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キムリック

 猫の品種の1つ「キムリック」に関する基本情報です。この猫はいったい、いつどこで生まれたのでしょうか?歴史や特徴を写真や動画とともに見ていきましょう!

キムリックの基本情報

キムリック 写真:Jumpinjim
  • 原産
    イギリス

  • 長毛
  • 体重
    3~6キロ
  • タイプ
    コビー
猫の購入や繁殖の前に  現在猫の購入や繁殖をお考えの方は、日本におけるペットの現状を読んでおくことをお勧めします。保健所や動物愛護センターには、飼い主を待っている猫がいるかもしれません。お近くの里親募集機関もぜひご参照ください。また猫を迎えるときの基本情報に関しては以下のページでも詳しく解説してあります。 猫の購入・入手方法 猫を選ぶときの注意 ペットショップで猫を買う前に

キムリックの歴史・ルーツ

 キムリックは「ロングヘア・マンクス」という別称が示すとおり、アメリカに渡った短毛のマンクスの中から時折現れるセミロングの猫を品種化した、長毛種のマンクスです。各国の猫の協会により、マンクスとキムリックは別々の種類と認識する協会と、キムリックはロングヘアー・マンクスとマンクス認識する協会があります。被毛の長さを除き、マンクスとキムリックの間に差異はありません。キムリックという名は、イギリスのウェールズを指す言葉「キムルー」に由来しています。
 キムリックの祖先は、17世紀~18世紀に、世界中の貿易船がマン島に立ち寄った際に置いていった猫が土着化したものだと言われています。その後マン島やイギリス、スコットランド、北アイルランド、ウェールズ等の周りの小島で発展しました。
 マンクスが認識されたのは1920年代でしたが、キムリックが紹介されたのは1960年代初めで、人気が出てきたのは1970年代中ごろ以降です。カナダのブレア・ライトやアメリカのレスリー・フェルテイセク等のブリーダーが品種確立の為に尽力したものの、公認は米国内だけで、英国ではいまだ認められていません。

キムリックの特徴・性格

 キムリックの最大の特徴は、マンクスと同様しっぽで、尾の形状によって大きく4つに分けられます。「ランピー」は全く尾がなく、「ランピーライザー」は尾椎が1~3個、「スタンピー」はごくわずかに残った尾がカーブしていたり捻じ曲がったもの、「ロンギー」は普通の猫と同じくらいの長さの尾をもちます。前肢よりも後肢が長いため、うさぎのように跳ねながら歩くのも特徴です。
 アンダーコートは厚く、オーバーコートは柔らかくて光沢があり、腹部と首のひだえりの毛が体毛より長く伸びます。
 マンクス同様、内気でおっとりしていますが、愛情深くお茶目な面ももっています。

キムリックのお手入れ・注意点

 朝と晩の1日2回、ブラッシングをしてあげましょう。

キムリックの動画

 以下でご紹介するのはキムリック(マンクス)の歴史や特徴を解説した動画です。英語ですが、内容はおおむね上で説明したことと同じです(長毛がキムリックで短毛がマンクス)。
 しっぽがないのは自然発生した突然変異であり、キムリック(マンクス)の最大の特徴です。 高い場所よりも床のような低い場所を好むため「フロアキャット」と呼ばれることも。意思表示がはっきりしており、考えていることが分かりやすい品種です。
元動画は→こちら

キムリックの病気

 以下でご紹介するのは文献などで報告されているキムリックに発症しやすい病気のリストです。外国のデータも含まれるため日本の猫には当てはまらない場合もありますが、好発疾患の知識は飼い主にとって重要なため記載しておきます。なお病気に関する詳しい内容や元となっているデータは以下のページで解説しています。キムリックに多い病気

マンクス症候群

 マンクス症候群とは脊椎(背骨)の奇形や脊髄の不全によって引き起こされる様々な障害のこと。名前に「マンクス」と入っていますが、マンクスとキムリックは被毛の長さ以外多くの部分で遺伝子を共有していますので、キムリックにおいてもマンクス症候群の発症リスクが高まる可能性を否定できません。短尾マンクスの20%はしっぽ以外の奇形を抱え、そのうちランピーが90%を占める 具体的な障害は仙骨の無形成や異形成、仙髄(脊髄の下の方)の欠損、脊髄破裂、繋留脊髄、硬膜内脂肪腫、鎖肛(肛門の欠落)、後肢の麻痺や不全麻痺、失禁や排便障害などです。詳しい内容は以下のページをご参照ください。 マンクスに多い病気

下部尿路症候群・尿失禁

 下部尿路症候群(LUTD)とは、膀胱から尿道口をつなぐまでのどこかに結石などを生じてしまう病気。猫ではシュウ酸カルシウム結石やストラバイト結石が大半を占めています。診断は尿内の結晶検査やエックス線撮影で下します。治療は結石の除去と食事療法がメインです。 下部尿路症候群の症状・原因・治療