トップ猫の種類ラグドール

ラグドール

 猫の品種の1つ「ラグドール」に関する基本情報です。この猫はいったい、いつどこで生まれたのでしょうか?歴史や特徴を写真や動画とともに見ていきましょう!

ラグドールの基本情報

ラグドール 写真:Cassia Afini
  • 原産
    アメリカ

  • 長毛
  • 体重
    4.5~9キロ
  • タイプ
    ロング&サブスタンシャル
猫の購入や繁殖の前に  現在猫の購入や繁殖をお考えの方は、日本におけるペットの現状を読んでおくことをお勧めします。保健所や動物愛護センターには、飼い主を待っている猫がいるかもしれません。お近くの里親募集機関もぜひご参照ください。また猫を迎えるときの基本情報に関しては以下のページでも詳しく解説してあります。 猫の購入・入手方法 猫を選ぶときの注意 ペットショップで猫を買う前に

ラグドールの歴史・ルーツ

 ラグドールの起源は、1960年代に遡ります。当時、アメリカ・カリフォルニアに住む女性ブリーダー、アン・ベイカーが、「ジョセフィーヌ」(Josephine)と言う名の白い猫を元に、ペルシャバーマン、更にバーミーズなどを交配させて誕生しました。
 彼女はInternational Ragdoll Cat Association (IRCA)という組織を設立し、「IRCA登録のブリーダーしかラグドールという名を使うことができない」という、今で言う「フランチャイズ」のようなビジネスモデルで商売を始めました。 ラグドールの兄弟ラガマフィン1975年になると、デニー・デイトンを中心としたグループがベイカーと袂を分かち、ラグドールをもっと世に知らしめるべく、独自の活動を始めます。結果として彼女の結成したグループがラグドールの知名度を上げるのに貢献しました。また1994年には、余りにも厳密なブリーディング規則に嫌気が差したグループがIRCAから独立し、後にラグドールの血統から「ラガマフィン」という別品種を作り出しています。
 名前は、英語で「(布製の)ぬいぐるみ」を意味する「ragdoll」(ラグドール)からで、「抱き上げるとまるでぬいぐるみのようにおとなしくしている」ところに着想を得ています。

ラグドールの特徴・性格

 ラグドールの特徴は、がっしりして筋肉質なロング&サブスタンシャルタイプのボディです。猫の品種の中では最大クラスで、大きいオス猫だと体重が10キロを越えることもあります。通常の猫に比べて体の完成が遅く、成熟するまで2~3年ほどかかります。
 被毛は滑らかなダブルコートで、首から長くなっているのが特徴です。抱き上げると体の力を抜いてだらんとなる個体が多く、猫にしては珍しいその従順性は遺伝的な突然変異ではないかとまで言われています。
 ラグドールの性格は、非常に温和で優しく、飼い主には従順です。狩りに対する執着が薄く、引っ掻かない傾向があります。

ラグドールのお手入れ・注意点

 ラグドールのお手入れは、1日1回のブラッシングで充分でしょう。

ラグドールの動画

 以下でご紹介するのはラグドールの歴史や特徴を解説した動画です。英語ですが、内容はおおむね上で説明したことと同じです。
 基本的におとなしい性格で、大きな声を出して鳴くことはほとんどないようです。またジャンプして飛び回るというよりは床に近い場所をうろうろするのが好きで、まるで子犬のように家族をつけ回すこともあるとか。子供や他の動物との相性もよく、よい家族の一員になれます。
元動画は→こちら

ラグドールの病気

 以下でご紹介するのは文献などで報告されているラグドールに発症しやすい病気のリストです。外国のデータも含まれるため日本の猫には当てはまらない場合もありますが、好発疾患の知識は飼い主にとって重要なため記載しておきます。なお病気に関する詳しい内容や元となっているデータは以下のページで解説しています。ラグドールに多い病気

コロナウイルス

 コロナウイルスとは、ウイルスの表面にまるで太陽のコロナのような突起を持つ一本鎖RNAウイルスの総称。猫では病原性の弱い「猫腸コロナウイルス」(FeCV)と、病原性の高い変異種「猫伝染性腹膜炎ウイルス」(FIPV)があります。今現在、病原性の低い「猫腸コロナウイルス」(FECV)と致死性の高い「猫伝染性腹膜炎ウイルス」(FIPV)を事前に見分ける有効な方法は存在していません。ひとたび後者を発症してしまうと効果的な治療法がなく、二次感染を防ぐための抗生物質の投与、免疫力を高めるためのネコインターフェロンの投与、炎症を抑えるための抗炎症薬の投与などで様子を見るというのが基本方針です。猫伝染性腹膜炎の症状・原因・治療

猫伝染性腹膜炎(FIP)

 猫伝染性腹膜炎(FIP)とは、猫腸コロナウイルスが突然変異を起こして強い病原性を獲得し、腹膜炎を特徴とする激しい症状を引き起こす致死性の高い病気。今現在、病原性の低い「猫腸コロナウイルス」(FECV)と致死性の高い「猫伝染性腹膜炎ウイルス」(FIPV)を事前に見分ける有効な方法は存在していません。ひとたび発症してしまうと効果的な治療法がなく、二次感染を防ぐための抗生物質の投与、免疫力を高めるためのネコインターフェロンの投与、炎症を抑えるための抗炎症薬の投与などで様子を見るというのが基本方針です。猫伝染性腹膜炎の症状・原因・治療

下部尿路症候群

 下部尿路症候群(LUTD)とは、膀胱から尿道口をつなぐまでのどこかに結石などを生じてしまう病気。猫ではシュウ酸カルシウム結石やストラバイト結石が大半を占めています。診断は尿内の結晶検査やエックス線撮影で下します。治療は結石の除去と食事療法がメインです。 下部尿路症候群の症状・原因・治療

難産

 難産とは出産に際して胎子をスムーズに体外に分娩することができない状態のこと。胎子が大きすぎて母猫の産道を通過できない場合は、帝王切開が行われることもあります。難産の症状・原因・治療

子宮蓄膿症

 子宮蓄膿症とは、メス猫の子宮内に病原体が入り込み、炎症反応が起こって膿が溜まってしまう病気。診断は血液検査や尿検査、エックス線や超音波検査を通して下します。治療は抗生物質による投薬治療や外科的な子宮摘出がメインです。 子宮蓄膿症の症状・原因・治療

肥大型心筋症

 肥大型心筋症とは、心臓の壁が厚くなりすぎて収縮に支障が生じ、血液をしっかり全身に送れなくなる病気。診断は胸部エックス線や心エコー検査、心電図検査などを通じて下します。治療は心臓の収縮力を高めるための投薬、およびストレス管理がメインです。 心筋症の症状・原因・治療

慢性腎不全

 慢性腎不全とは、体液を濾過して不純物を取り除く腎臓に異常が発生し、有害成分が少しずつ蓄積していく病気。診断は血液検査や尿検査を通して下します。治療は食事療法や投薬がメインです。慢性腎不全の症状・原因・治療