元に戻してみます。特にトイレ周辺のレイアウト変更が、猫に違和感を与えることがあります。
  • トイレの場所を変えるトイレの場所があまりにも遠いと、それだけで猫が嫌がることがあります。また人の往来が多い通路の脇や、洗濯機・乾燥機の近くも、落ち着かないという理由で嫌われます。静かで食事場からは遠く、寝床からは比較的近い場所に移してみます。

猫砂

 猫砂の材質、粒子の大きさ、匂い、踏んだときの音などを気にする猫もいます。また猫砂が大量の糞尿で汚れている場合も忌避の原因になります。
猫に好かれる工夫
  • 猫砂を変える猫砂そのものに対する嫌悪感を解消するため、砂の大きさや材質、匂いなどを細かく変更し、猫が抵抗感を示さないものを気長に見つけます。猫砂は3センチメートル以上になるまで敷き詰めた方が好まれます。また、石鹸臭を嫌う猫が多いようですので無臭のものに切り替えてみましょう。猫にとって理想のトイレ
  • こまめに掃除する自分のものであれ他の猫のものであれ、おしっこやうんちの痕跡が残っている猫砂は嫌われます。こまめに掃除してまっさらな状態をキープしてあげましょう。システムトイレを用いている場合、飼い主に放置癖がついていることがあるため要注意です。

トイレ内での不快な経験

 トイレ内で経験した不快な出来事がきっかけでトイレを嫌ってしまうことがあります。偶発的なものは「トイレで用を足している最中、家の呼び鈴が鳴って驚いた」など、人為的なものは「おしっこをして身動きが取れないことをいいことに飼い主が捕まえてキャリーに入れた」などです。こうした不快な経験と「トイレ」とを結び付けてしまうと、以後、猫はトイレを忌避するようになってしまいます。
猫に好かれる工夫
  • トイレの場所を変える猫が不快感とトイレの場所をリンクして記憶している場合、トイレの場所自体を変更しなければなりません。食餌スペースからは遠く、今までとは違う場所を見つけてトイレを移してみましょう。
  • トイレ本体を変える猫が不快感とトイレそのものをリンクして記憶している場合、トイレ本体を変更しなければなりません。今まで使っていたのとは色やデザインが違うトイレをセッティングしてあげましょう。

抜爪

 抜爪(ばっそう, declaw)とは猫の指先を第一関節から切断してしまう手術のことです。「家具を引っかかれたくない」という単純な理由から、こうしたおぞましい手術を断行してしまう飼い主が一部にはいます。しかしこの痛々しい手術が、猫の粗相(おしっことうんち両方)リスクを高めている可能性が示されました。
 調査チームが動物病院を受診した猫や動物保護施設に遺棄された猫を対象とし、全237頭分のデータを統計的に計算したところ、抜爪術を受けている猫は受けていない猫より10倍近く粗相をしてしまう可能性が高いことが判明したと言います。さらに指先の骨(末節骨)が部分的に残っている猫に関しては、手術を受けていない猫の10倍、手術は受けたけれども骨が残っていない猫の2倍も粗相のリスクが高かったとも。抜爪術のデメリット・副作用 抜爪猫と未手術猫における問題行動の発現リスク(OR)  指先に骨の欠片が残っていると切断面が皮膚に食い込んで痛みの原因となり、おしっこするときの姿勢を保持できなくなったり、猫砂をシャカシャカできなくなるものと推測されます。また「痛み」と「トイレ」とを結びつけ「トイレに行くと指先が痛い!」と記憶してしまい、積極的にトイレを嫌うようになったとも考えられます。
猫に好かれる工夫
  • そもそも抜爪などしない何らかの理由で猫に抜爪を施そうと計画している人がいる場合は、まず手術に伴う数々のデメリットや副作用を把握しておく必要があります。詳しくは以下のページでも詳しく解説してありますのでご参照下さい。十分な説明もせず「おすすめです!」と言っている動物病院をネット上で見かけますが、鵜呑みにしちゃいけませんよ。 抜爪術のデメリット・副作用
  • 指先に優しい環境を悪徳獣医師に騙され、十分な説明を受けないまま抜爪術を行ってしまった場合はもはや取り返しがつきません。トカゲのように切断部分が再生するわけではありませんので、せめて指先に優しい環境をセッティングしてあげましょう。具体的には床にクッション材を敷き詰める、トイレの敷居を低くするなどです。
トイレの失敗おしっこ編

分離不安やストレス

 病気にかかっているわけでもなく、トイレが嫌いなわけでもないのに、なぜかトイレの外でおしっこをしてしまう猫がいます。その場合「分離不安やストレス」という可能性を考慮しなければなりません。
 「分離不安」とは猫が飼い主から離れること病的に嫌がり、まるでストーカーのように絶えずまとわりつこうとする状態のことです。猫の分離不安について2002年に行われた調査によると、1~3歳のうち26.5%、4~5歳のうち32.4%、6~7歳のうち17.6%に見られるとされています。そして分離不安の症状を見せる猫のうち、70.6%は不適切な場所での排尿、35%は不適切な場所での排便、8.8%は破壊行動、11.8%は過剰な鳴き声、5.9%は過度のグルーミングを見せるとも(→出典)。 分離不安には、粗相や便のお漏らしなど、様々な問題行動が付随する  飼い主が外出しているときに限って猫がトイレの失敗をするような場合、分離不安にかかっている可能性が大です。これは病院に行って解決する問題ではありませんので、飼い主が生活スタイルを見直すことによって改善していくしかありません。具体的な対策については、以下のページで詳しく解説してありますのでご参照ください。 猫の分離不安
トイレの失敗おしっこ編

尿スプレー

 「スプレー」(spray)とは、通常のおしっことは違い、しっぽを高く上げて後方に撒き散らすように放出するおしっこのことです。目的と状況によって「性的スプレー」と「反応性スプレー」とに大別されます。 マーキング行動としての猫の尿スプレーは、立った状態からしっぽを高々と上げて真後ろに勢いよく放出する  猫のトイレの失敗が通常の粗相なのかスプレーなのかを判断する方法は、その位置です。粗相の場合、床一面に大量のおしっこが放出されます。一方、スプレーの場合、壁や柱など垂直状態の対象物に対してまるで立ち小便でもするかのように少量を振り掛けます。両者の違いを一覧化したものが以下です。
粗相
水平面に行う 放出量多い しゃがんで行う
スプレー
垂直面に行う 放出量少ない 立って行う
 スプレーの発生頻度は、単独飼育の場合が25%であるのに対し、10匹以上の多頭飼育の場合は100%にまで高まるとのこと(Borchelt, 1982)。多頭飼育家庭においてトイレの失敗が頻繁に見られる場合は、単なる「粗相」ではなく「スプレー」である可能性も考慮しなければなりません。

性的スプレー

 「性的スプレー」とは、不妊去勢手術を施していない猫でよく観察されるスプレーのことです。主な目的は交配相手を引き付けることであり、特にオス猫では、繁殖期の始まる春先から増え始め、繁殖期の終わる晩秋に減少します。

性的スプレーは臭い!

 猫が家の中で性的スプレーをすると、家具やじゅうたんを汚すことのほか、悪臭という問題を引き起こします。猫のおしっこは臭いことで有名ですが、その悪臭の犯人は「フェリニン」と呼ばれるタンパク質であることが分かってきました。フェリニンとは約50年前に発見されたアミノ酸の一種で、猫やその近縁のネコ科動物の尿にだけ特異的に存在し、他の動物の尿では見出されていない物質です。去勢していないオス猫で著しく高く、去勢したオス猫やメス猫で低いことが特徴で、オス猫のスプレーがとりわけ臭いことの理由になっています。 猫の腎臓・おしっこ

性的スプレー予防策

 さて、迷惑極まりない性的スプレーですが、これを防ぐ効果的な方法があります。それは不妊手術です。一般的に、オス猫では精巣の除去、メス猫では子宮と卵巣の除去を意味します。Hartらが1973に行った調査では、不妊手術でスプレー頻度が下がる確率は、オス猫で90%、メス猫では95%という結果が出ています。また、Jemmettらが行った別の調査で判明した事実は以下。
不妊手術と猫のスプレー率
  • 未去勢オス猫のスプレー率は55~99%
  • 去勢済みオス猫のスプレー率は20%
  • 未避妊メス猫のスプレー率は20%
 いずれにしても、去勢や避妊手術を受ければ、スプレー行為の頻度が減少することは間違いないようです。
 ちなみに、日本のペット総研が行った簡易アンケート調査では、以下のような結果が出ています。やはり上記データ同様、去勢や避妊をしていない猫の方が、おしっこ関連のトラブルが多いようです。性的スプレーを予防するには、何はなくとも不妊手術ということですね。 うちの愛猫の困り指数(ペット総研)
猫の粗相に関する困り指数
うちの愛猫の困り指数~愛猫のトイレの粗相に困っていますか?
  • 1=まったく気にならない
  • 2=あまり気にならない
  • 3=どちらともいえない
  • 4=困っている
  • 5=とても困っている

反応性スプレー

 「反応性スプレー」とは、環境の変化に応じて頻度が高まるスプレーのことです。性衝動ではなくストレスが主な原因だと考えられます(Borchelt, 1991)。

反応性スプレーの原因

 反応性スプレーの多くは、家の内外における重要な場所で行われます。例えば「ソファーなど大きな物体の角」「よく活動する場所」「飼い主の所有物」「外へ通じる扉や窓」などです。また反応性スプレーを引き起こす原因としては主に以下のようなものが挙げられます。
反応性スプレーの引き金は?
  • 家の外にいる猫による挑発
  • 同居している猫との敵対関係
  • 外に出られない
  • 家具や家電など新しい物体
  • 引越しや建て替えなど住居の変化
  • 赤ちゃんや新参猫など新しい同居動物
  • 同居人同士のケンカ
  • 飼い主の無関心や愛情不足

反応性スプレー予防策

 上記したように反応性スプレーを引き起こす原因は様々です。それに伴い、スプレーを予防する方法も原因により異なってきます。以下は原因ごとに分けたスプレー予防法の一例です。
反応性スプレー対策
  • 家の外にいる猫家の外にいる猫の存在が原因である場合は、環境操作を行います。すなわち、家の外が見えないような環境に変えてしまうということです。具体的には、窓の一部を遮ったり、曇りガラスに変えたりするなどの方法があります。家の外に猫が近づかないよう、忌避剤を用いたり、好意による野良猫へのエサやりを自粛してもらうことも効果的でしょう。窓の外を一心不乱に警戒する様子はときに「ニャルソック」などと呼ばれますが、ガラス越しとはいえ見知らぬ猫と遭遇した場合は以外なストレス源になりますので要注意です。猫が喜ぶ部屋の作り方 警戒心が強い猫にとって、見知らぬ猫との遭遇はガラス越しでもストレスになりうる
  • 同居している猫同居猫との折り合いが原因である場合は、猫同士がなるべく接触しないような住空間を設けるようにします。例えば、猫1匹に対して専用の部屋を1つ与えるなどです。そうしたスペースがない場合は去勢・避妊手術を行うことで、縄張り意識や同性猫への対抗意識を弱めることも効果的です。猫の去勢と避妊手術
  • 外に出られない完全室内飼いの猫は、どうしても刺激が少なくなりがちで、ストレスがたまってしまうことがあります。かといって、外に出して自由に放浪させるという無責任なこともできません。室内にいながら猫に刺激を与える方法については以下のページにまとめましたのでご参照ください。 猫の行動欲求を満たす
  • 新しい物体・環境の変化家の中に持ち込んだ新しい家具や家電、あるいは住環境の変化が原因の場合は、「猫が慣れるのを待つ」というのが第一の選択肢になるでしょう。どんな新奇なものでも、動物は次第に慣れていき、恐怖や不安を抱かなくなるものです(馴化現象)。もし、なかなかスプレーが収まらないようなときは、次善策として、物体自体を猫の目が届かない場所に片付けるようにします。
  • 同居人同士のケンカ猫は突発的な刺激を恐れます。家人が大きな声で怒鳴りあっていると、その声がストレスとなり、スプレーを引き起こすことがあります。猫のストレスの原因ついては以下のページにまとめましたのでご参照ください。猫のストレスチェック
  • 飼い主の無関心や愛情不足猫は孤独を好むと思われがちですが、実は触れ合いを求める動物です。人と猫とが触れ合うと双方にとって良い効果を産むことが確認されていますので、1日最低15分程度は、猫と親密に接する「甘えんぼタイム」を持ちたいものです。具体的なふれあい方については以下のページにまとめましたのでご参照ください。猫マッサージ 孤独な動物という印象とは裏腹に、猫は飼い主からの愛情やふれあいを求める
 上では原因別の対策を述べましたが、原因に関わらず効果的と思われる予防策があります。それは「フェロモンスプレー」と「スプレー部屋の設置」です。
猫のフェイシャルフェロモンを商品化した「フェリウェイ」  フェロモンスプレーとは、猫の顔から分泌されるフェイシャルフェロモンF3を人工的に合成した市販品のことで、フェリウェイが有名です。F3には鎮静効果があることが確認されており、1998年にHunthausenが行った調査では「33.3%の猫でスプレー行動が完全になくなり、全く効果が見られなかったのは9.3%に過ぎなかった」という結果が出ています。
 フェロモンスプレー使用する場合は、尿マーキングが頻繁にされる場所に直接噴霧します。このときの注意点は、以前使用した洗浄剤とフェロモン成分が交じり合ってしまわないようにすることです。洗浄剤を使用した後は、よく水洗いして成分が残らないようにしておきます。
 一方、スプレー部屋の設置とは、猫がスプレーしてもよい部屋を設けるということです。言うまでもなく、この方法は万人向けではありません。また「スプレーを放置する」という観点からすると、妥協以外の何物でもありません。窓を開けると近隣住民から苦情が来るかもしれませんので、万策尽きたときにだけ採用するようにしましょう。
トイレの失敗おしっこ編

粗相の掃除の仕方

 猫の粗相を目撃してしまったとき、思わず感情的になってしまいますが、猫のトイレの失敗を怒ってはいけません。なぜなら、感情的になって強い口調で怒鳴ってしまうと「おしっこをした場所」ではなく「おしっこすること」自体に対して怒られたと思ってしまうからです。その結果、飼い主に隠れておしっこするようになったり、おしっこを我慢して 泌尿器系の病気にかかってしまう危険性があります。

おしっこ臭を消す

 猫がトイレに失敗しても決して怒鳴ったりせず、まず失敗した場所の匂いを消しましょう。これは、猫は自分の尿の残っている場所をトイレにする習性があるためです。フローリングなど雑巾掛けできるような場所なら、お湯をかけて拭き取り匂いがなくなるまできれいにします。じゅうたんなどにしてしまった場合は、濡れフキンなどで叩くように臭いを取り、重曹をかけて水分を取りましょう。布団などの生活用具にしてしまい、臭いが気になってどうしても使えないような場合は、仕方が無いのでクリーニングに出します。

おしっこシミを消す

 カーペットにおしっこのしみができてしまった場合は、市販のシミ取り洗剤などを使ってきれいにしましょう。繊維(パイル)の奥に尿の成分が染み込んでしまう前に手早く処理するのがコツです。まずホームセンターなどで売られているシミ取り剤をカーペットのシミ部分に染み込ませます。汚れが浮き上がったらきれいなタオルなどでゴシゴシこすりましょう。 市販のシミ取り剤をカーペットの汚れに浸して汚れを浮かせる  ある程度汚れが落ちたら「重曹」(ベーキングソーダ)を軽くふりかけて水分を吸収させます。この間猫が近づかないようカバーなどをかけておいて下さい。水分が飛んだら重曹を掃除機で吸い取って完了です。 染みが取れたら重曹をかけて余分な水分と臭いを飛ばす  なお、消臭剤の変わりにアロマオイルやエッセンシャルオイルは用いないでください。少数ながら、猫が中毒にかかったという報告があります。またシミ取り剤の代わりに歯磨き粉を使うのも危険です。足先についた粉をグルーミングのついでに舐め取ってしまうかもしれません。
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