ペルシャ(Persian)~歴史・特徴から性格・お手入れの仕方・病気まで、写真と動画で猫の種類を知る
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ペルシャ

 猫の一種ペルシャの歴史・特徴・性格・お手入れの仕方・病気などをまとめました。

ペルシャの基本情報

ペルシャ 写真:Cindy See
  • 原産
    イギリス

  • 長毛
  • 体重
    3.2~6.5キロ
  • タイプ
    コビー
猫の購入や繁殖の前に  現在猫の購入や繁殖をお考えの方は、日本におけるペットの現状を読んでおくことをお勧めします。保健所や動物愛護センターには、飼い主を待っている猫がいるかもしれません。お近くの里親募集機関もぜひご参照ください。また猫を迎えるときの基本情報に関しては以下のページでも詳しく解説してあります。 猫の購入・入手方法 猫を選ぶときの注意 ペットショップで猫を買う前に

ペルシャの歴史・ルーツ

 ペルシャの起源にはいくつかの説が乱立しており、いまだはっきりとはしていません。ペルシャ(現在のイラン)の猫とターキッシュアンゴラを交配して誕生したという説、イランからアフガニスタンあたりに生息していた土着猫だったという説、トルコからヨーロッパに輸入されたという説などがあります。
 ペルシャの祖先として文献上に登場する猫は2頭います。鼻ペチャが特徴のペルシャは「ピーク・フェイス」と呼ばれる1頭は、1620年、ピエトロ・デラ・ヴァレ(Pietro Della Valle)という人物が、ペルシャからイタリアに持ち込んだ猫です。そしてもう1頭は、同じ時期にニコラス・クロード・ファブリ・ド・ペイレスク(Nicholas-Claude Fabri de Peiresc)という人物が、アンゴラ(現在のアンカラ)からフランスに持ち込んだ猫です。前者の猫が灰色だったのに対し、後者の猫は白かったと文献には残っています。これらの猫と、アフガニスタン、ビルマ、中国、ロシアなどから輸入された長毛の猫とが交配し、今のペルシャの原型が作られたと考えられています。1871年にロンドンで開かれたキャットショーに初登場してから品種改良が重ねられ、現在では「猫の王様」という異名をもつほどの人気を博しています。
 1950年代、レッドとレッドタビーのペルシャの中で自然発生的に生まれた「鼻ぺちゃ」の顔は、「ピーク・フェイス」(ペキ・フェイスとも, peke-face)と呼ばれていますが、これは同じく鼻ぺちゃで有名な犬の「ペキニーズ」(pekingese)からとられています。しかし涙管の変形や眼球の突出など健康上の問題が多いことから、近年では敬遠されがちです(→骨軟骨異形成)。
 また「チンチラ」(Chinchilla)とは、ペルシャの中の特定の毛色を指しており、種類としてはシルバー、シェイデドシルバー、ゴールデン、シェイデドゴールデンなどがいます。口吻部がペルシャよりも長いので、健康上の問題も少ないのが特徴です。
 ペルシャは他の多くの品種の交配に使用されていることで有名です。代表的な猫を挙げると、ヒマラヤンエキゾチックショートヘアがいます。

ペルシャの特徴・性格

 ペルシャの特徴は、丸くて大きな目と、少しつぶれたような鼻、横から見ると平らな顔立ち、そして豊かなダブルコートからなる被毛です。ペチャッとつぶれた鼻は、愛嬌になると同時に、多くの健康上の問題をもたらします(→骨軟骨異形成)。非常に長くて厚い被毛は、猫が自分で行う毛づくろいでは間に合わないため、飼い主による定期的なグルーミングが必要です。なお、約半数のペルシャは、遺伝的に「多発性嚢胞腎」(たはつせいのうほうじん)にかかりやすいといわれています。
 ペルシャの性格は非常に穏やかで温和です。ほとんど鳴くことがなくおとなしい猫と言われています。 ペルシャ猫に特有な鼻ぺちゃ顔貌  アメリカやオーストラリアの大学からなる共同研究チームは、マズルが短い短頭種の代表格であるペルシャと、ペルシャを基礎猫とし生み出された派生種、およびマズルの長さが通常の非ペルシャ種を800頭以上集め、それぞれのDNAを解析することでペルシャの鼻ペチャを生み出している原因遺伝子を特定しようと試みました。その結果、鼻ペチャを作り出しているのは、特定の3区画においてペルシャだけが保有している変異である可能性が浮上してきたといいます。またこの区画の中には、人間において神経系の障害を生み出すことで知られている「CHL1」と「CNTN6」という2つの遺伝子が含まれていたことから、ペルシャの顔の形を固定化する過程で、偶発的に何らかの神経形成遺伝子も固定化され、ペルシア固有の行動につながっている可能性を否定できないとしています。 ペルシアの鼻ペチャ遺伝子と神経障害との関係

ペルシャのお手入れ・注意点

 ペルシャのお手入れは、1日1回のブラッシングとコーミングが理想です。口吻部が短くていわゆる「涙やけ」が出来やすいので、目の定期的なチェックとお手入れは欠かせません。

ペルシャの動画

 以下でご紹介するのはペルシャの動画です。
 猫界随一の長毛が特徴で、ビクトリア女王やナイチンゲールが愛好したことで有名です。つぶれた平坦な顔は花のパンジーにたとえられることもあり、また家の中をぶらぶら歩くのが好きなことから「ラウンジリザード」(lounge lizard=ホテルやバーのラウンジで金を出してくれそうな女性を捜してぶらぶらする男性)と揶揄(やゆ)されることもあるようです
元動画は⇒こちら

ペルシャの病気

 以下でご紹介するのは文献などで報告されているペルシャに発症しやすい病気のリストです。外国のデータも含まれるため日本の猫には当てはまらない場合もありますが、好発疾患の知識は飼い主にとって重要なため記載しておきます。なお病気に関する詳しい内容や元となっているデータは以下のページで解説しています。ペルシャに多い病気

多発性嚢胞腎

 多発性嚢胞腎(polycystic kidney disease, PKD)は腎実質の大部分が、複数の嚢胞によって置き換わり、正常な腎機能が徐々に失われていく疾患。ネコE3染色体に含まれる「PKD1」と呼ばれる遺伝子の変異で引き起こされることが判明しています。遺伝形式は常染色体優性遺伝で、両親から1本ずつ受け継いだホモ型は母体内で死亡すると考えられています(→出典)。ちなみにこの疾患は遺伝子検査が可能です(→検査機関1 | 検査機関2 | 検査機関3)。診断は超音波検査を通して下します。治療は投薬による腎不全のコントロールがメインです。 多発性嚢胞腎の症状・原因・治療

猫伝染性腹膜炎(FIP)

 猫伝染性腹膜炎(FIP)とは、猫腸コロナウイルスが突然変異を起こして強い病原性を獲得し、腹膜炎を特徴とする激しい症状を引き起こす致死性の高い病気。今現在、病原性の低い「猫腸コロナウイルス」(FECV)と致死性の高い「猫伝染性腹膜炎ウイルス」(FIPV)を事前に見分ける有効な方法は存在していません。ひとたび発症してしまうと効果的な治療法がなく、二次感染を防ぐための抗生物質の投与、免疫力を高めるためのネコインターフェロンの投与、炎症を抑えるための抗炎症薬の投与などで様子を見るというのが基本方針です。猫伝染性腹膜炎の症状・原因・治療

下部尿路症候群

 下部尿路症候群(LUTD)とは、膀胱から尿道口をつなぐまでのどこかに結石などを生じてしまう病気。猫ではシュウ酸カルシウム結石やストラバイト結石が大半を占めています。診断は尿内の結晶検査やエックス線撮影で下します。治療は結石の除去と食事療法がメインです。 下部尿路症候群の症状・原因・治療

レーベル先天黒内障

 レーベル先天黒内障とは、眼球に外見的な異常はないのに生まれつき目が見えない眼科系疾患。診断は眼底検査や視力の電気的な検査(網膜電図)で下します。根本的な治療法はありませんので、猫も飼い主も視力障害と付き合いながら暮らしていくことになります。

流涙症・短頭種気道症候群

 流涙症とは眼球で生成された涙をスムーズに排水することができず、絶えず涙目の状態が続いてそのうち目頭が変色してしまう病態。短頭種気道症候群とは、マズルが短いため呼吸に難をきたしてしまう呼吸器系の病気。 流涙症の症状・原因・治療 鼻腔狭窄(短頭種気道症候群)の症状・原因・治療

皮膚糸状菌症

 皮膚糸状菌症とは、真菌の一種である皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)が感染することで発症する病気のこと。「皮膚真菌症」や「白癬」も呼ばれ、人間の足に発症した場合は「水虫」と呼ばれることもあります。診断は、患部から採取した菌のサンプルを培養することで下します。治療法は抗真菌薬の内服や抗真菌薬の入ったローションや軟膏などの塗布がメインです。 皮膚糸状菌症の症状・原因・治療

肥満

 肥満とは脂肪細胞に過剰な脂肪が蓄積されている状態のこと。いわゆる「デブ猫」。診断は体型を目視チェックで評価するBCS(ボディコンディションスコア)や体重測定で下します。治療法はダイエットです。 肥満の症状・原因・治療

水頭症

 水頭症とは脳脊髄膜の中を流れる脳脊髄液の流れが悪くなり、脳内に異常な量の髄液が溜まってしまう病気。診断はエックス線、CTスキャン、MRIなどを通して得た画像、および脳脊髄液検査などで下します。治療法は脳圧を下げるための副腎皮質ホルモン薬や降圧利尿薬の投与がメインです。脳と心臓や腹腔をバイパス手術する方法もあります。水頭症の症状・原因・治療 極端に鼻ぺちゃな「ピークフェイス」ペルシャ 鼻ぺちゃの度合いがそれほど強くない「ドールフェイス」ペルシャ

眼瞼内反

 眼瞼内反とは、主として下まぶたが眼球の方へ反り返り、被毛が角膜をこすることで炎症や潰瘍などを引き起こしてしまう眼科系の病気。診断は眼球表面の診察やまぶたの内反を視認することで下します。治療法は角膜に接触している被毛の除去や手術によって下瞼の位置をずらす内反矯正手術がメインです。 眼瞼内反症の症状・原因・治療

難産

 難産とは出産に際して胎子をスムーズに体外に分娩することができない状態のこと。胎子が大きすぎて母猫の産道を通過できない場合は、帝王切開が行われることもあります。難産の症状・原因・治療

α-マンノシドーシス

 α-マンノシドーシスとは、糖蛋白質に含まれる糖鎖と呼ばれる部分を加水分解する酵素が生まれつき欠損している疾患。α-マンノシダーゼという酵素が欠落している場合は「α-マンノシドーシス」と呼ばれます。症状は発育の遅延、特異な顔貌、肝臓の腫大、視覚系の異常、神経系の障害などで、遺伝形式は常染色体劣性遺伝と考えられています。

早発型の進行性網膜萎縮症

 進行性網膜萎縮症は、加齢とは無関係に若い頃から目の中の網膜が劣化を始め、最終的には失明に至る眼科系の疾患。診断は眼底検査や視力の電気的な検査(網膜電図)を通して下します。根本的な治療法がないため、猫も飼い主も視力障害と付き合いながら暮らしていくことになります。なお早発型ではなくの2歳くらいから発症する遅発型の進行性網膜萎縮症に関しては遺伝子が可能です(→検査機関1 | 検査機関2)。 進行性網膜萎縮症の症状・原因・治療
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