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子猫の育て方

 生まれたばかりの子猫をどのようにケアするかを、週齢ごとにまとめました。飼い猫が子猫を生んだときや、生後間もない子猫を拾ったときなどの参考にしてください。

猫の成長グラフ

 生まれたばかりの子猫は、基本的に母猫が率先して面倒を見ます。もし、母猫がきちんと保育をしているにもかかわらず、人間が不要に介入してしまうと、急に育児を放棄してしまうことがありますので要注意です。ですから母猫が率先して子猫の面倒を見ているときは、「じっと見守る」を基本とし、母猫に異常が見られるときだけ人間が補助するようにしましょう。
 以下は、成猫になった時の体重が4.5キログラムの場合の、平均的な成長グラフです。
成猫時4.5キロの成長曲線
成猫の体重4.5キロとしたときの、子猫の標準的な成長曲線  上で示したのは、あくまでも平均的な子猫の成長率です。しかし、特に最初の2ヶ月程度は、兄弟の数によって成長率が大きく変わります。
 具体的には、生後8週間における平均成長率は、2匹の場合が「13.7グラム/日」、7~8匹の場合は「7.3グラム/日」くらいと言われます(Deag, 1988)。兄弟猫の数が多ければ多いほど成長率が悪くなるのは、1匹あたりの栄養摂取量が減るためです。ただしこれは「母乳」という限られた資源を栄養としたときの成長率であり、ここに人工栄養が加われば、たとえたくさんの兄弟猫がいても、1匹あたりの栄養量を増やすことができるしょう。
 以下は、上記データを元にした、人間が「介入しなかった」ときの生後8週齢までの成長率グラフです。新生子の出生時の体重は80~120グラムで、平均が113グラム程度ですので、スタートは113グラムに設定してあります。
兄弟数による子猫の成長率変化
人間が介入しなかったときの子猫の成長率~兄弟猫2匹のときと8匹のときの比較グラフ  このように、兄弟の数によって、8週齢時の体重が2倍近く開いていることがお分かりいただけると思います。ここで特記すべきは生後2ヶ月までの子猫の栄養状態は非常に重要だということです。
 Smithらの研究(1977)によると、「生後6週齢まで子猫の栄養を制限すると、大脳、小脳、脳幹に発育不全が起こる。それ以降に栄養状態を正常に戻すと、4ヶ月齢頃になって行動に異常が現れ出す」と言います。また、Hartらの研究(1974)では、「出生初期に母猫の栄養が80%欠乏すると、子猫のニューロン発達と学習能力は恒久的な影響を受ける」とされています。
 このように、生後2ヶ月間の栄養状態は、体の成長のみならず、脳の発育にも重大な影響を及ぼすようです。ですから、兄弟の数に関わらず8週齢時(約60日齢)で1キログラムを一つの目安にしたほうが無難でしょう。
 子猫の成長速度を把握するためには、最低でも1週間に1度は体重を量ることが必要です。調理用のはかり(キッチンスケーラー)などを利用し、子猫の体重を日々記録しておくと、成長曲線が一目でわかるようになります。
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0~1週のケア・育て方

生まれてからの一週間は、2時間に一度の授乳と、それに伴う排泄処理が必要  「0~1週」とは、おおよそ「誕生~7日齢」の期間です。
 生まれてからの1週間は、2時間に一度の授乳と、それに伴う排泄処理が必要です。しかし、出産頭数が多い、母猫の育児放棄、母猫の母乳の出が悪い、子猫が未熟児で自力で乳首にたどり着けない、などの理由がある場合は、人間の手で人工哺乳してあげる必要があります。
 なお、子猫が最初に飲む初乳(しょにゅう)には、栄養素のほかに免疫力を高める抗体が含まれており、約8週間は病気にかかりにくくなります。出産後7~10日間くらいしか分泌されない期間限定の母乳ですので、母猫がいる場合は、生後16時間以内にこの初乳を子猫に飲ませてあげるよう努めます。ただし両親猫の血液型の組み合わせによっては、初乳を飲むことによって「新生子溶血」というやっかいな病気を発症しますので要注意です。発症メカニズムと予防法については猫の血液型をご参照ください。

人工授乳の方法

子猫に人工哺乳するときは、市販されているペット用哺乳瓶を、洗浄ブラシと共に買っておくと便利  子猫に授乳する際は、ペット専用の哺乳瓶を用いるのが簡便です。これはそのつど清潔にしておく必要がありますので、洗浄ブラシと共に購入しておきます。授乳用の乳首は、長過ぎると子猫ののどに入り込んでしまいますので短めのものを用います。事前にテストし、中の液体が一滴ずつ流れ出ることを確認してください。
 ミルクは市販されている猫専用のものを使い、人間用のものや牛乳は使用しません。また、濃度を濃くしても下痢を起こすだけですので、説明書に従った濃度でミルクを作ります。以下では、猫、牛、ヤギの母乳に含まれる栄養成分を示しました。数字は概数(がいすう)ですが、猫の母乳には脂肪分とタンパク質がずいぶん多く含まれていることがお分かりいただけるでしょう。猫用ミルクは、猫の母乳の成分に近くなるように工夫されています。 小動物の繁殖と新生子マニュアル(学窓社)
成分猫の母乳牛乳やぎ乳
水分79.0%88.0%87.0%
脂質8.5%3.5%4.1%
タンパク質7.5%3.3%3.6%
炭水化物4.0%5.0%4.7%
熱量(100ml中)121kcal70kcal69kcal
 授乳する際は、1回で約1ccくらいを目安にします。子猫の口の近くに吸い込み口をあてがうと、吸引反射(きゅういんはんしゃ)によって自発的にミルクを飲み始めるはずですので、無理やり口の中に押し込める必要はありません。子猫ががっついて前足を激しく動かすときは、片手で軽く抑えながら与えるようにしましょう。また、吐き戻しを予防するため、仰向けの姿勢は避けるようにします。
人工哺乳するときは、ミルクを人肌程度に温める  ミルクは人肌程度の温度が最適です。熱すぎると子猫がやけどしますし、ぬるすぎるとなかなか飲んでくれません。湯煎などの方法で適温にした上で飲ませましょう。子猫が食欲旺盛で、1cc以上欲しがるようでしたら、やや多めに与えても良いですが、急速に飲ませようとすると鼻からミルクが逆流したり、下痢の原因になりますので注意が必要です。
 母猫による哺乳時間は、分娩後24時間では6~8時間に達し、1週目の平均は1日4時間程度だといいます。本当の母猫が行うのと同じように、2~3時間に一度くらいのペースで、1日7~8回授乳することが理想です。栄養不足による低血糖は、子猫の死因の上位を占めています。多少寝不足になるでしょうが、頑張って授乳するようにしましょう。また、以下は生後1週齢までの、体重100グラム当たりの必要カロリー、および必要水分量です。こうしたデータを目安にして、授乳に過不足が起こらないよう気をつけます。
1週齢の必要栄養と水分
  • 必要カロリー⇒28キロカロリー/体重100グラム
  • 必要水分量⇒18ミリリットル/体重100グラム

排尿促進の方法

 おしっこは、通常であれば母猫が子猫の股間をなめることでふきとりますが、母猫がいない場合は、人間がお尻を軽くこすって排尿(はいにょう)を促してあげます。哺乳のたびごとに行う必要がありますのでかなり大変な作業ですが、生後23~39日齢になるまで頑張って続けましょう。
子猫の排尿排便を促す
  • おしっこを促す おしっこのふき取りは、哺乳するごとに毎回行います。まず、汚れてもいいようにタオルや新聞紙を膝の上に置き、子猫のおなかを支えて下向きに保持します。濡れたコットンやティッシュなどで股間を10秒くらい軽くこすってあげると、薄黄色のおしっこが出てきますので、色が付かなくなるまでこの作業を繰り返しましょう。
  • うんちを促す うんちのふき取りは通常、24~36時間に一度行います。おなかを支えたときパンパンに張った感じがある場合は、肛門付近をおしっこと同じ手順でこすってみましょう。溜まっている場合は、茶色~黄色でペースト状のうんちが出てきますので、色が付かなくなるまで何度かコットンを換えます。うんちが緩すぎたり硬すぎたりするときは、感染症や脱水症状の可能性がありますので、念のため獣医さんに相談しましょう。
 以下でご紹介するのは、生後20日未満の子猫のおしっことうんちを促す方法です。しんどいですが、生後3~5週齢になり、子猫がトイレを覚えてくれるまでの辛抱です。 元動画は⇒こちら

子猫の寝床の整え方

 生まれてすぐの子猫は、ほとんど皮下脂肪を持たないため体温を失いやすく、1週間程度の間、自分でうまく体温を調整することができません。出生時は34.7~37.2度、生後1週間で36.1~37.8度程度です。
体温調整のできない子猫は、「もぐりこみ反射」や「猫団子」によって暖かい場所を確保しようとする  通常であれば、母猫のおなかの近くなど、自分にとって最適な温度を見つけてそこにもぐりこもうとするもぐりこみ反射や、兄弟猫同士で作る「猫団子」により、凍え死んでしまうということはありません。しかし、子猫にとって天然の「あんか」ともいえる母猫や兄弟猫がそばにいないときは、飼い主が子猫の寝床をうまくセッティングしてあげる必要が生じます。生後1週間は子猫にとって命を落としやすい極めて不安定な時期ですので、人間の不注意から最悪の事態が起こらないよう、くれぐれもご注意ください。 猫に必要な冷暖房グッズ
子猫用の寝床セッティング
  • 子猫が脱走できず、また人間が子猫を取り出しやすいデザインのペットサークルを選ぶ
  • 毛布を敷いて床の温度が直接子猫の体に伝わらないようにする
  • ペット用カーペットを用いる場合は、低温やけどの危険性を考慮し、温度が33度以上にならないよう注意
  • 子猫が自分自身で心地よい場所を選べるよう、電気カーペットのある部分とない部分の両方を寝床内に設定する
  • 電気製品を用いない場合は、保温性の高い毛布を用意すると同時に室温を25℃以上に設定する
  • 湿度は55~65%あれば十分
  • 温度計と湿度計は、寝床の近くに置いて計測するよう注意

0~7日齢の子猫の成長

 以下は、0~1週齢(0~7日齢)の子猫に見られる一般的な成長過程です。これらの過程が観察される場合は、順調に成長していると判断できます。また子猫のかかりやすい病気を参照し、病気の兆候が見られる場合は念のため獣医さんに相談した方がよいでしょう。
子猫の成長(0~7日齢)
  • 視覚  4日齢ではすでに大脳皮質における視覚の電位が記録され、6日齢には網膜電図が記録可能となる。
  • 聴覚  生後2~3日ごろから電位が見られ、生後6日目までに200~6,000ヘルツまで可聴域が広がる。
  • 運動能力  下半身を骨盤で支え、前肢で体重を支えようとする「踏みなおし反射」は、3.5日齢くらいから見られるようになる。その後、5.7日齢くらいになると、前肢で体重を支えることができるようになる。
  • 触覚  生まれたときから鋭敏で、特に鼻先は0.2度の温度変化でも感知できる。
 子猫の目は、生後7日頃まで開かないため、外の世界はもっぱら嗅覚、触覚、聴覚によって把握しようとします。特に前足(前肢)の役割は重要で、自分の位置を変えるときや、母猫の腹部に対して「ミルクトレッド」と呼ばれる行動を取るときに用いられます。ミルクトレッド(milk tread)とは、乳房をマッサージするような動きのことで、これにより母乳の出方がよくなると言います。
 子猫の鼻先は、母猫の乳首を探すためや、巣から迷い出たときのため、温度に対して非常に敏感にできています。迷子になった子猫は、巣に向かって続く温度勾配を鼻先で感知し、自分の進むべき方向を決めているそうです。これは、母猫が連れ戻しに来なかったときのための生得的な安全装置なのでしょう。
 母猫から子猫を引き離した後、再び一緒にすると、頭部を母猫の被毛の中にうずめるもぐりこみ反射と呼ばれるしぐさを見せます。成猫でも、顔面を両手で覆うとおとなしくなる場合があるのは、子猫の頃のこうした安心感を覚えているためだと考えられます。
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1~2週のケア・育て方

生後1~2週の子猫には3時間に一度の授乳と、それに伴う排泄処理が必要  「1~2週」とは、おおよそ「8~14日齢」の期間です。
 この時期は3時間に一度の授乳と、それに伴う排泄処理が必要です。1回の授乳では、約10cc程度の乳を飲めるようになります。以下は8~14日齢における、体重100グラム当たりの必要カロリー、および必要水分量です。こうしたデータを目安にして、授乳に過不足が起こらないよう気をつけます。
8~14日齢の必要栄養と水分
  • 必要カロリー⇒28キロカロリー/体重100グラム
  • 必要水分量⇒13~22ミリリットル/体重100グラム
 以下は、1~2週齢(8~14日齢)の子猫に見られる一般的な成長過程です。これらの過程が観察される場合は、順調に成長していると判断できます。生後10日前後になってもまぶたがぴっちりとくっついているようでしたら、湿らせた脱脂綿(だっしめん)などで目頭をそっと拭いてあげます。ドロッとしたものが出てくる場合は、獣医さんに相談してみましょう。通常は抗生物質の目薬を差しておけば問題ありませんが、放置していると失明してしまうこともあります。また子猫のかかりやすい病気を参照し、病気の兆候が見られる場合は念のため獣医さんに相談した方がよいでしょう。
子猫の成長(8~14日齢)
  • 視覚  7~10日齢頃に目が開き始め、2~3日かけて完全に開く。
  • 聴覚  生後7日目には定位反応が見られ、13~16日齢までには音の聞こえる方向へ探索をするようになる。外耳道は6~14日齢に開き、おおよそ17日齢で完成する。
  • 運動能力  10日齢頃から後肢で下半身を支えるようになり、14.3日齢頃から後肢による踏みなおし反射が見られるようになる。
  • その他  暖かいものの中へ頭から入り込もうとする「もぐりこみ反射」が16日齢まで見られる。体温調整が自力でできるようになると自然消滅。
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2~5週のケア・育て方

生後2~5週の子猫には1日5~6回、子猫が飲める分だけ授乳する  「2~5週」とは、おおよそ「15~35日齢」の期間です。
 この時期は1日5~6回、子猫が飲めるだけ授乳するようにします。以下は15~35日齢時の、体重100グラム当たりの必要カロリー、および必要水分量です。こうしたデータを目安にして、授乳に過不足が起こらないよう気をつけます。なお、3週齢頃から、乳首に吸い付く吸引反射が徐々になくなっていきますが、これは正常な変化です。
15~35日齢の必要栄養と水分
  • 必要カロリー⇒25~28キロカロリー/体重100グラム
  • 必要水分量⇒13~22ミリリットル/体重100グラム
 以下は、2~5週齢(15~35日齢)の子猫に見られる一般的な成長過程です。これらの過程が観察される場合は、順調に成長していると判断できます。もし子猫のかかりやすい病気を参照して病気の兆候が見られた場合は、念のため獣医さんに相談した方がよいでしょう。また屋外で野良猫を拾ったときなど、母猫の健康状態がよくわからないときは、4週齢を目安に一度動物病院に相談し、ワクチン接種と虫下しについて取り決めます。週齢が不明な場合は、体重が500グラムを超えたところでいったん病院に電話してみましょう。
子猫の成長(15~35日齢)
  • 視覚  15~25日齢頃から奥行きを認識したり、物を追ったり母猫を探すといった行動が発達する。生後25~35日齢頃から、障害物を避けることができるようになる。瞳はまだ青く、やや外斜視の傾向がある。
  • 聴覚  3~4週齢で同腹の子猫や人間の音声を認識し、防衛反応(背中を丸めてシャーシャー音を出す)も見られる。31日齢までに耳介が深くくぼんでいく。
  • 運動能力  2週齢まではあまり動かず、四肢をゆっくりばたつかせて泳ぐような進み方を示す。3週齢からはおぼつかない歩き方が認められ始める。4週齢になるまでは寝場所から遠く離れることは無い。5週齢頃になると、一瞬、走るような様子を見せるようになる。よじ登りは23~40日齢頃から。 空中で体勢を立て直す「空中立位反射」は生後21~30日齢に出現する。
  •  乳歯は2週齢ころから生え始め、5週齢で生えそろう。
  • その他  爪の出し入れ、および自力での体温維持は3週齢までにできるようになる。4~5週齢の時期には古典的条件付けが成立する。すなわち、「犬の絵と一緒に電気ショックを与えると、犬のことを嫌いになる」といったように、中立的な刺激と生理的反応とをワンセットで記憶することができるようになる。
 この時期において特筆すべきは、生後2週目あたりから社会化期(しゃかいかき)が始まるという点です。社会化期とは、猫の性格を形成する上で極めて重要な時期であり、この時期に同腹の猫、他の動物、人間などと幅広く接していると、将来的に人懐こくて社交的な猫が育つと言われています。社会化期は長期的に続くわけではなく、およそ生後7週目で終了してしまう期間限定のものですので、この時期における子猫の扱い方はデリケートに考慮しなければなりません。具体的な接し方は、猫の性格で詳述してあります。また、この時期に見られる代表的な変化は以下です。
生後2~5週齢の子猫に起こるイベント=自力排泄・遊びの発達・乳歯の生えそろい  生後23~39日齢になると、股間への刺激に応じておしっこやうんちをする排尿排便反射が消失し、ようやく自力で排泄できるようになります。今まで膝の上で行っていた排泄物の処理を猫用トイレの上に切り替え、そのままトイレのしつけに移行しましょう。また爪の出し入れもできるようになりますので、猫を生活用品に慣らすを参考にしつつ、爪切りにも慣らしていきます。
 少し高い場所から飛び降りたり、走る能力を身につけるのもこの頃です。兄弟猫がいる場合、4週齢頃から社会的遊びを見せるようになります。部屋の中を冒険して不慮の事故に遭わないよう、猫を飼う室内環境の整え方猫にとって危険な毒物を再確認しましょう。
 生後28~35日で脳が完全に発達し、平均すると生後35日で乳歯26本が生えそろいます。子猫の口の中を覗いてみて、細い牙のような歯が生えているのは乳歯です。乳歯の生えそろいを契機に離乳期(りにゅうき)が始まります。
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5~6週のケア・育て方

子猫の乳歯が生えそろい、母親が授乳を拒み出したら離乳期の始まり  「5~6週」とは、おおよそ「36~42日齢」の期間です。
 この時期は、子猫の乳歯がすでに生えそろっていますので、ミルクから離乳食(りにゅうしょく)に切り替えるようにします。離乳食とは、半固形状態のドロッとした食べ物で、多少顎を使って咀嚼(そしゃく)する必要があるエサのことです。離乳食に関しては、牛肉、湯がいた鶏ササミ、白身魚などをフードプロセッサにかければ自宅でも作れますが、市販されている猫用離乳食を利用したほうが簡便でしょう。なお、人間にはOKでも猫にはNGという食材はたくさんあります。猫の毒となる食物には必ず目を通しておいてください。また猫にドッグフードを与えることは、基本的にNGです。
 母猫がいる場合、乳歯の生えた子猫が母猫の乳首を噛(か)んでしまうことも多くなるため、自然と乳離れが行われます。これは、母猫が子猫を叩いたり、子猫が付いてこられない高い場所に逃げ込むことで行われます。また、野猫の場合は、子猫の乳歯が生えそろった時点で、お乳の代わりに外界でとってきた獲物を与えるようになります。 
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6週~2ヶ月のケア・育て方

生後6週~2ヶ月の子猫には、顎の発達を促進するためやや固めの食事を与えます。また偏食にも気をつけましょう。  「6週~2ヶ月」とは、おおよそ「43~60日齢」の期間です。
 この時期に、あまり柔らかいものばかり食べていると顎の発達が悪くなり、歯並びにも影響しますので、生後40日前後を目安に、離乳食からあごを使って噛む食事に切り替えます。自宅で作る場合は、栄養バランスを計算した上で、牛肉、湯がいた鶏ササミ、白身魚などを、包丁で軽く叩いた状態のものから試します。食事は、1日3~4回に分け、おやつとして猫用のミルクがあればベターです。ただし、あまり同じものばかり与えていると、成長したとき極端な偏食(へんしょく)になる可能性もありますので、缶詰フードや、子猫用のドライフードなど、食べやすい状態にアレンジした上で色々と試すことも重要です。
 7~8週齢頃になると、目と四肢の連動が急激に発達し、運動や遊び兄弟間のじゃれあいが激しくなります。野猫の場合は、ちょうど母猫が子猫を狩りに連れて行く時期です。兄弟猫たちは生えたばかりの乳歯でお互いにかみ付き合ったり、取っ組み合ったりする中で痛みを覚え、また、手加減することを覚えます。こうしたじゃれ合いがないと、将来的に人を引っかいたりする猫になってしまう危険性がありますので、猫同士の社会化勉強は極めて重要です。猫の社会化は犬の12週齢よりも相当早く、およそ7週齢(35日齢)で終了してしまいます。
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2~5ヶ月のケア・育て方

2~4ヶ月の子猫の食事は、朝と夕方の2回が基本で、おやつとして猫用のミルク(1回50cc程度)があればベター  「2~5ヶ月」とは、おおよそ「61~150日齢」の期間です。
 生後3.5ヶ月齢くらいまでは、柔らかめのフードを1日3~4回に分け、おやつとして猫用のミルク(1回50cc程度)があればベターです。
 生後3.5ヶ月齢(100日齢)くらいから「歯牙脱換期」(しがだっかんき)に入り、乳歯が永久歯に変わり始めます。柔らかめの食事から成猫用の硬いドライフードに切り替えるのは、歯と顎がしっかりと発達した生後5ヶ月(150日齢)くらいからが目安となります。
 なお野猫の場合、2~4ヶ月齢は母猫から狩りの方法や獲物のとり方を教わる時期です。母親が自分の尻尾をつかってじゃれさせたり、生きたままの獲物を持ち帰り、止めを刺す練習を子猫にやらせることもあります。
子猫のオスメス判定の仕方
 生後間もない子猫のお尻には、オスもメスも穴が二つあり、オスの場合は穴と穴の距離が13ミリメートル(1.3センチ)くらい、メスの場合は7~8ミリメートルくらいが普通です。しかしこの判定法は、目見当(めけんとう)で行うため、たった5~6ミリメートルの違いを見分けることは容易ではありません。 子猫の雌雄判定は、生後2~3ヶ月頃になるまで難しい  より確実なオスメス判定法は睾丸(こうがん=いわゆる「きんたま」)の有無で判定しますが、猫の睾丸の有無は生後2~3ヶ月しないとわかりません。2~3ヶ月を過ぎたオス猫のお尻には、穴と穴の間に通称「猫の後金(あときん)」と呼ばれる睾丸のふくらみが目立ち始めます。
 「国際猫医療協会」(ISFM)では、猫の避妊去勢手術は生後6ヶ月齢ころまでに行うのが望ましいと推奨しています。避妊手術とはメス猫の卵巣と子宮を切除することで、去勢手術とはオス猫の精巣を切除することです。将来的に子猫を生む計画がない場合は、5ヶ月齢を迎えるまでに一度動物病院と相談し、不妊手術計画について決めましょう。詳しくは猫の不妊手術をご参照ください。
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子猫のかかりやすい病気

 以下では子猫がかかりやすい病気について解説します。飼い主の心がけによっては予防できるものもありますので、事前に予習していざという時、慌てないようにしましょう。

子猫衰弱症候群

 子猫衰弱症候群(こねこすいじゃくしょうこうぐん)は特定の病気を指すわけではなく、何らかの理由により生後まもなく死んでしまった子猫に対して与えられる総合診断名です。
 それまで元気だった子猫が急に死んでしまったり、弱々しい状態で数日間生死の境をさまよった後に死んでしまうというパターンが多く見受けられます。
 原因は多岐にわたりますが、難産に伴う低酸素症や外傷、免疫性の溶血症、先天的奇形、飼い主の不注意による低体温症などです。最後の原因は予防可能ですので、子猫の体温が下がらないよう、飼い主は十分に注意します。

先天的奇形

 子猫の体の一部に、異常がある状態で生まれてくるものがいます。具体的には 水頭症小脳障害心臓の病気横隔膜ヘルニア、口蓋裂などです。
 原因としては近親交配、母猫の妊娠中に投与された薬剤などが挙げられます。生まれたときにはわからないものの、成長とともにはっきりしてくるものもあるため、飼い主は猫の見た目や様子の変化に、常に気を配るようにします。 猫の先天的奇形である水頭症と口蓋裂

低血糖

 生まれたばかりの子猫が24時間以上お乳を飲まないでいると、低血糖に陥る危険性があります。理由は、肝臓の機能がまだ弱く、グリコーゲンと呼ばれるエネルギーの塊を貯蔵することができないためです。
 兄弟猫に押し出されて母猫の乳首に到達できない子猫や、うっかり人工授乳を忘れてしまった子猫などで、多く発症します。授乳を母猫に任せている場合は、すべての子猫が均等に母乳を飲んでいるかどうか常に確認するようにしましょう。他の子猫に比べておなかがぺったんこだったり、ぐったりして元気がない場合は要注意です。

感染症

 母猫が各種感染症にかかってる状態だと、血液や胎盤を経由して子猫にまでウイルスを移してしまうことがあります。このような垂直感染(経胎盤感染)を予防するためには、母猫が妊娠する前にワクチン接種を完了しておくことが必要です。
 また母猫がわからない子猫を拾った場合は、母猫の初乳に移行免疫が含まれていない可能性や、仮に含まれていたとしても、それを飲んでいない可能性が考えられます。そういう場合は、4週齢(生後28日齢)くらいを目安に動物病院と相談し、どのようなワクチン接種プログラムを組んでいくか決定します。

寄生虫症

 母猫が寄生虫を保有している状態で子猫を生むと、血液や胎盤を経由して子猫にまで寄生虫が移ってしまいます。母猫が不明な野良猫を拾った場合などは、4週齢(生後28日齢)くらいを目安に動物病院と相談し、どのような虫下し薬を適用するかを決定します。またこの時、ワクチン接種プログラムを合わせて相談すると効率的でしょう。

免疫性溶血症

 免疫性溶血症(めんえきせいようけつしょう)とは、母猫の初乳が子猫の血液中にある赤血球を破壊することで生じる貧血症状のことで、正確には「新生子同種溶血現象」(しんせいしどうしゅようけつげんしょう)と呼びます。
 本来、初乳というものは中に含まれる抗体の作用により、子猫の免疫力を高めてくれるものです。しかし、母猫と父猫の血液型の組み合わせによっては、味方であるはずの抗体がなぜか子猫の赤血球を破壊してしまい、溶血現象を引き起こして子猫の命を奪ってしまうのです。
 具体的には、母猫がB型(遺伝子型BB)で父猫がA型(遺伝子型AA)の場合は100%、母猫がB型(遺伝子型BB)で父猫がA型(遺伝子型AB)の場合は50%の確率で本症を発症します。詳しくは猫の血液型をご参照ください。
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