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メインクーン

 猫の一種メインクーンの歴史・特徴・性格・お手入れの仕方・病気などをまとめました。

メインクーンの基本情報

メインクーン 写真:Harald Wehner
  • 原産
    アメリカ

  • 長毛
  • 体重
    4~9キロ
  • タイプ
    ロング&サブスタンシャル
猫の購入や繁殖の前に  現在猫の購入や繁殖をお考えの方は、日本におけるペットの現状を読んでおくことをお勧めします。保健所や動物愛護センターには、飼い主を待っている猫がいるかもしれません。お近くの里親募集機関もぜひご参照ください。また猫を迎えるときの基本情報に関しては以下のページでも詳しく解説してあります。 猫の購入・入手方法 猫を選ぶときの注意 ペットショップで猫を買う前に

メインクーンの歴史・ルーツ

 メインクーンの起源に関しては多くの伝承や逸話が残されていますが、定かなことは分かっていません。中には「フランスのマリーアントワネットの猫だった」という眉唾物(まゆつばもの)の興味深い逸話もあります。『1793年にマリーアントワネットが処刑される直前、サミュエルクラフ船長の助力によりフランスから逃げ出そうと試み、彼女が大切にしていた6匹のターキッシュアンゴラを船に積み込んだ。結局計画は失敗したものの、6匹の猫だけはアメリカ・メイン州のウィスカセット海岸にたどり着き、それが今のメインクーンの始祖となった』というのが「マリーアントワネット説」の概要です。メインクーンはノルウエジャンフォレストキャットの遠い親戚か?
 もう少し現実的な説ですと、メインクーンの耳に見られる飾り房(tuft)がヤマネコの風貌に似ていることから、『ヤマネコと土着猫とのハイブリッド種説』があります。しかし一般的にブリーダー間で支持されているのは、『ヴァイキング説』でしょう。これ11世紀ごろ、ヴァイキングの舟にのっていた猫が各地方の土着猫との間に子猫を設け、この子猫が何らかのルートを通じてアメリカ大陸に渡ってきた、というものです。この説は、同じくヴァイキングによってもたらされたといわれているノルウェージャンフォレストキャットとの、外見上の類似性を説明するものとして支持されています。
 近代の話に戻りますと、1950年代には、ペルシャを始めとする長毛種に人気を奪われて「絶滅した」とまで言われました。しかしその後、熱心な愛好家たちの尽力により、1980年代に復活を遂げています。
 北アメリカの厳しい環境に適応した体は厚い被毛で覆われ、体格もひときわ大柄です。名前はの由来は、メイン州の「Maine」とアライグマを意味する「Racoon」を合わせたもので、今ではメイン州の「州猫」(State Cat)に定められています。また「アメリカンロングヘアー」(American Longhair)とも呼ばれます。紛らわしい名前として「メイクィーン」がありますが、これはジャガイモの品種です。

メインクーンの特徴・性格

 メインクーンの特徴は、過酷な自然に鍛えられたがっしりとした体型と豊富な被毛です。オーバーコートはシルキーで防水効果があり、胸元にはライオンのたてがみに似た長い毛があります。
 大きなオス猫では体重が10キロを超えることもありますが、通常の猫に比べて体の完成が遅く、成猫になるまでには2年ほどかかるとも言われています。2010年のギネス記録では、「スチューウィ」と言う名のオスのメインクーンが、「世界で最も体長が長い猫」として世界一に認定されました。記録は123cmです。
 メインクーンの性格は、野生的な外見とは裏腹に非常に温和で優しいです。 多指猫の前足のレントゲン写真  特にアメリカのメインクーンでは「多指猫」が多く見受けられます。多指とは通常の指の数(前足10本+後足8本)を超えて指がある状態のことです。初めて見た人はギョッとするかもしれませんが、2016年に行われた調査により、健康には何ら影響を及ぼしていないことが確認されています。
 フランス・パリ東大学を中心とした共同研究チームはヨーロッパ、カナダ、アメリカに暮らしている70頭のメインクーンに対して手と足のレントゲン撮影を行い、48頭の多指個体と22頭の通常個体の間に、どのような違いがあるのかを解剖学的に比較しました。
 その結果、手や足の指に連なる手根骨や足根骨の構造に違いは見られたものの、前腕を構成している橈骨(とうこつ)には明確な差異がなかったと言います。またこの知見は、3ヶ月齢の多指個体と通常個体、および成猫の多指個体と通常個体を比較した場合も同じだったとのこと。
 こうした事実から研究チームはメインクーンで見られる「多指症」が、猫の健康や福祉を損なっているという証拠は見出せなかったと結論づけました。 指が多くなる多指症は猫に健康被害をもたらさない イギリスの路上で発見された多指の兄弟猫「フィンガーズ」と「サムズ」

メインクーンのお手入れ・注意点

 メインクーンのお手入れは、毛玉が出来ないよう朝晩1回づつのブラッシングとコーミングが理想です。

メインクーンの動画

 以下でご紹介するのはメインクーンの歴史や特徴を解説した動画です。英語ですが、内容はおおむね上で説明したことと同じです。
 最大の特徴は体の大きさであり、大きなものでは体長120センチを超え、さながら猫界のグレートデーンといったところです。またヒゲの最長記録を持っているのもメインクーンで、その長さは20cm近くあったとか。アメリカ原産ということもあり、米国内ではペルシアに次いで二番目の人気を誇っています。
元動画は⇒こちら

メインクーンの病気

 以下でご紹介するのは文献などで報告されているメインクーンに発症しやすい病気のリストです。外国のデータも含まれるため日本の猫には当てはまらない場合もありますが、好発疾患の知識は飼い主にとって重要なため記載しておきます。なお病気に関する詳しい内容や元となっているデータは以下のページで解説しています。メインクーンに多い病気

ピルビン酸キナーゼ欠損症

 ピルビン酸キナーゼ欠損症(Pyruvate kinase deficiency, PKDef)とは、赤血球上にあるピルビン酸キナーゼと呼ばれる酵素が欠損することにより十分なエネルギーを産生することができなくなり、赤血球の寿命が縮んで貧血に陥ってしまう病気。診断は血液検査を通した貧血の確認や、遺伝子検査を通した疾患遺伝子の確認などで下します。貧血を根本的に改善するには骨髄移植が必要ですが、現実的ではありません。ピルビン酸キナーゼ欠損症の症状・原因・治療

コロナウイルス

 コロナウイルスとは、ウイルスの表面にまるで太陽のコロナのような突起を持つ一本鎖RNAウイルスの総称。猫では病原性の弱い「猫腸コロナウイルス」(FeCV)と、病原性の高い変異種「猫伝染性腹膜炎ウイルス」(FIPV)があります。今現在、病原性の低い「猫腸コロナウイルス」(FECV)と致死性の高い「猫伝染性腹膜炎ウイルス」(FIPV)を事前に見分ける有効な方法は存在していません。ひとたび後者を発症してしまうと効果的な治療法がなく、二次感染を防ぐための抗生物質の投与、免疫力を高めるためのネコインターフェロンの投与、炎症を抑えるための抗炎症薬の投与などで様子を見るというのが基本方針です。猫伝染性腹膜炎の症状・原因・治療

白猫関連の聴覚障害

 白猫関連の聴覚障害とは、被毛が白い猫で片方~両方の耳が聞こえなくなるという現象。発症メカニズムは、メラニン細胞の働きを抑制する「W」と呼ばれる遺伝子が、耳の中にある蝸牛と呼ばれる器官内部の血管線条に作用→音の認識に必要な繊毛が栄養不足で劣化・脱落→音を電気信号に変換できなくなる→耳が聞こえなくなるというものです。「W」遺伝子は耳のほか被毛や目(虹彩)のメラニン細胞も抑制しますので、色素が生成されず全身が真っ白になったり目がブルーになったりします。 白い被毛のメインクーンは聴覚障害を発症するリスクが高い

子宮蓄膿症

 子宮蓄膿症とは、メス猫の子宮内に病原体が入り込み、炎症反応が起こって膿が溜まってしまう病気。診断は血液検査や尿検査、エックス線や超音波検査を通して下します。治療は抗生物質による投薬治療や外科的な子宮摘出がメインです。 子宮蓄膿症の症状・原因・治療

大腿骨頭すべり症

 大腿骨頭すべり症とは、大腿骨の付け根にある大腿骨頭(だいたいこっとう)と呼ばれる部位の軟骨が地滑りを起こし、股関節の動きが不安定になってしまう病気。診断はエックス線やCTスキャン、MRIなどを通して下します。治療は激しい運動を避けるといった保存療法がメインです。 大腿骨頭すべり症では骨端軟骨部でせん断力が働き、骨頭が変形してしまう

股異形成

 股異形成(股関節形成不全症)とは、大腿骨と骨盤をつなぐ股関節が正常に形成されず、不安定な状態が続く病気。診断はエックス線やCTスキャン、MRIなどを通して下します。治療は激しい運動を避けるといった保存療法がメインです。股異形成の症状・原因・治療

腹膜心膜横隔膜ヘルニア

 腹膜心膜横隔膜ヘルニアとは、心膜腔と腹膜腔が連絡することにより、おなかの中にある臓器が本来あるべき場所からずれてしまう先天的な疾患。診断はエックス線や超音波検査を通して下します。治療は外科的な修復です。横隔膜ヘルニアの症状・原因・治療

心筋症

 心筋症とは、心臓の筋肉である心筋(しんきん)になんらかの異常が起こり、心臓の機能が損なわれた状態のこと。メインクーンにおいては病気が常染色体優性遺伝で子孫に伝わることから「家族性肥大型心筋症」(FHC, familial hypertrophic cardiomyopathy)とも呼ばれます。正常な心臓と各種心筋症(肥大型・拡張型・拘束型)の比較図 心筋症の遺伝子検査に関しては日本国内においても可能です(→検査機関1 | 検査機関2 | 検査機関3)。診断は胸部エックス線や心エコー検査、心電図検査などを通じて下します。治療は心臓の収縮力を高めるための投薬、およびストレス管理がメインです。 心筋症の症状・原因・治療
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