トップ猫の種類エキゾチックショートヘア

エキゾチックショートヘア

 猫の品種の1つ「エキゾチックショートヘア」に関する基本情報です。この猫はいったい、いつどこで生まれたのでしょうか?歴史や特徴を写真や動画とともに見ていきましょう!

エキゾチックショートヘアの基本情報

エキゾチックショートヘア 写真:Heikki Siltala
  • 原産
    アメリカ

  • 短毛
  • 体重
    2.5~6.5キロ
  • タイプ
    コビー
猫の購入や繁殖の前に  現在猫の購入や繁殖をお考えの方は、日本におけるペットの現状を読んでおくことをお勧めします。保健所や動物愛護センターには、飼い主を待っている猫がいるかもしれません。お近くの里親募集機関もぜひご参照ください。また猫を迎えるときの基本情報に関しては以下のページでも詳しく解説してあります。 猫の購入・入手方法 猫を選ぶときの注意 ペットショップで猫を買う前に

エキゾチックショートヘアの歴史・ルーツ

 エキゾチックショートヘアは1960年代、「手間のかからない短毛種のペルシャを」という要望の高まりから、ペルシャ猫を基礎に短毛の猫やアメリカンショートヘアと交配され作出されました。そうした経緯から、一時期は「横着者のペルシャ猫」などという、いささか不名誉な別称で呼ばれることもあったようです。
 1950年代、アメリカンショートヘアの血統を改善するため、一部のブリーダー間ではペルシャが交配猫として秘密裏に利用されていました。しかし異種交配に面白い顔をしないブリーダーたちもおり、キャットショーでの評判は不発に終わります。ところが、ペルシャ/アメリカンショートヘアのハイブリッド種に興味を抱いた一人のブリーダーが、その後の品種確立に奔走し、1966年、CFAから「エキゾチックショートヘア」としての公認を獲得しました。
 ペルシャとの違いは被毛の長さだけで、気質や体質はほぼ同じです。劣性遺伝として長毛種の遺伝子を持っいるため、時折長毛種のエキゾチックショートヘアが生まれることがあります。長毛のエキゾチックショートヘアは、TICAではペルシアと見なされるものの、CFAでは認められません。また、他の団体においては「エキゾチックロングヘア」(Long-haired Exotic)として認定されることもあり、若干混乱の様相を呈しています。

エキゾチックショートヘアの特徴・性格

 エキゾチックショートヘアは、全身がどっしりとしており、足は短く筋肉質です。目は少し離れ気味についており、鼻はつぶれたように上を向いています。毛色は、アメリカンショートヘアペルシャで公認されている全ての色が認められています。毛が短い点以外の特徴はペルシャそっくりで、「パジャマ姿のペルシャ」とも呼ばれています。
 エキゾチックショートヘアの性格は、ペルシャゆずりの優しく物静かな性格で、愛情深く、甘えん坊なところもあります。

エキゾチックショートヘアのお手入れ・注意点

 エキゾチックショートヘアのお手入れは、1日1回程度のブラッシングで充分です。

エキゾチックショートヘアの動画

 以下でご紹介するのはエキゾチックショートヘアの歴史や特徴を解説した動画です。英語ですが、内容はおおむね上で説明したことと同じです。
 ペルシアに次いで世界で二番目に有名な猫と言われています。短い首と丸くて大きな顔はさながらテディベアのようです。
 「トラディショナル」と「エクストリーム」という亜種があり、後者はつぶれたような平板な顔を特徴としていますが、その骨格が災いして呼吸器系の問題も多いとか。 とても人間好きなので、他の猫と遊ぶよりも人のそばにいたがります。
元動画は→こちら

エキゾチックショートヘアの病気

 以下でご紹介するのは文献などで報告されているエキゾチックショートヘアに発症しやすい病気のリストです。外国のデータも含まれるため日本の猫には当てはまらない場合もありますが、好発疾患の知識は飼い主にとって重要なため記載しておきます。なお病気に関する詳しい内容や元となっているデータは以下のページで解説しています。エキゾチックショートヘアに多い病気

多発性嚢胞腎

 多発性嚢胞腎(polycystic kidney disease, PKD)は腎実質の大部分が、複数の嚢胞によって置き換わり、正常な腎機能が徐々に失われていく疾患。ネコE3染色体に含まれる「PKD1」と呼ばれる遺伝子の変異で引き起こされることが判明しています。遺伝形式は常染色体優性遺伝で、両親から1本ずつ受け継いだホモ型は母体内で死亡すると考えられています(→出典)。ちなみにこの疾患は遺伝子検査が可能です(→検査機関1 | 検査機関2 | 検査機関3)。診断は超音波検査を通して下します。治療は投薬による腎不全のコントロールがメインです。 多発性嚢胞腎の症状・原因・治療

流涙症

 流涙症とは眼球で生成された涙をスムーズに排水することができず、絶えず涙目の状態が続いてそのうち目頭が変色してしまう病態。診断は眼球周辺の目視や涙量テストなどを通して下します。治療法は点眼薬の投与や涙小管の洗浄がメインです。 流涙症の症状・原因・治療

水頭症

 水頭症とは脳脊髄膜の中を流れる脳脊髄液の流れが悪くなり、脳内に異常な量の髄液が溜まってしまう病気。診断はエックス線、CTスキャン、MRIなどを通して得た画像、および脳脊髄液検査などで下します。治療法は脳圧を下げるための副腎皮質ホルモン薬や降圧利尿薬の投与がメインです。脳と心臓や腹腔をバイパス手術する方法もあります。 水頭症の症状・原因・治療

短頭種気道症候群

 短頭種気道症候群とは、マズルが短いため呼吸に難をきたしてしまう呼吸器系の病気。診断はエックス線による喉頭部の撮影や動脈血酸素飽和度測定などを通して下します。治療法は激しい運動を避ける保存療法がメインですが、重症の場合は鼻腔を拡大する外科手術が行われることもあります。鼻腔狭窄(短頭種気道症候群)の症状・原因・治療

シュウ酸カルシウム結石

 下部尿路症候群(LUTD)とは、膀胱から尿道口をつなぐまでのどこかに結石などを生じてしまう病気。猫ではシュウ酸カルシウム結石やストラバイト結石が大半を占めています。診断は尿内の結晶検査やエックス線撮影で下します。治療は結石の除去と食事療法がメインです。 下部尿路症候群の症状・原因・治療

眼瞼内反症

 眼瞼内反とは、主として下まぶたが眼球の方へ反り返り、被毛が角膜をこすることで炎症や潰瘍などを引き起こしてしまう眼科系の病気。診断は眼球表面の診察やまぶたの内反を視認することで下します。治療法は角膜に接触している被毛の除去や手術によって下瞼の位置をずらす内反矯正手術がメインです。 眼瞼内反症の症状・原因・治療

レーベル先天黒内障

 レーベル先天黒内障とは、眼球に外見的な異常はないのに生まれつき目が見えない眼科系疾患。診断は眼底検査や視力の電気的な検査(網膜電図)で下します。根本的な治療法はありませんので、猫も飼い主も視力障害と付き合いながら暮らしていくことになります。