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猫の毛球症

 猫の毛球症(もうきゅうしょう)について病態、症状、原因、治療法別にまとめました。病気を自己診断するためではなく、あくまでも獣医さんに飼い猫の症状を説明するときの参考としてお読みください。なお当サイト内の医療情報は各種の医学書を元にしています。出典一覧はこちら

猫の毛球症の病態と症状

 猫の毛球症とは、毛づくろいの際に飲み込んだ自分の体毛が消化器官内にとどまり、吐くことも排便することもできなくなった状態を言います。
 猫の毛球症の症状としては以下のようなものが挙げられます。
猫の毛球症の主症状
  • 食欲不振
  • 吐くそぶり
  • 便秘
  • おなかを触られることを嫌がる
 猫は吐き戻しのエキスパートとして有名ですが、鳥もまた、胃の中で消化できなかったものを簡単に吐き出せることで有名です。猫が吐き出すものが「ヘアボール」(毛玉, hairball)と呼ばれるのに対し、鳥が吐き出しすものは通称「ペリット」(pellet)と呼ばれます。 猫の吐き出したヘアボールと鳥の吐き出したペリットの比較  ヘアボールの中身はほとんどが猫自身の被毛ですが、ペリットの中身は、羽毛のほか昆虫の外骨格、繊維質の多い植物、骨、動物の爪や歯など、胃の中で消化できなかった様々なものが含まれます。
 一方、猫や鳥のように器用に吐き戻しができない動物として有名なのがウサギです。ウサギは飲み込んだ毛を胃の中に溜めこみやすく、ときに腸閉塞など命にかかわる病気に発展することもあるため要注意です。ちなみに人間でも、自分の髪の毛を食べてしまい、まるでウサギのように胃の中で消化されないまま硬くなってしまうことがあります。これは「毛髪胃石」(もうはついせき, trichobezoar)と呼ばれるもので、抜毛癖や食毛症といった精神的な疾患の影響で発生するといわれています。
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猫の毛球症の原因

 猫の毛球症の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
猫の毛球症の主な原因
  • ブラッシング不足  飼い主が猫のブラッシングを怠ると、猫が飲み込んでしまう抜け毛が多くなり、これが消化管の中にたまることがあります。
  • ストレス  何らかのストレスで猫のグルーミングの頻度が多くなると、飲み込む毛の量が多くなり毛球症を発症することがあります。
  • 吐き出し不足  加齢や内臓の不調で飲み込んだ毛を上手に吐き出すことが出来なると、腸の中に「毛玉」(ヘアボール)が形成されて毛球症につながることがあります。
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猫の毛球症の治療

 猫の毛球症の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
猫の毛球症の主な治療法
  • 毛球除去剤  軽度と思われる場合はまず毛球除去剤を猫の口元に塗り、ペロペロなめさせて、毛玉(ヘアボール)をできるだけ体外に排泄させるようにします。
  • 外科手術  毛球除去剤を大量になめさせても効果がなく、なおかつ症状が重篤で腸閉塞などを引き起こしかねないと診断されたときは、胃や腸を切開する「開腹手術」(かいふくしゅじゅつ)により、直接毛玉(ヘアボール)を取り出すことがあります。
  • 飼い主の側の注意 毛球症予防のため猫をライオンカットにするのはやりすぎ 猫の毛球症の予防の基本は、日頃から猫のブラッシングを行うことです。あらかじめ無駄毛を人為的に取り除いてあげるだけで、猫が毛づくろい(グルーミング)するさいに飲み込んでしまう毛の量が少なくなり、毛球症予防につながります。また、飲み込んでしまった毛を出来るだけ体外に排出しやすくするため、いわゆる「猫草」を置いたり、植物繊維がたくさん含まれている「ヘアボールケア」機能の高いフードを食べさせることも効果的です。なお、「ライオンカット」のように猫の被毛を短く刈り込めば、飲み込む被毛の総量を減らせることは確かですが、ストレスの原因になりかねないためお勧めはできません。 猫のブラッシングの仕方 猫草一覧 キャットフード一覧
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