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猫における椎間板障害のリスクファクター

 背骨と背骨の間に挟まっている椎間板の障害(IVDD)に関する統計調査が行われ、この疾患にかかりやすい品種名が明らかになりました(2016.4.18/イギリス)。

詳細

 調査を行ったのは、イギリス・王立獣医大学の研究チーム。2008年1月から2014年8月の期間中、一般動物病院において診察を受けた合計12,900頭の猫のうち、胸腰部の椎間板の中から髄核が飛び出してしまう「椎間板障害」(IVDD)にかかった猫をピックアップし、データ化しました。 椎間板障害の模式図  その結果、31頭 (0.24%)がIVDDと診断され、そのうち17頭は純血種、14頭はミックス種だったと言います。また純血種だけに絞って計算し直したところ、有病率は「0.52%」と、猫全体の「0.24%」よりかなり高い割合になったとも。さらに品種別では、ブリティシュショートヘアが「1.29%」、ペルシャが「1.83%」と、純血種平均の「0.52%」より顕著に高い割合を示したそうです。
 こうしたデータから研究チームは、椎間板障害は猫ではそれほど多い疾患ではないが、「純血種」、「ブリティッシュショートヘアー」、「ペルシア」がリスクファクターである可能性が高いとの結論に至りました。ただし「純血種の飼い主の方が神経症状を示した猫を病院に連れてきやすく、結果として高い有病率として現れた」という可能性は否定できないとしています。 猫の椎間板ヘルニア Prevalence and breed predisposition for thoracolumbar intervertebral disc disease in cats 椎間板障害を発症しやすい可能性があるブリティシュショートヘアとペルシア

解説

 猫は犬と比較して結合組織が柔らかく、また体重も軽いため、あまり椎間板障害を発症しないと言われています。今回の調査でも、有病率が「0.24%」と、犬の「1.2~3.8%」(→出典)に比べてかなり低い値であることが確認されました。品種別ではブリティッシュショートヘアーとペルシアだけが統計的に有意と判断され、日本で人気のスコティッシュフォールドは入っていません。「スコティッシュフォールドの軟骨が柔らかい」という風説を聞いたことがある人にとって、この結果は不思議に思えるかもしれませんが、統計調査が行われたイギリス国内では倫理上の問題によりスコティッシュフォールドの繁殖が禁じられているため、名前が上がってこないのは当然です。ちなみに上記「軟骨が柔らかい」という風説を実証した研究報告は存在しませんので、単なる都市伝説だと考えられます。逆にある程度事実であることが確認されているのは「スコティッシュフォールドは変形性関節炎を発症しやすい」という説です。詳しくは以下のページをご参照ください。 猫がスコ座りをする理由は?