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オリエンタル

 猫の品種の1つ「オリエンタル」に関する基本情報です。この猫はいったい、いつどこで生まれたのでしょうか?歴史や特徴を写真や動画とともに見ていきましょう!

オリエンタルの基本情報

オリエンタル 写真:Heikki Siltala
  • 原産
    アメリカ

  • 短毛~長毛
  • 体重
    2.5~4.5キロ
  • タイプ
    オリエンタル
猫の購入や繁殖の前に  現在猫の購入や繁殖をお考えの方は、日本におけるペットの現状を読んでおくことをお勧めします。保健所や動物愛護センターには、飼い主を待っている猫がいるかもしれません。お近くの里親募集機関もぜひご参照ください。また猫を迎えるときの基本情報に関しては以下のページでも詳しく解説してあります。 猫の購入・入手方法 猫を選ぶときの注意 ペットショップで猫を買う前に

オリエンタルの歴史・ルーツ

 オリエンタルは、1950年代にポイント(顔の中央、耳・足・尾の先が濃い)のない白いシャム作出しようと交配を重ねる中で生まれた新しい種です。
 シャムにアメリカンショートヘアロシアンブルーアビシニアンなどが掛け合わされ、試行錯誤の結果、チョコレート、白、ポイント、ブラック、タビーなど実にカラフルなシャムが誕生し、これがオリエンタルショートヘアーの元となりました。
 シャムは元々単一色とポイントカラーの遺伝子を持っていますが、実はポイントカラーの方が劣性遺伝であるため、優性遺伝の単一色のシャムがいても何ら不思議ではありません。実際、ハバナブラウンコラットには、単一色のシャムの血が混じっています。
 現在の「オリエンタル」にはショートへアーとロングヘアーがいますが、元々は「オリエンタルショートヘアー」という単一種でした。ロングヘアは、シャムに長毛の遺伝子が紛れ込んだ結果生まれた突然変異種で、ブリーダーたちの努力によって、「オリエンタルロングヘア」という個別の地位を得ました。

オリエンタルの特徴・性格

 オリエンタルの特徴は、「オリエンタル」タイプと呼ばれるスリムなボディです。細くてしなやかな四肢をもち、アーモンド型のやや上がった目や大きくとがった耳など、被毛以外はシャムの特徴と同じです。長毛種の毛はおよそ5センチで下毛のないシングルコートです。カラーは、ショート、ロング共にポインテッド以外の多くの種類が公認されています。のどを鳴らしたときの音がひときわ大きいといわれています。
 オリエンタルの性格は、優しく甘えん坊で、飼い主に擦り寄って甘えてきます。若干神経質な一面もありますが、機敏で活発です。

オリエンタルのお手入れ・注意点

 オリエンタルのお手入れは、ショートヘアーの場合は1日1回、ロングヘアーの場合は朝晩2回程度のブラッシングが理想です。

オリエンタルの動画

 以下でご紹介するのはオリエンタルの歴史や特徴を解説した動画です。英語ですが、内容はおおむね上で説明したことと同じです。
 オリエンタルショートヘアーとバリニーズを掛け合わせてオリエンタルロングヘアーが生まれたそうです。ハート型の顔とグレムリンのような耳が特徴。
元動画は→こちら

オリエンタルの病気

 以下でご紹介するのは文献などで報告されているオリエンタルに発症しやすい病気のリストです。外国のデータも含まれるため日本の猫には当てはまらない場合もありますが、好発疾患の知識は飼い主にとって重要なため記載しておきます。なお病気に関する詳しい内容や元となっているデータは以下のページで解説しています。オリエンタルに多い病気

下部尿路症候群

 下部尿路症候群(LUTD)とは、膀胱から尿道口をつなぐまでのどこかに結石などを生じてしまう病気。猫ではシュウ酸カルシウム結石やストラバイト結石が大半を占めています。診断は尿内の結晶検査やエックス線撮影で下します。治療は結石の除去と食事療法がメインです。 下部尿路症候群の症状・原因・治療

進行性網膜萎縮症

 進行性網膜萎縮症は、加齢とは無関係に若い頃から目の中の網膜が劣化を始め、最終的には失明に至る眼科系の疾患。診断は眼底検査や視力の電気的な検査(網膜電図)を通して下します。根本的な治療法がないため、猫も飼い主も視力障害と付き合いながら暮らしていくことになります。なお早発型ではなくの2歳くらいから発症する遅発型の進行性網膜萎縮症に関しては遺伝子が可能です(→検査機関1 | 検査機関2)。進行性網膜萎縮症の症状・原因・治療

糖尿病

 糖尿病とは血流中の糖分(グルコース)をうまく細胞内に取り込むことができず、血糖値が高い状態で維持されてしまう病気。診断は身体検査や血糖値の測定を通して下します。治療法はインスリンの投与と食事療法がメインです。 糖尿病の症状・原因・治療

難産

 難産とは出産に際して胎子をスムーズに体外に分娩することができない状態のこと。胎子が大きすぎて母猫の産道を通過できない場合は、帝王切開が行われることもあります。難産の症状・原因・治療

腫瘍

 腫瘍とは細胞が異常に増殖してできた塊のこと。他の臓器にまで悪影響をおよぼす場合は悪性腫瘍(がん)とも呼ばれます。診断は採取した組織サンプルを組織学的に調査することで下します。治療法は外科的な切除や抗癌剤による投薬治療などがメインです。 悪性腫瘍(ガン)の原因・症状・治療

尿酸塩尿石症

 尿酸塩尿石症とは、体内に含まれる尿酸塩がうまく体外に排出されず、結晶化して石になってしまった状態のこと。尿酸塩にはアンモニア、ナトリウム、シスチン、キサンチンなどが含まれます。診断は尿内の結晶検査やエックス線撮影で下します。治療は結石の除去と食事療法がメインです。 下部尿路症候群の症状・原因・治療